アメリカ生活の魅力 「自由」と「責任」は一枚のコイン

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Eric Henderson Photography

THE RYUGAKUに寄稿している私の文章をお読みになられた方は気づいたのではないかなと思うのですが、私はあまり他人に留学を勧めることに積極的ではありません。理由はそれだけ周りで留学に失敗していく人を数多く見てきたからなのですが、留学や海外生活に魅力がないわけでは決してありません。今回はアメリカ生活の魅力について語っていきたいと思います。

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1.「選択肢」のある自由な社会

私はアメリカの魅力は「選択肢のある社会」に尽きるのではないかと思います。「選択肢」とはなにか。言い換えれば、自分のしたいことが選べる社会といっていいかもしれません。

日本では一般的に大学を卒業した後、できるだけ大きな会社に就職し、結婚。という流れが理想とされてきましたが、こちらではそれほど大きな社会的プレッシャーを感じずに生活ができます。

日本の職場では上司が仕事場に残っていたりすると自分だけ帰宅しにくい雰囲気が、まだあるでしょうか。こちらでは、自分の仕事の裁量が明文化されているので、自分の仕事が終わったらサッサと帰宅するのが普通です。サービス残業を会社が強制しているとクレームになると大変なことになるので、むしろ残業を推奨しない方針になっているところが多いです。

終身雇用、年功序列は基本的にないので、会社の中で人間関係や評価が悪化、解雇されてもまた就職できる可能性は日本より高いです。離婚などのトラブルを機に他の州に引っ越し、また自分の人生をリセットし直すという方も数多く見てきました。

これだけ自由な選択肢があるため、言い換えれば自分の人生は自分で設計しなければいけないリスク・責任も伴います。しかし、それだけ楽しいということでもあります。

2.会社との関わり・依存度の違い

私は日本で大学生だったバブル後の時代、東京の中央線沿線でサラリーマンの飛び込み自殺がある度、「なんだか会社にすがって生きていくのもなあ」と感じておりました。

かといって自分の力だけでお金を生み出せる才能があるわけでもなく、アメリカで無難に就職をしたのですが、会社との関係は日本での従業員が持っている忠誠心のそれとは大きく異なり、「契約」といった感じになっています。私はおそらく会社を首になっても自殺はしないでしょう。

日本からの駐在員の方のお話を伺うと、日本では住むところも会社の寮や社宅、アフター5の飲みは会社の同僚、バレーボールのサークルは会社の仲間、会社からは健康診断まで提供を受け…と従業員の会社への依存度が大きく、その違いに驚くばかりです。

日本とアメリカの住宅事情、健康保険の有無などが違うため、一概にいい悪いはいえないのですが、私は自分で自分を管理したいので、アメリカのほうが向いているかなと思います。

3.多様性が生み出すコミュニティ

アメリカは移民で成り立った国です。私の住んでいるデトロイト近郊にも多くの移民のコミュニティがあり、私のようないろいろな民族、社会、人種、文化を見たい人間にとって、アメリカは最適な国なのです。

私はここ一年、気の合う日本人の友人と毎週一回、デトロイト近郊の中近東、ベトナム、ロシア、メキシコから来た人たちのコミュニティなどに行き、夕食を楽しんでいます。どれも本当においしく東京でもちょっと食べられないぐらいの幅の広いバラエティに富んだ料理を食べることができます。

アメリカではそれぞれの国から移ってきた人たちがちょうど、「サラダ」のようにまとまって住んでおります。その国の食材店もそういったコミュニティに点在しています。各国のおいしい料理が好きな人にとっては、たまらない国ではないでしょうか。

かくいう私も料理とおいしい食事が大好きですので、時折ロシア系、韓国系食料品店などに足を運び料理を楽しんでいます。

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4.住環境の違い

アメリカの殆どは田舎です。電車が走っているような都市は、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴなどに限定され、全米のほとんどが日本の都市と比べて非常に広々としています。

よって、車社会になるのですが、その引き換えに日本と比べて非常に住環境が良いです。私は日本に帰る度に、実家がこんなに小さかったのかと驚愕します。

同時に日本の満員電車にも驚きます。日本と比べてアメリカでの生活は、他人が接近することがあまりありません。満員電車にはもう乗れない、なんて思う在米邦人は多いのではないでしょうか。

その他

アメリカではスポーツの観戦もさかんですし、大学のフットボールの試合などは大学をあげての応援になり、大変大規模になります。

アメリカの大学のキャンパスは広大ですし、アメリカで研究された方は、大学と企業、政府などが密接に連携し、才能や行政のある研究者を引き立てようとする姿勢に感銘するはずです。

日本の教育機関で物足りない方は、アメリカで研究することは悪くない選択肢であることに間違いありません。アメリカでさらに業績を伸ばすチャンスがあることでしょう。

最後に

アメリカは移民で構成された国ゆえにまとまりに欠け、個人主義を「自分勝手」というように受け取られているかもしれませんが、その実、自分の行動に責任を持たなければいけない社会でもあります。私はアメリカに来て、「自由」と「責任」は一枚のコインだということを学びました。

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この記事を書いた人

命かげろう
命かげろう

初めまして!日本の大学を卒業した後、米国の大学院に留学し漂流し続けること10数年。今年で米国生活16年目になります。お笑い好きの40男が加齢臭を漂わしながら、ミシガン州デトロイト近郊から海外生活と留学の知恵や経験をお届けします。

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