世界の歴史、経済、政治を学ぶ国際関係学ーーロンドン大学の留学経験者インタビュー

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ロンドン大学での授業はいったいどのような感じなのか。ロンドン大学キングスカレッジで国際関係学を学ぶ日本人にインタビュー。

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今回の留学経験者インタビューは、イギリス・ロンドン大学に留学している「サイェド明花(さいぇどじゃすみん)」さん。現在、ロンドン大学キングスカレッジでファンデーションコースに通い、国際関係について学んでいて、今年の夏から1年生になります。そんなサイェドさんのイギリス留学について3回に分けてご紹介します。

第2回の今回は、「ロンドン大学」と「国際関係学」についてお話を聞きました。

ロンドン大学の基本情報

ロンドン大学はイギリス屈指の名門大学。およそ20のカレッジを持ち、学生数は10万をゆうに超える。各カレッジは学校運営を個別に行っており、それそれ独自の大学として扱われている。

様々な人種の人々がいるロンドン大学

ロンドンの地下鉄

ーー ロンドン大学の様子を教えてください。

ロンドン大学は総合大学なので色んな人がいます。留学生も多いです。教授も日本人を含めて様々な人種がいて、女性教授もたくさんいます。

ーー 周りに日本人は多くいますか?

日本人会もあるほど一定数います。ロンドン大学にはいくつもキャンパスがあるんですが、ロンドン大学全体の日本人会は規模もかなり大きくて、東京でも同窓会をやったりするそうです。

私はそうした大規模な会は肌に合わなかったので、日本人の知り合いをネットで探しました。イギリスに日本人用の掲示板があって、家やアルバイトを探せるんですが、そこで友達も探せるんです。ロンドン大学の年が近い人に連絡とって、今は5人くらい仲の良い日本人の友達がいます。

ーー ロンドン大学で誇れる施設はありますか?

図書館がお城みたいにきれいです。キャンパスとは別のところにあるんですが、24時間空いていて、カフェやシャワー室まであります。夜通し勉強する学生も多いですね。もちろん蔵書数もかなり多いです。

ーー ロンドンの環境はどうですか?

交通の便がとにかく良いです。地下鉄の本数は東京と変わらないですし、今年の夏から24時間営業になってすごく便利です。バスも多いですよ。でも、物価は高いです。日本の2倍くらいに感じます。その分アルバイトの時給も高いんですけど。

治安に関しては危ない目にあったことないですね。私の住んでる南西部は日本人も多くて治安は良いです。ロンドンの危険マップみたいなのがあるんですけど、東の方は危険みたいで、マップが赤くなってます。

研究に強いロンドン大学

ロンドン大学内部

ーー ロンドン大学を選んだ経緯を教えてください。

年に2回くらい、イギリスの大学関係者が日本へ説明会に来られるのです。そこでパンフレットをもらい、比較して決めました。キングスカレッジを選んだのは、やっぱりロンドンが良かったというのがあります。イギリスの地方の大学に行った先輩とかに聞くと、バスで1時間くらいかけて大学に通わなきゃいけないこともあるみたいなんです。ロンドンだったら交通機関には困らないので。

ーー ロンドン大学の魅力はどういうところがありますか?

ロンドン大学は研究に強いんです。カレッジがたくさんあって、各カレッジによって色んな研究が盛んなので、自分に合ったものが見つけやすいと思います。あとは何といってもロンドンという立地ですね。インターンとかアルバイトもたくさんありますし。知名度もあって、ロンドン大学と言えば何かと話が分かるからという理由で入学する人も結構います。

あと地方の大学に比べて学生の多様性がありますね。スコットランドとかの方だと、クラス20人中自分だけ外国人であとはみんな白人のイギリス人、みたいなこともあります。そういうのが嫌で色んな人と関わりたい人はロンドン大学をお勧めします。

ーー 大学の雰囲気はどうですか?

みんなガリ勉とかじゃなく、好きなことをやっている印象です。かなり自由な校風です。イメージと違ったのは学生がよくタバコを吸っていることくらいで、大体はイメージ通りの素敵な大学でした。

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世界のすべてを学ぶ国際関係学

ーー ロンド大学で学んでいる学問について教えてください。

大学では国際関係学を学んでいます。国際関係学では、9割方理論について学びます。リベラリズム、社会的封建主義、リアリズムなどの理論を理解して、「どう国際関係に適用するか」「歴史からみて、この理論はここがダメだったからこうなった」といったことを勉強します。

ーー どういうきっかけで国際関係学を学ぼうと思ったんですか?

国際協力に携わりたかったからです。国際関係学を勉強すると、世界の歴史、政治、経済といった様々な面を包括して全部学ぶことができます。そういった知見を国際協力に活かせると思ったんです。

ーー ロンドン大学での国際関係学の授業はどんな感じですか?

授業は、まず最初にレクチャーがあって先生が一方的に講義をします。その2時間後に、先生が関連した質問をして、みんなでそれについて議論をします。学んだことについてすぐに議論するのです。最初は大変でしたけど、だんだん慣れてきて議論ができるようになりました。

その授業はIELTSのライティングのスコアでクラス分けされ、大体一クラス10~20人くらいの少人数です。答えられなかったり発言できないと相手にされませんが、少人数なので手厚い指導が受けられます。

ーー 例えばどんなことについて議論するんですか?

最近だと、やっぱりEUから離脱したことについてですね。残留派と離脱派に分かれて議論したり、EUとNATOのどちらがイギリスにとって良いかについて討論します。そういう政治的な話題もしっかりと議論します。

EU離脱によるイギリス社会の混乱

ーー EUからの離脱でやはり今、イギリス社会に混乱が生じていますか?

若い人が抗議しているのを見たりします。実は離脱したくないけど面白がって離脱に投票にした人とかもいて、やっぱり残留に投票するべきだったとか言っていたり。特にロンドンは移民の方が多いので、かなり混乱しています。ロンドンが独立するんじゃないかって言う人もいるくらいです。フランスは移民に対して、同化させようとする政策を採りますが、イギリスは比較的自由にさせて、社会保障も充実しているのです。だから、イギリスにたくさん移民が集まります。

私自身は見たことないですけど、移民へのヘイトスピーチは2倍くらいになったみたいで、ちょっと心配しています。私に直接関係のある話でいうと、留学生が減るんじゃないかなっていう懸念はありますね。ドイツやフランスからの留学生は今までイギリス人と同じ学費で通えてましたが、これから他の留学生と同じように2倍くらいの学費を払わなきゃいけなくなるみたいです。そうなるとやっぱり留学生が減っちゃいますよね。

学生同士は普段から授業以外でも、そういう社会問題について話します。食堂でパソコン持ってきて議論している人たちも結構いて、そういうのは日本に無いことだと思います。

まとめ

今回は「ロンドン大学」と「国際関係学」について伺いました。国際関係学では世界の政治、歴史、経済など広い範囲のことを学べるようです。また、イギリスでは授業内外に関わらず、学生同士で議論することが多いみたいで、日本とは結構違いますね。

さて、次回は「サイェドさんの留学中の体験」について伺います。

今回紹介したロンドン大学キングスカレッジの口コミ

キングス・カレッジ・ロンドンのロゴです
名称King's College London(キングス・カレッジ・ロンドン)
国・都市イギリス / イングランド / ロンドン
学校形態大学大学院
住所Stamford St, London SE1 8WA イギリス
電話番号+44 20 7836 5454
公式サイトhttp://www.kcl.ac.uk/index.aspx
口コミサイトhttps://ablogg.jp/school/10377/

インタビュアー

保坂福斗(ほさかふくと) / 早稲田大学一年 / アブログインターン生

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THE RYUGAKU [ザ・留学] 編集部です。留学コニュニティサイト『アブログ』も運営しています。

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