日本在住経験のあるイギリス人が見る、イギリス人と日本人の似ているところ<前編>
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イギリス人の友人で長く日本に滞在したことのある大学の先生がいます。彼女とパブで飲んでいたところ「日本人とイギリス人、似てるところあると思うのよね。」と話し出しました。実に興味深い内容でしたので2回に渡りお送りいたします。
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イギリス人と日本人の似ている3つのこと
イギリスと日本の共通点は長く住むにつれ筆者も感じることも多くなりましたが、それをイギリスの友人から指摘されたのが驚きでした。彼女は長く日本に滞在、仕事仲間もほとんどが日本人であったので、その彼女から聞く意見は大変新鮮で面白いものでした。
個人の視点からですので、あくまでもこういう意見もあるんだなという程度にお楽しみいただけたら幸いです。
1.物事を荒立てずに丸く納める傾向にある
以前も「イギリス人は文句を言うのが苦手?イギリスならではの言い回し&役立つイギリス英語」でご紹介しましたが、とあるイギリス人の友人はパブで頼んだビールに髪の毛が浮いていた際に、抗議をしないでそれには手をつけず、改めて頼みに行きました。
また。これは過去の筆者の体験ですが、ロンドンから遠く離れた街で電車が故障した際、乗客全員が降ろされ、代わりのバスが到着するのを雨の中一時間近く待たされましたが、回りにいた駅員さんに文句を言う人はいませんでした。そして皆は着いたバスに「ありがとう」とニコニコ乗り込んでいたのを覚えています。
日本でも「まあこれくらいいいか。わざわざ事を荒立てることもないし。」と寛大な対応をする人が多かった気がするとイギリスの友人は言います。
彼女が日本にいた際、日本人の同僚たちが間違って運ばれた居酒屋の料理オーダーなどにも「ごめんなさい、これ違うんじゃないですか?」と柔らかく聞いたり「忙しかったらこれでいいですよ。いただきますから。」などと譲歩したりするのをよく見たそうです。
また、会議などの席でも激しく意見が飛び交うことが少なく、その場の雰囲気を大事にする光景がとてもイギリスと似ていたと話していました。
2.外国人に対して距離をおく、またはシャイな人が多い
イギリスの人は一見取っつきにくそうに感じますが、それは彼らが個人のスペースやプライバシーを尊重しているからだと彼女は言います。立ち入るのも立ち入られるのも失礼だと言う考えがあるのです。
それに加えてイギリス人は内向的です。そのシャイさは日本人より更に上を行くのでは?とすら筆者も感じます。だから素っ気なく思えてしまうこともあるかもしれません。
特に外国人に対してはかなりの距離感を持っているように見えます。本当はこちらがマナーを守ればとてもフレンドリーなのですが、それがわかるレベルに至るまでにお互いかなりの忍耐と努力を必要とします。
日本にイギリスの友人が滞在していた際、歩いていると明らさまに店員さんなどが「英語で話しかけないで!」とばかりに奥へ引っ込んでしまう、声をかけても手を降って逃げていってしまう、といったことが多々あったそうです。
しかし、それでも失礼だと感じたことはなかったと言います。彼女自身もイギリスにいる今、悪気はないけど「わからない言葉で話しかけられたらどうしよう」と恥ずかしく思うあまり、外国人の方々を避けることがあるからだと話します。
恥をかくことが嫌だ、この点も似ているのかしらと彼女は言います。筆者も昔日本にいた際は怪しい英語を話すのが嫌で、道を聞かれそうになったらわざと早足で駆け抜けていましたから、決して冷たくしたいわけではないけれど恥ずかしい。というのはなんとなくわかる気がします。
ちなみにイギリス人に道を聞くと「わからない」というのが苦手なのか、全く見当違いな道案内をされたりすることが昔はよくありました。
筆者よりずっと長くイギリスにいる日本人の先輩には「イギリスで道に迷ったら3人くらいに確認しなきゃだめ、1人だとわからないって恥ずかしくて言いたくないから適当な道案内する場合もある!」と渡英当初にいわれ、実際にそれが身にしみた体験も多くありました。
これは日本でしたら素直に「わからないです、ごめんなさい」といいますから、イギリスの人は恥をかきたくないと言うよりプライドが高いことも多いのかもしれません。
「外国人に対してシャイ」もしくは「外国人に対して距離をおく人が多い」この点は大変共通してると感じるとのこと。今の日本の方にはどう感じられるのでしょうか。
3.ストレートに意見を言うより、遠回しな表現を好む。
イギリスでは「それ、好きじゃない!」とはっきり言う表現より、「あまり私の好みじゃないなあ。」などと、特にネガティブなことを相手に伝えるときには、割りと遠回しな表現を好むように思います。
友人が日本にいた際にも、日本の方々が相手に嫌な思いをさせないように、直接的な表現を避けるのがとても印象的だったと言います。例えば、「いいえ」と言う代わりに「それは、ちょっと。」などと、やんわりと遠回しに話を運ぶのがイギリスの話し方ととても似ていると感じたそうです。
イギリスでも「Would you mind?(していただけますか?)」という言葉がよく使われますが、「迷惑だったら結構です、気にしないでください」というニュアンスが含まれています。物事をぶしつけにはっきり言わない場合もたくさん見られます。
ストレートに意見を言うというイメージのあるイギリス人ですが、英語の使い方、伝統から見てもわかるように、彼らはあまり感情的に話しをすることを好みません。その場の雰囲気を壊さないように、自己主張より周りに同調する、もしくは受け流す人が多いのも日本人がイギリス人と似てると彼女が感じたことのひとつだそうでした。
確かに某ヨーロッパからイギリスに移り住み20年の別の友人は、「イギリスの人は本当にマイルドで大人しいわ。私の国みたいに自己主張激しくないから住みやすいわよ。」と、ホームシックで落ち込む筆者にそうイギリスの良さを説いてくれたこともありました。
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まとめ
「イギリス人」「日本人」と、簡単にばっさりひとまとめにしてしまうにはもちろん乱暴すぎて、個人それぞれの違いがあって当然だと筆者は思いますが、今回はイギリスの一個人がみた「イギリスと日本、ここが似てるかも」をお伝えしてみました。
いかがでしたか?お楽しみいただけましたでしょうか。
皆様の留学生活を心より応援しています!
Have a lovely day!
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この記事を書いた人
イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。