食に保守的なイギリス人にも人気の日本食10選
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数年前からイギリスでは和食がブームとなっています。それに伴って日本の食材であるパン粉や柚子、七味などもローマ字で表記されるのが、あちこちで見られるようになりました。伝統的な和食ばかりではなく、「あれ?これも?」と私たちも不思議に思うものが「ジャパニーズフード」として捉えられているようですが、今回はイギリスで人気の日本食をご紹介いたします。ホームパーティなどで何を作ろうかお悩みの方にもお役に立ちますように!
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イギリスでは和食がブーム
イギリス人は食に対して物凄く慎重、保守的です。昔からあった古いパブがお客さんが来ないので、伝統的なイギリス料理を改革した「モダン・ブリティッシュ・キュイジーヌ」を取り入れて新たにお店を盛りたてようとしたところ、毎日そこで食べていた常連の初老のご夫人が「私の大好きなバンガー&マッシュはどこ?メニューに何してくれたのよ?」と真剣に怒って抗議した、というような話も本当によく聞かれるのです。
それでも私がイギリスに来た9年前とはうんと変わり、レストランやスーパーの食材もバラエティが増えてきました。ロンドンにはたくさんの日系の和食のお店もありますし、「ジャパニーズフード」を謳ったレストランも数え切れないほどあるのです。
今回はその中でも頻繁にメニューや人々の話題、グルメ雑誌やTVに「ジャパニーズフード」として登場する10品を選んでご紹介します。伝統的な和食を知っている皆さんは「なんじゃこりゃ?」となるかもしれませんが、そこは遠く離れたイギリスの話、お許しください!
1.餃子
世界にはさまざまな形の餃子がありますが、ここで人気なのは「日本の主流の焼き餃子」です。もしホームパーティをしてメニューにお困りのときは、アレルギーや宗教で食べられない人がいなければ「焼き餃子」は大体喜ばれます。タレは甘めのものが受けがいいようです。
こちらで人気の「ジャパニーズフード」をうたう某チェーン店でも、焼き餃子、蒸し餃子ともに中身も「鴨」、「海老」、「チキン」「野菜」など幅広く揃えているようです。
2.ラーメン
ロンドンには日系のラーメン屋さんがここ数年で一気に増えました。それを真似てラーメンを出すお店も増えましたが、「スパイシーサーモン・ラーメン」、「ピーナッツバターラーメンサラダ」などと、挑戦するのをためらってしまいそうな変りダネをメニューに見ることも。私のイギリス人の友人たちもラーメンは大好きです。
3.カツカレー
歴史上イギリスにはインドやバングラデシュからの移民の方々がとても多く、彼らの子孫がたくさん暮らしています。彼らが伝えたおかげでインド料理はとてもレベルが高く、また辛すぎるのが苦手なイギリス人のためにイギリスで生まれた独自のカレーも多くあります。
カレーがもはや国民食となっているイギリスにおいても、「カツカレー」などが最近とても人気です。スーパーでは「カツカレーキット」まで売られるようになりました。ただ、ポークカツではなく、チキンカツが主流のようです。
4.うどんヌードル(そばヌードル)、焼きそば
イギリスの有名な情報サイトが選ぶ「安くておいしいロンドンのお店トップ10」で選ばれたこともある讃岐うどん屋さんを始め、最近は「博多うどん」を出すお店もオープンしたようです。
私が購読するグルメ雑誌には、毎月のようにうどんや蕎麦のレシピが載ってきますが、「Sweet miso-marinated salmon with soba noodles(甘味噌漬けサーモン焼き、お蕎麦添え)」や、「Stir fried beef soba noodle(蕎麦を使った牛肉焼きそば)」などが主流となっていて、きりっとした蕎麦が大好きな私にはガックリくることも。
うどんも「チキンスープ」などが出汁の変わりにレシピでは使われることが多いです。出汁の香りが苦手という方が多いからでしょうか。焼きそばもソースとしょうゆでシンプルに味付けしたものから、アジア風のものまで大変人気です。
5.居酒屋メニュー
枝豆、揚げ出し豆腐、チキンから揚げ、焼き鳥、串焼きなどもとても人気があります。以前セレブリティシェフのガストロパブ(お食事と飲み物を一緒に楽しめるスタイルのパブ)を訪れたときに「ジャパニーズヤキトリ、七味添え」というメニューがありました。
また「チリで和えた枝豆」、「PANKOがトッピングされた枝豆」なども見たことがあります。焼き鳥はササミと胸肉が、串焼きは牛の赤身にラム肉などが人気のようですよ。わざわざ鶏の皮をよけて食べる人も多いこちらですから「鶏皮」、「砂肝」、「ハツ」などは残念ながら見たことがありません。
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6.お好み焼き
ロンドンにもお好み焼きのお店があります。イギリスにある「Bubble and squeak」というキャベツやケールなどとポテトをつぶしたもの(大体がローストのつけ合わせなどで余った野菜)をフライパンで焼いた料理に似ているからという友人もいます。
ウスターソースの発祥の地であるイギリス人、お好み焼きソースも大好きです。マヨネーズも日本のものを使った日には「おいしい!」と必ず言われます。ただ、脂っこい豚バラを載せたり、和風の出汁を使ったり、かつおぶしが上でふわふわ踊っていたり(単純に怖い)、これも脂っこい揚げかすを乗せてしまうと一気に「無理かも」となる場合もあるのです。
筆者の友人は「お好み焼き作ってあげる」と私に「ベーコン&キャベツのオートミールお好み焼き」を振舞ってくれました。おいしかったです。
7.照り焼き
甘い味付けが大好きなイギリス、ピクルスもわざわざ「Sweet」と付けられたものが売られているのです。そんなイギリスの方が「照り焼き」が大好きなのも本当に頷けます。サーモンから牛肉まで、なんでもありのようです。スーパーでも照り焼きソース、レディミールや「照り焼き風味のさば」缶詰までもが売られています。
8.味噌汁
いまやスーパーでもインスタント味噌スープが買えるようになりました。とあるお店で食べたときには、「チキンストック味のスープ」にお味噌がうっすらまぜられ、マッシュルームが2切れ浮かんで出てきました!
9.寿司
サーモン、茹で海老、カリフォルニアロール、カニかまぼこ、チキンカツなどを巻いたもの、アボカド、きゅうりなどが良く食べられています。巻き寿司は海苔巻きではなく裏まきが主流で、ごまなどを散りばめたものが多いようです。
日系のお店に行かなければ「お寿司」と私たちが思っているものはなかなか食べられません。機械で作られたシャリにイギリスのセレブリティシェフが「落として割れないであろう衝撃の出来ですね。」というようなコメントを残していたのを覚えています。
スーパーでは「黄パプリカ巻き」をたくあんだと思って、うっかり食べて悲しくなった経験のある筆者です。先日は冷凍食品を主に扱うスーパーで冷凍寿司まで見つけました。
10.丼・弁当という呼び方
なんでも「DONBURI」、「BENTO BOX」と名づけたらかっこいいと思われているのでしょうか、わざわざ丼と呼ばなくても良い「BBQ pulled pork DONBURI(豚をほろほろになるまで調理してフォークで裂き、BBQソースと混ぜたものをのせたご飯)」のようなものから、弁当の入れ物に「なんでも詰めちゃったけれど、まあBENTOって書いちゃえ!」といったような、明らかに弁当からかけ離れたものまで売られています。
筆者の家に届いたレストランを宣伝するチラシには「RAMEN BENTO」とメニューにありました。頼むべきでしょうか。どきどきします。
まとめ
本当の伝統的な和食を知ってもらえたらなと残念に思う事もありますが、イギリスの人々が新しい食文化に少しずつこうして興味をもってくれるのは嬉しいことです。皆様も留学される際にはぜひおいしいお寿司などをホームパーティで作ってみてくださいね!皆様の留学生活をイギリスから心より応援しています!
Have a lovely day!
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この記事を書いた人
イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。