イギリスの学校給食はひどすぎる!?イギリスで起きた給食改革
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かつてのイギリスの給食と言えば、全てがプロセスフード(加工食品)であることも珍しくありませんでした。しかし、近年はあるシェフの活躍もあって改善されているようです。そこで今回はイギリスの給食事情についてご紹介します。
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皆さんはスコットランドの少女が始めた給食ブログの話を聞いたことがありますか?あまりにひどい食事内容に嘆く彼女のブログは、世界中で瞬く間に有名になりました。(参考「ブログは世界を救う 学校給食ブログで1700万円超の寄付集めた英少女がアフリカ訪問」)
そこで、今回はイギリスの給食についてお話したいと思います。
イギリスの給食事情
イギリスの学校では、基本的にその日によって給食かランチボックス持参か自由に選べます。ちなみに名前から混乱しやすいですが「school dinner」はランチを意味します。
給食代金
給食代は2£程度。Reception Yearと呼ばれる最初の年(日本で言えば小学1年生のようなもの)から3年間は無料です。また生活保護を受けているなど支払いが困難な場合でも無料で提供されます。
食べる場所
給食は教室ではなく、カフェテリアやランチルームのような場所で皆で食べます。トレイを持って、メインや付け合わせ、デザートなどを選び配膳係によそってもらったり、その日の決められた食事から好きなものだけお願いする具合です。
これまでのイギリスの給食
以前のイギリスの給食、それはひどいものでした。ほとんどが冷凍か缶詰の食品に、野菜はグリーンピースのみ、甘さでごまかした砂糖たっぷりデザートといった内容だったようです。
イギリスでは肥満児の割合の多さが問題になっています。給食の改善は必須であり、2015年には政府が更なる大きな改革を行い、出される食事内容に厳しいルールが課せられるようになりました。
- 良質のタンパク質と炭水化物をバランス良く
- より多くの新鮮な野菜を。具体的には野菜、果物を1人辺り最低必ず1日に各1種類ずつ。週単位でそれぞれ3種類ずつの違う野菜、果物を摂ること
- 鮭、鯖などの良質の脂を含む魚をもっと提供する
- 飲み物は基本は水を推奨
- 低脂肪牛乳もしくはラクトーゼフリー、その他の豆乳を毎日飲むことを推奨
- フルーツ、野菜ジュースは150mlまで
- お茶、コーヒー、低脂肪のホットチョコレートドリンクもOK
- 揚げ物やパン粉など衣でコーティングされるもの、パイのようなペイストリーを使った料理、菓子は週に2回まで
- なるべく精白されていないものを提供すること(胚芽や全粒粉のパン、パスタなど)
上記だけではなく、その他に渡り細かく指導されています。
給食革命を起こしたシェフ「ジェイミー・オリバー」
この改革に一役買った有名なシェフがいます。イギリスの人気シェフ「ジェイミー・オリバー」です。自らのテレビ番組「ジェイミーズ・スクールディナーズ」で給食のひどさを訴えるなど、様々なキャンペーンを行いました。
ゴミ箱に捨てる子供も
給食を作る現場に行き、冷凍バーガーを温めるだけなど調理とはとても言えない状況を見て、ヘルシーなメニューを指示します。しかし、現場の調理師は出来ないと怒り出し、決められた労働時間内にやれない、やったこともないと爆発。
子供たちお気に入りのチキンナゲットの代わりに、チキンキャセロールを振る舞うが、初めて見る料理に子供たちは手をつけようともせず。結局はナゲットを食べてしまう始末。ジェイミーの料理をこっそりゴミ箱に捨てる子供も。
しかし、子供たちも自分たちの今までの給食がどのように作られていたか、口にしているモノがどのようなプロセスを踏んで完成しているのかを目の前で見て、段々とサラダを笑顔で食べたり、ジェイミーの料理に口をつけるように変化していきます。
政府が予算を増額
2012年の大々的なキャンペーンをはじめジェイミー氏のこれらの働きは大成功します。番組を見たり、ジェイミーに共感した人、また学校給食に不安を覚えた人など、27万人以上の署名や嘆願書が当時の首相に提出されました。その結果、政府は給食改善のための予算を増額する事を決定します。
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お弁当を廃止?
最近は給食が改善されたことで、今度はランチボックス(お弁当)に批判的な人も現れています。夕飯の残りのピザ一枚に、おやつのスナック、ビスケットを詰めただけ。もしくは一種類の具を挟んだサンドイッチのみ、など給食より栄養が偏っているという懸念が広がっているのです。
最後に
さて、これから留学する皆様にとって、通学予定の学校のカフェテリアにどんなメニューがあるのか、楽しみですね。
皆様の留学生活を心から応援しています!
Have a lovely day!
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この記事を書いた人
イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。