ママ版ジェームズ・ボンドを募集?秘密情報部「MI6」とロンドンの新たな観光名所
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映画『007』シリーズに登場するジェームズ・ボンドは「MI6」という英国の機関に所属する有名なスパイです。この度「MI6」がなんと、ママさんスパイを公に募集したのです。あまり日本では知られていないMI6の話とロンドンの新しい観光名所ご紹介します。
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「ジェームズ・ボンド」の作者も元スパイ
スパイ映画シリーズ『007』の作者はイアン・フレミングです。第二次世界大戦中、彼は実際にスパイとして活動をしており、連合軍が遂行した特殊作戦「ゴールデンアイ作戦」の指揮官でした。
スパイ業を引退した後、その経験をもとにスパイ小説の執筆を開始。「ゴールデンアイ」の名称は『007』のタイトルとしても使用されています。
1990年にイアン・フレミング自身を題材にした映画『スパイメーカー』が公開され、2014年にはBBCが製作したフレミングのスパイ時代を描いた全4話のテレビミニシリーズ『ジェームズ・ボンドを夢見た男』も映像化されました。
スパイ小説の作者はエージェント出身が多い
『ジャッカル』は1973年に公開、その後1997年にリチャード・ギア&ブルース・ウィリス主演でとしてリメイクされた映画です。
その原作本『ジャッカルの日』を執筆したのが、スパイ小説の大御所「フレデリック・フォーサイス」ですが、2015年8月に「20年以上にわたりMI6と情報交換などを通じ協力関係にあった」とカミングアウトしました。
彼以外にも、『第三の男』のグレアム・グリーン、『月と六ペンス』のサマセット・モーム、『ツバメ号とアマゾン号』シリーズのアーサー・ランサムといった有名作家陣もMI6の元部員です。
ママさんスパイを一般公募した「SIS」
イギリスの情報機関「MI6(エムアイシックス)」は、「SIS(Secret Intelligence Service)」の中の一つのセクションであり、「Military Intelligence section 6 (MI6)」が正式名称です。
そのSISが、同国の育児情報サイト「Mumsnet」に要員募集の広告を掲載し、ママさんスパイを募集しました。
新たに募る要員の必要な資質としては、「創造力、洞察力、好奇心、共感や直感力の重要性」です。また「イギリス国籍で人生の経験が豊富で分別ある人材。海外勤務の可能性もあり」とも伝えています。
しかし、現在「Mumsnet」の募集広告に対して、「子育てに追われている身なので、要員になるのはとても無理」「会話のすべてを覚えられる記憶力は持っていたとしても、車の運転ができない」などの様々な意見が上がっているらしいです。
実際のママさんスパイ募集の広告
⇒https://jobs.mumsnet.com/job/304937/intelligence-officers/?TrackID=16#sc=widget&me=referral&cm=16
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なぜママさんスパイなのか?
CNN(London)の記事には、下記のような洒落たコメントが掲載されています。
Forget sharp suits, expensive cocktails, gambling problems and one night stands. Maybe mothers are better spies than James Bond?
「シャープなスーツに身を包むわけでもなく、高価なカクテル(マティーニ?)を飲む訳でもなく、ギャンブルもやらないし、また一夜だけの情事もない母親はジェームズ・ボンドよりも優秀かも?」
(※「one night stand」は「一夜限りの情事」という意味のスラング)- MI6 recruits spies on Mumsnet: Do mothers make the best secret agents?
この記事によると、スパイビジネスに占める割合は男性が圧倒的で、イギリス議会の委員会により「『Mumsnet』を通じ、人材確保を図るべし」との通達があったらしいです。
確かに子どもや旦那を持つママなら、ハニートラップを仕掛けた相手と本当に恋に落ちてミイラ取りがミイラになる、といった二重スパイになるリスクが低くなるかもしれません。
また、ネットの工作員になる可能性も考えられます。ママさんネットワークを使って、情報を広めたり、検索するための募集なのかもしれません。なお、SIS公式HP上でも正式に情報員を募集しています。
SIS公式HP上の募集
⇒https://www.sis.gov.uk/
『007』の中で爆破されたSIS本部
映画『007』シリーズには、たびたび実在するSIS本部(MI6の本部)の映像に出てくるのですが、『007 スカイフォール』ではSIS本部が爆破されるシーンもありました。
(↑ヴォクソール・ブリッジ上からSIS本部の爆破を見上げる指揮官M)
映画の世界だけでなく、現実でもSIS本部が攻撃されたことがあります。2000年9月20日、ビル8階にロシア製ロケットランチャーが打ち込まれました。しかし、強力な防御が施されている優れたビルであるらしく、損害は軽微でした。
SIS本部は1995年にランベス地区から隣りのヴォクソール地区に移転しました。テムズ川沿いの観光地のど真ん中にあります。テムズ川を挟んだ、斜め向かいには有名なテート・ブリテン(美術館)もあります。
アメリカのCIA本部がラングレーの木々に囲まれ隔離された状態にあるのとは対照的に、SIS本部ビル周辺は一般住民が普通に散歩をしています。また、SIS本部の建物は今では新たな観光名所としても人気みたいです。白とグリーンを基調としており、その立ち姿は堂々として威圧感さえ感じられます。
SIS周辺の観光名所
SIS本部ビルを訪れるほどの007好きなら「ジェームズ・ボンド ウォーキングツアー」がお勧めです。歴代の『007』映画の舞台を10ヶ所以上巡るツアーです。大人(16歳以上)は約2300円。子供(4歳~15歳)が約2000円です。
英国政府観光庁オンラインショップ「ジェームズ・ボンド ウォーキングツアー (James Bond London Walk)」
⇒https://www.visitbritainshop.com/japan/james-bond-london-walk/
それほど007好きでもない場合でも、SIS本部周辺には様々な観光名所があるので本部ビルを起点としてロンドン観光をしてみても楽しめると思います。せっかくなので比較的新しいロンドンの観光名所をご紹介しましょう。
London Eye(ロンドン・アイ)
1999年末から運行を開始した巨大観覧車。2015年からはコカコーラがスポンサーとして運営しており、正式名称は「コカ・コーラ・ロンドン・アイ」です。テムズ川沿いにあり、対岸にはウェストミンスター(Westminster)があります。
(↑夜はライトアップされて、綺麗です)
乗客を乗せるカプセルは32個で、全てに空調が完備されています。なんと、カプセル1個当たり25人も乗り込めます。年中無休。搭乗料金は一般大人17ポンド(約3100円)です。
London Eye(ロンドン・アイ)公式サイト
⇒https://www.londoneye.com
The Shard(ザ・シャード)
ロンドン・ブリッジ駅の南西側にあり、地上95階建て 309.6mの超高層ビルです。2012年に完成し、2013年2月1日より一般入場が開始されたロンドンの新名所です。その高さは西ヨーロッパ一番の高さを誇ります。
関西国際空港の旅客ターミナルの設計を手掛けたイタリア人建築家「レンゾ・ピアノ」の設計です。展望階は68階、69階、72階となってます。展望台の入場料は大人が約5000円、子供(4~15歳)は約4000円。3歳以下は無料です。
英国政府観光庁オンラインショップ「ザ・シャード展望台 (THE SHARD)」
⇒https://www.visitbritainshop.com/japan/the-view-from-the-shard/
The Shard(ザ・シャード)公式サイト
⇒http://www.the-shard.com
まとめ
私は『007』シリーズの映画が大好きなので、仕事をリタイアしてセブに移住する前に夫婦旅行でイギリスに行き、MI6の本部ビルを拝んでまいりました。『007』ファンの方は是非とも訪れてみてください。ヴォクソール・ブリッジ上からだとベストショットが撮影できます。なお、MI6本部の建物のすぐそばで撮影した場合は、守衛に注意されるようです。ご注意を!
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この記事を書いた人
日本の大学を卒業後に、フランス、イギリス、アメリカを渡り歩き、気がつけばセブで生活をしている50代半ばのオッサンです。酒とビリヤードを愛する男。セブでは、日本人よりフィリピン人のほうが友達は多いです。ちょい悪オヤジになりきれない、か弱いオヤジ。今までの経験を通して、私らしい情報発信ができれば幸いです。