夫婦同時留学の現実ーーイギリス大学院の留学経験者にインタビュー
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夫婦同時留学って?結婚しても留学はできる、とはいえ、実際はどうなのか?というのは気になるところですよね。今回は、夫がロンドンビジネススクールに留学する際、一緒にバークベックカレッジ大学院に留学した方にインタビューしました。
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今回インタビューを受けてくれた留学経験者
ロンドン大学バークベックカレッジ修士課程パートタイムコースに留学していたTonakaiさん。夫の留学に合わせて、自身もバークベックカレッジで分析化学科で留学した彼女は、どのように夫婦同時留学生活を送っていたのでしょうか。6組の夫婦同時大学院留学の例を交えて語ってもらいました。
夫婦同時に留学するメリット
ーー 夫婦同時に留学して良かったことはありますか?
まずは費用ですね。特にヨーロッパは生活費が高いので、別々に住んだら大変な出費なのはですね。生活費って授業料と同じくらいかかるので。
ーー 確かに生活費はバカにならないですよね。
そうなんですよ。特に私の場合は夫の社費留学なので、家賃補助があるので…私だけで留学するのとは全然違ったと思います。家賃補助がないとしても、バラバラに留学するよりは一気に留学した方が絶対に家計には優しいですね。
ーー お金以外の面でもありますか?
苦労がシェアできることです。実は二人の入学日が全然違ったので私は最初の1ヶ月は主婦をやっていて、夫だけが学校に通っていたんですね。相手の苦労がわかっているつもりでも、「あんなに行きたがっていた大学についに行けることになったんだからもっと喜んでいいはずなのに、何で不安なんだろう」とか、分からないこともあるんです。ところが自分も学校が始まると、授業について行けるのか、英語がわかるのか、本当に不安でした。そこで初めて相手の苦労が本当の意味で分かったと思います。
ーー 精神的な辛さを分かり合える相手がいるというのは心強いですね。
あとは、私の場合は夫が先に入学していたということで、分からないことを夫に聞けばいい、というのも心強かったです。入学の資料や面接の対策などで支えてもらえました。
ーー 学業の面でもありましたか?
そうですね。私は夫の学校の期間に合わせているので、2年間で修士を取ることにしましたが、本来なら9月までのところを私の修論の締め切りが9月までとなっているんですけれども夫の卒業に合わせて7月で終わらせるので、クラスメイトより前倒しで提出しなくてはいけないです。修士論文は自分で書いているのですが、その中間口頭発表というのがありまして。それは夫にもアドバイスをもらいながら仕上げました。
奥さん仲間のコミュニティーで情報交換
ーー 夫が留学した時、ついていく家族はどうなりますか?
ビジネススクールへの留学だとアメリカかイギリスが多いと思うんですけど、それぞれVISAが違うんですよ。アメリカでは配偶者VISAだと奥さんが留学や就労ができないんです。奥さんが留学したくなったら、わざわざ日本に帰って、奥さんの方も世帯主としてF-1という学生のVISAを取らないといけないんですよ。だから夫がアメリカに留学すると、語学を学んだりジム通いや料理教室みたいな習い事をしたりする奥さんが多いですね。
ーー イギリスはどうなんですか?
イギリスだと、配偶者のVISAで奥さんも留学できて、働くこともできます。収入制限はありますけどね。あと、出産が無料でできるのは大きいですね。医療水準も高いので安心です。ただし、入院は1日しかできないんですけどね。
ーー 1日だけなんですね。
現地の人もそうなので、1日で退院が普通ですね。アメリカはどうかわからないんですけど…でもアメリカだと出産費用は高いですね。ただ、アメリカで生まれた子どもは日米の二重国籍を取れて、その子が大人になる頃にどっちか好きな国籍を選べるようですね。
ーー どっちがお勧めですか?
独身だったらどっちでも良いと思うんですけど、結婚してたらイギリスの方がお勧めですね。治安もイギリスの方がいいですし。銃がないですからね。
ーー 情報交換などはどこでしているんですか?
奥さん仲間のコミュニティーがありますね。例えば、ロンドンビジネススクールでは「partner's club」というのがあります。ママさんも多いので子育ての情報共有などができますね。
ーー Tonakaiさんも参加しているんですか?
私は大学が忙しいのであまり…当初は参加する予定だったのですが。
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出産よりも学業を優先
ーー 出産も考えていますか?
それも当初は考えていました。でも、私の学校が忙しかったし今は、修士の学位が取りたいので。出産よりも学業を優先したい、という感じです。特に理系なので、妊娠していると化学薬品などの危険物を扱うのが怖いじゃないですか。機械もたくさんありますしね。
ーー 確かに、危険はなるべく避けたいですよね。
そうなんですよ。だから妊婦さんになったクラスメートも休学を選んでいましたね。
ーー やはりご主人について行くというパターンが多いのでしょうか?
そうですね、基本的にはその方が多いです。でも、奥さんの留学でイギリスへ来て、ご主人が「専業主夫」をしているという知り合いもいます。
留学と主婦業の両立は助け合い
ーー 主婦業との両立は大変ですか?
1年目は私が全て家事をやって、夫は学業に専念していましたが、2年目は家事を半分くらいやってくれています。
というのも、理系と文系では忙しい時期が違うんですよ。夫の行っているビジネススクールでは1年生が忙しく2年生の方が楽なのですが、理系の修士課程ではの卒業間近の方が忙しいんです。理系は修士論文のために実験もあるので後半が忙しいんですね。
平日は昼休みに帰って来るので一緒に昼食を食べ、私は片付けて夕食の準備をしてから午後2時の授業に駆け込んで、夜帰ったら肉や魚を焼いて夕食です。汁物やチャーハンなどは一気に6人分くらい作り、冷凍や翌日の昼食にして、1日1回だけ料理すればいいようにしていました。
和食を食べたがるので現地で手に入る食材で工夫を重ねました。ノルウェーサーモンを塩漬けにして塩シャケにしたり、日本のねぎがないので西洋ねぎで代用して焼き鳥をフライパンで焼いたり、薄切り肉がないので生ベーコンで豚しゃぶをしたりしました。
同時留学をしている6組の夫婦
ーー 周りにも夫婦同時に留学している人はいますか?
はい。6組います。
ーー そんなにいるんですね!みなさん一緒に住まれているんですか?
いえ、一緒に住んでいない夫婦もいます。一組はオーストラリアとアメリカにそれぞれ留学していましたね。この二人はお互いに勉強したいことがあって、こうなってしまったようです。2年間別々で暮らすことにはなってしまいますが、違う時期に行くよりは一緒の時期に行った方がいいのではないでしょうか。
ーー 確かに、「大学院留学」という目標が二人ともにあるなら、同時に叶えた方がいいのかもしれませんね。
はい。平日だけ別居で週末だけ同居している夫婦もいます。同じイギリスへ留学しているのですが、オックスフォード大学とロンドン大学なので、80kmくらい離れていて一緒に住むには距離が遠いんです。そのため、平日は二人ともそれぞれの大学の近くで過ごして、週末になると二人で生活しています。
ーー 二人ともが留学をかなえられることはすごくいいですが、やはり学費と生活費が気になりますね。
そうですね…やはり同居したままの方が生活費が抑えられるので、あとの4組は同居して留学していますね。ただ学費も大学によって全然違うので…夫婦同時にロンドンビジネススクールに通っている知り合いもいるんですが、1200万円×2人分で2400万円の学費です。
ーー そんなにするんですか?
ただ、いいこともあって。ロンドンビジネススクールは倍率が高いのですが、夫婦同時だと受かりやすいという噂もあります。どちらかだけ合格しても、どちらかが不合格だと二人ともが合格した他の大学へ行ってしまうかもしれないですよね。噂ではあるんですけど、確かにそうだなぁ、という感じです。
ーー そういう話もあるんですね。でもやはり、二人分の学費を払うというのは大変ですね。
それも、探せばお金の負担を減らす方法はあるみたいです。私の知り合いでアメリカに留学している人がいるんですが、ペンシルバニアの大学では、成績上位3分の1に入れば学費を免除してもらえるそうです。
ーー そんな方法もあるんですね!
はい。他にもお金を安くする方法はたくさんあると思います。だから情報収集は本当に大切ですね。
経済的な状況はご主人の留学の方法によっても違います。夫のように社費留学だと生活費の補助や学費は出ますし、私のように私費だとすべて自腹ですよね。社費留学だと生活費や引っ越し費用が出る会社と、学費以外は出さない会社があります。あと、留学生の中には駐在員の奥さんなどもいますね。ご主人が働いているので経済的には楽です。やはり留学夫婦と比べてリッチな生活をしているようで、ベビーシッターを雇ったりもしています。また、多くの駐在員は年に1度日本に帰るお金も出るので、一時帰国もしていますね。
ーー そうすると奥さんの留学の学費も心配しなくてよさそうですね。
経済的にはそうかもしれませんが、駐在員の奥さんが留学するのは大変そうですね。やはりご主人がフルタイムで働いているので、家事ができないんです。駐在員の奥さんで留学している人も知っていますが、大変そうですね。
編集部コメント
いかがでしたか?夫婦で同時に留学するのは、なかなか難しい事だとは思います。それでも、大学院に行きたい、留学したいという目標があれば、お金を節約する方法はたくさんあります。どこの大学にするのか、どんな方法でするのかをぜひ調べてみてください。
今回紹介したバークベック・カレッジの口コミ
名称 | Birkbeck, University of London(ロンドン大学バークベック校) |
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国・都市 | イギリス / イングランド / ロンドン |
学校形態 | 大学大学院 |
住所 | Malet Street, Bloomsbury, London WC1E 7HX イギリス |
電話番号 | +44 20 7631 6000 |
公式サイト | http://www.bbk.ac.uk/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/11645/ |
インタビュアー
鈴木莉帆(すずき りほ)/ 早稲田大学2年 / アブログインターン生
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