本当にアメリカにいるだけで話せるようになる?英語が自然と身につく俗説の正体

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アングロ・ヨーロピアン・スクール・オブ・イングリッシュ

「とりあえず海外に行っちゃえば、言葉なんて自然と話せるようになるよ。」こんな言葉、聞いたことないですか?そしてこの言葉は事実なのでしょうか?少なくても私は16年の在米生活を通じて自然と話せるようになった感覚はありません。そこで今回は、なぜこのような俗説が出てくるのか考えてみました。

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留学をすれば英語ができるようになると思い込み、米国に留学、そのまま退学になっていった留学生を私は幾度となく見てきました。留学は費用と時間の莫大な投資です。投資を無駄にしていただきたくないため、あえてこの文章を書きました。

よく耳にする「外国語自然とできる説」

私は日本の大学を卒業後、米国の大学院に留学し、米国に在住して16年目になります。留学時から度々、「米国にいれば自然と英語がしゃべれるようになる」という意見を耳にしておりました。そして、このような意見を持つ人に限って、自然としゃべられるようにならないまま、日本に帰国して行くのです。

なぜ、一部の方は外国にいれば、その国の現地語が自然とできるようになると考えるのでしょうか。私自身の経験を振り返ってみても、私は英語を自然と身につけたとは思いません。大学院でも山のような本を読みこなさなければいけませんでした。いまだに「完璧に」英語を理解できたとは言いがたい状況です。

では一体「どうしてこのような俗説が生まれ、まかり通ってしまうのか?」私なりにその背景を考えてみてました。

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なにをもって英語ができるというのか、定義が曖昧である

言語とは非常に複雑なシステムです。一人ひとりまったく同じルールに沿って話したり書いたりするわけではありません。個人個人によって理解のレベルが違うのに、漠然とした共通のルールに沿って話さないと通じない困ったシステムです。

「話せる」という意味合いも「大学レベルの授業を行えるレベルから喫茶店でコーヒーを注文できるレベルまで」実に幅広く、曖昧です。あるInternational Schoolの事務長の方が「Nativeと喧嘩できると話せるといっていいのではないか」と定義していたのを本で読んだことがありますが、私も賛成です。

私は趣味で、Improvisationという日本でいうところの即興のコントをやっています。当然、米国人の観客相手に、グループの友人たち(当然アメリカ人ばっか)とコントを行います。在米16年目の私でも、未だに知らない単語、表現が多く、必ずしも相方のギャグの意図を汲みとって観客を笑わすことができるわけでもありません。おそらく、日本人でImprovisationをやれるようになったら、上級者レベルといっていいでしょう。

なぜ、「米国にいれば自然と英語ができるようになるという俗説」が流布されるようになったかと推察するに、例えば「①まったく英語が苦手な人が米国に出張し、②四苦八苦しながら空港の喫茶店でコーヒーを注文する、③出張が終わる頃には苦もなくビールを注文できるようになった」がゆえに、こういった説が流布されるようになったのではないでしょうか。

喫茶店でコーヒーを注文するぐらいの英語力は実は日本の高校レベルの英語で十分です。落ち着けば日本の中学生だって注文できるでしょう。そこで早とちりをし、英語は在住すればそのままエスカレーターのごとく上昇していくと思い込んだ人が過去に多いのではないでしょうか。

でも、実際に生活をしていくと、医者に会った時の病状の説明、仕事でのプレゼンテーション、健康・車両保険などの契約など要求される英語力はより複雑化していきます。必ずしも、日本で培った基礎的な英語力でまかなえるわけではないことは、自明の理かと思います。

皆、母国語を自然と憶えたと勘違いしている

以前に、現地語を自然と憶えられると思い込み留学をし、そのまま引きこもりとなってしまった同級生から、状況打開を望む相談がありました。

いくら勉強することを促しても彼女は納得せず、なぜそう考えるのか問いただしました。彼女いわく「(日本語は)自然と憶えた!」と言うのです。私はその言葉に懐疑的な印象を持ちました。本当に私たち日本人は母国語を自然と学んできたのでしょうか?

米国の主要都市には、日本人駐在員子息のために「日本校」と呼ばれる週末に通う学校があります。幼少の頃に通っていた友人(日系人)の話では、ただでさえ平日アメリカの学校で宿題があるのに、国語算数理科社会を土曜日に一気に日本語で押し込まれ、漢字の書き取りの宿題も出されるという地獄のカリキュラムだそうです。

思い起こしてみれば、日本語の漢字、敬語など学校の先生から注意されたことは幾度としれず、いまだに口うるさい上司から敬語の使い方で指摘を受ける私ですから、日本語を自然と憶えたとはとうてい思いません。おそらく、日本という生育環境で、周囲の人間が小学校中学校高校と通っていたので、その状況を不思議と思わず、日本語が習得できたと思い込んでいるのではないでしょうか。

また、日本語が母国語だからといっても、全員が全員、日本語を同じレベルで理解しているわけでもありません。日本語の上手い下手は日本人でもあります。外国語を自然と憶えたと考える方は、自分の母国語に対する認識をも不足しているのかもしれません。

以上の2つの原因を考えてみましたが、いかがでしょうか。
おそらく賛否両論があるかと思いますが、これから留学を目指す方の一つの参考になれば幸甚です。

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命かげろう
命かげろう

初めまして!日本の大学を卒業した後、米国の大学院に留学し漂流し続けること10数年。今年で米国生活16年目になります。お笑い好きの40男が加齢臭を漂わしながら、ミシガン州デトロイト近郊から海外生活と留学の知恵や経験をお届けします。