海外の大学院で日本語教師を目指すには?ーーストラスブール大学院留学経験者インタビュー

20458

View

スポンサーリンク

日本語教師になるには、日本で勉強しないといけないのかな?海外で勉強したいけど、日本語を教えたいなぁ…そんな風に思っている方は意外と多いかもしれません。実は、海外の大学院で日本語教師になるための勉強をすることができるんです。今回は、ストラスブール大学の博士課程に在籍しながら、日本語教師の道を考えている小松さんにインタビューをしました。

スポンサーリンク

今回インタビューを受けてくれた留学経験者

今回の留学経験者インタビューは、小松 久里子(こまつ くりこ)さん 。現在フランス・ストラスブール大学博士課程に在学しています。イギリスの学士課程の修士課程を卒業後、フランスへ渡りストラスブール大学修士課程から現在に至ります。日本語教師の資格を持っており、社会人としても働いた経験のある彼女に、海外の大学院で日本語教師になる勉強をすることについてインタビューしました。

海外の大学院で日本語教師に

海外の大学院で日本語教師に

ーー 小松さんは何を研究されているんですか?

大学の修士では言語学習を学んでいました。語学学習のマネジメントや応用言語学系です。日本で日本語教師の資格を取ったのですが、イギリスでも1ヶ月で取得できる資格を取りました。修士が終わってすぐに大学で日本語が教えられるのかというと、そうでもないんです。日本語を教えるためには、日本語を専攻して置いた方が有利なんです。

そこでフランスに行って、修士課程で日本語学を専攻しました。今は博士課程で言語学習を専攻し、フランス人学習者はどうやって日本語を勉強しているのか、を研究しています。また、博士課程に在籍しながらも、講師として大学院で日本語を教えています。ただ、それだけで食べていけるほどではないので、経験を積むためですね。

スポンサーリンク

語学を学んできたから、語学を教えたい

語学を教えたい

ーー 卒業後はフランスで日本語を教えたいんですか?

フランスは大学で教えるのに試験があるんですね。ポストも少ないですし。博士を持っていればどこの国でも教えられるので、できればイギリスに行きたいです。今も機会があれば色々なところに応募はしています。ただ、狭き門なのでどうなるかはわからないですね。

私は会話を専門に教えているので、日本語学科だと会話の授業がないところも多いんです。フランスの日本語教育は日本の英語教育と同じような感じで、話す日本語を教えるところが少ないので、使える会話の日本語を教えたいです。

ーー 元々日本語教師を志されていたんですか?

元々は志していたわけではないんですよ。私は海外生活が長くて、イギリスにもフランスにもいたので、英語もフランス語もできるようになりました。その分「日本語できるの?」「日本語うまいね」と言われることもあって。最初は「日本語もできます」というために資格を取りました。

また、私は語学オタクなんです。英語とフランス語のほかにも、イタリア語とスペイン語も学んでいました。イタリアは1年、スペインは3ヶ月留学していました。自分が語学を学んできたことが1番活かせるのは、語学を教えることだと思いました。そして教えるなら、母語である日本語だと思い、日本語教師を志しました。

留学したからと言って語学力が伸びるわけではない

留学したからと言って語学力が伸びるわけではない

ーー 講師をしながら、留学生について何か思うことはありますか?

フランス人で日本語を学んでいる学生は、日本に留学することが多いんです。もちろん日本語がうまくなって帰ってくる学生もいるんですが、そうでない人もいます。日本に留学しても日本人の友達があまりできなかったという人もいるんですよ。

これは日本人にも言えると思います。留学先で日本人とばかりつるんでしまったり、留学生同士でつるんでしまって、現地人の友達ができない。そうすると現地の言葉が伸びないで日本に帰ってきてしまうケースもあります。

ストラスブール大学には英語で学ぶ学部があります。学校で英語しかいらなくても、外に出るとみんなフランス語なんです。英語が通じるとはいえ、フランス人同士で集まるとフランス語で話すので、現地の言葉ができないとなかなか交流するのが難しいですね。

ーー 何かアドバイスはありますか?

留学をすれば現地の友達ができて、語学力が伸びるというわけではないんです。むしろ、自分の国に来ている留学生と関わる方が語学力が伸びるケースもあります。外へ外へと出ようとするだけでなく、自分の国でもできることをやってほしいです。

編集部コメント

いかがでしたか?日本語教育学というと日本で学ぶイメージですが、海外で日本語教師を目指すという道もあります。海外で学ぶことの利点は講師をして経験を積みながら大学院に通えることかもしれません。また、留学するだけで語学力が伸びるものではありません。自分の国で交流できる機会があればそれを活用し、その先の留学生活につなげてみてください。

インタビュアー

鈴木莉帆(すずき りほ)/ 早稲田大学2年 / アブログインターン生

今回紹介したストラスブール・カレッジの口コミ

ストラスブール大学のロゴです
名称Université de Strasbourg(ストラスブール大学)
国・都市フランス / ストラスブール
学校形態大学大学院
住所4 Rue Blaise Pascal, 67400 Strasbourg, フランス
電話番号+33 3 68 85 00 00
公式サイトhttp://www.unistra.fr/
口コミサイトhttps://ablogg.jp/school/114/

スポンサーリンク

この記事に関するキーワード

  • インタビュー
  • 体験談
  • 大学院
  • 言語学
  • ストラスブール大学
  • 日本語教師

この記事を書いた人

運営チーム
運営チーム

THE RYUGAKU [ザ・留学] 編集部です。留学コニュニティサイト『アブログ』も運営しています。

https://ablogg.jp/

留学希望者におすすめ各国の留学情報を徹底解説!