ミス・ユニバースに「日本人らしさ」は要らない?波乱に満ちた2015年ミス・ユニバース日本代表

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Jorge Mejía peralta

今年3月に宮本エリアナさんがミス・ユニバース日本代表に選出されました。その彼女に対して「風貌が日本人らしくない」といった心ない批判が上がりました。母親は日本ですが、父親はアフリカ系のアメリカ人だったからです。確かにパッと見はアンジェリーナ・ジョリーさんっぽい顔立ちです。でも、日本生まれで日本育ちの彼女は立派な日本人なのです。どうやら、一部の日本人には「日本人はこうあるべきだ」という固定観念があるようです。今回は、ミス・ユニバースとはどういう大会なのかに焦点を当ててご説明したいと思います。

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宮本エリアナさんプロフィール

・混血の日本人としては、日本初のミス・ユニバース日本代表
・本名は宮本エリアナ磨美子
・身長 175、B 87、W 60、H 87
・現在21歳でアメリカと日本の二重国籍を持ち、22歳には「日本国籍を選ぶ」と公言

長崎県佐世保市の中学を卒業後に、父親がいるアメリカに渡米しモデル活動を始めます。帰国後はバーテンダーをして働いていており、ミス・ユニバース世界大会代表を契機にモデル業を再開します。

趣味はツーリングで、なんと大型2輪免許を取得されてます。書道の腕前は5段。現在は株式会社HDRとマネジメント契約。藤原紀香さんらが所属している芸能事務所の「サムディ」にも所属しています。

代表決定後に寄せられたツイッター上のコメント

「日本代表にハーフを選んでいいの?」
「ミス・ユニバース日本代表なのに、ハーフはダメだろ!」
「日本人ではない」
「純日本人の美しさじゃない」
「日本人らしくない」

では、宮本さんは何人(なにじん)なのか?エイリアンなのか?ハーフ人と言えばいいのか?そもそも「日本人らしい」の定義は何であるのか?私自身ですら「日本人らしい」と言えるのかも分かりません。

これらのコメントの根底にある「日本人らしさ」とは、さしずめ「容姿」「外見」を意味しているようです。もし彼女が混血であっても、安室奈美恵さんみたいな顔立ちであれば、このような批判はなかったのではないでしょうか。

多民族国家ではない日本では、このような批判が寄せられるのは目に見えていた事態かもしれません。では、そもそものミス・ユニバースにおける選考基準はどうなっているのでしょうか。

ミス・ユニバースの選考基準

選考基準として、単なる外見の美しさだけではなく、知性・感性・人間性・誠実さ・自信などの内面も重視される。また、社会に積極的に貢献したいという社会性を兼ね備え、世界80カ国以上から集まる各国の代表と対等に立てるグローバルな女性像が求められる。

Wikipedia『ミス・ユニバース』

この選考基準を見る限りにおいては、「その国らしさ」や外見などは求められていないのです。つまり、容姿が「日本人らしい」のかどうかはさておいて、「日本人らしさ」を求めること自体が筋違いなのです。

「グローバルな女性」を見つけ出す大会

選考基準は単に、世界の中で人間的に最も素晴らしい「グローバルな女性」を見つけ出す大会なのです。さらに申し上げれば、国ごとに予選が組まれているのは選考段階における合理性による所が大きいとも言えます。

日本代表やアメリカ代表といった形で世界大会に臨むわけですが、実質はA組代表やB組代表に過ぎないのです。その国の代表としての国民性や民族性は問われていません。

そう考えれば「ミス・ユニバース」や「ミス・インターナショナル」というネーミングから察するに、非常にコスモポリタン思想に則った大会であるようです。もし、各国代表の戦いと表現するならば「ビューティー・オリンピック」です。

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宮本エリアナさんという一個人の挑戦の場

彼女は、親善大使の世界一決定戦に出場されるのではありません。地球上の一個人の女性としての挑戦です。彼女自身が混血の日本人というバックボーンを持つ、一人の人間としての挑戦だと思います。

ミス・ユニバースは、ネット投票などで決まるものではありません。1ヶ月にも渡る選考期間があり、普段の生活態度や人との接し方、初対面の人とうまくコミュニケーションできるか、疲れた時でさえも美しく前向きな態度でいられるか、なども厳しくチェックされるのです。

日本人としての文化や技術は全く関係ありません。表面的な美しさよりも、彼女自身が持つ人間性や内面的な美しさや強さが決め手となります。もはや、どこの国の出身ではなく、各個人のアイデンティティの戦いなのです。

ミス・ユニバースには社会貢献の任務がある

ミス・ユニバースが疲れた時でさえも美しく前向きでいる必要があるのは、就任後にはハードな仕事が待ち受けているからです。就任後は1年の間、ニューヨークに拠点を置き、プライベートも全くない状態で世界各国を飛び回って社会貢献活動を行うのです。

ミス・ユニバースには、社会に積極的に貢献したいという気持ちと社交性、どんな激務でもミス・ユニバースらしく美しく、にこやかに社会貢献の任務をこなすことができる女性が求められているのです。

単なる美しい綺麗なお嬢さんでは、ミス・ユニバースは務まらないのです。

最後に

どうやら、もともとミス・ユニバースの選考基準では、特に日本人らしさは求められていないようです。しかしながら、今回の「日本人らしくない」という批判、そして宮本さんが人種問題に固執している点は、日本で論議をかもしだしています。

問題となる部分は、ミス・ユニバースの選考基準がわかったところで解決されるものでもないようです。おそらく「日本人らしさ」を求められるといった間違った選考基準の認識下で起こった出来事だからです。

この問題は、今の日本において今後も直面する可能性が十分にあります。日本国民が真剣に考えないといけない問題でもあると思います。

次回の記事では、このミス・ユニバース日本代表の問題の根底にある「日本人らしさ」「ハーフ」の部分に焦点を当て、今回の騒動の核心に迫りたいと思います。
「ハーフ」という言葉の裏側に潜むもの。波乱に満ちた2015年ミス・ユニバース日本代表

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ケン
ケン

日本の大学を卒業後に、フランス、イギリス、アメリカを渡り歩き、気がつけばセブで生活をしている50代半ばのオッサンです。酒とビリヤードを愛する男。セブでは、日本人よりフィリピン人のほうが友達は多いです。ちょい悪オヤジになりきれない、か弱いオヤジ。今までの経験を通して、私らしい情報発信ができれば幸いです。

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