イギリスで病気になったら?イギリスの医療制度と緊急時の対処まとめ
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留学生の皆様は海外生活の中で体調を崩したり怪我をしてしまうこともあるでしょう。そんなときに知っておきたい海外の医療制度。今回はイギリスの医療制度についての紹介と、緊急時の対処法についてお伝えします。
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イギリスの医療制度について
イギリスには国が運営するナショナルヘルスサービス(NHS)があります。NHSに加入することで、地域の「General Practitioner(通称GP。家庭医、街医者を意味する)」に登録でき、無料の診療を受けることができます。
「合法的に英国に滞在し、英国に生活拠点がある人々」に対し、以前は無料でサービスを提供していたNHSですが、2015年4月から日本の皆さんにも関わりがある変更が政府より発表されました。
NHSの変更点
非ヨーロッパ国籍者で就学、家族への合流、労働などでイギリスを訪れる6ヶ月以上滞在する一時的滞在者(non-EEA migrants)は、イギリスのナショナルヘルスサービスを受ける対象となるため、年間200ポンド(学生は年間150ポンド)の健康保険料の納付が義務づけられることになりました。(延長6ヶ月後度に75ポンドの追加保険料)
地域のGPに登録
自宅近くのGP診療所に行き、GPに登録したい旨を伝えます。その後、申請用紙に記入をおこない、簡単な看護士からの問診、場合によっては血液検査など(病院により異なる場合があります)で登録手続きは完了です。
後はNHSナンバーが発行され、登録が完了するまで早くて1週間から数週間ほど待ちます。病院により異なりますが、私の場合、最初の病院からは手紙が届きましたが、変更後の病院からは来なかったために電話で聞きました。
今ではめったにないと思いますが、以前は人気の病院は満員で登録ができなかったり、外国人を受け入れないこともありました。
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実際に診療を受ける場合
基本的には登録済みのGPに電話で予約をします。地域やGPにより異なるようですが、まず当日の予約は無理かと思います。(病院によっては開院時間から受付を順番にしてくれる場合もあるようです。)
今は大分改善され、1〜3日以内に空きがあれば予約を入れてもらえる場合もありますが、以前は1週間待ちなどざらでした。
また、GPへ行っても8分から10分しか診療をしてくれないこともあります。風邪ぐらいでイギリス人がGPに行かないのは、予約を取る手間、中々繋がらない電話にイライラし、行ったところで「薬局で薬を買って、安静にしていなさい。」と言われるからです。
最近はオンラインでの予約システムもできましたが、電話に比べると更に待たされ、わりと融通が利く大きな病院でも3週間先の予約しかできなかったこともありました。
電話予約も「ただいま大変混み合っていて、あなたが繋がるまで12人が先に待っています。」といったように、繋がるまでに時間がかかる場合もあり、こちらも忍耐が必要です。
処方があった場合はNHSに登録されている薬局、例えばイギリス大手薬局チェーンのBootsなどに行き、医薬品一種類の処方につき8.20ポンドを支払い薬を受け取ります。(2015年4月に改正。大体毎年値上がりします。)また、病院に薬局が併設されている場合もあります。
専門医に直接かかれない
日本だと自由に耳鼻科、眼医者、皮膚科など、それぞれの専門医にかかかれますが、イギリスでは、まず何でもGPに診てもらい、彼らが専門医にかかる必要があると判断した場合のみ紹介状がもらえます。しかし、NHSの予算や人手が不足しているため、滅多なことでは紹介状はもらえません。
尿、血液検査などはGPが判断すればその病院内でしてもらえる場合もありますが、その他の検査は運よく紹介してもらえても以前は数ヶ月から半年待ちなどがざらでした。
私もカウンセリングをGPから紹介してもらいましたが、実際のセッションが始まるまで6ヶ月かかり、いよいよカウンセリングの順番が来たときには自分の都合があわず、行くことができませんでした。
ひどい中耳炎になったとき、何度も頼みましたが専門医に紹介してもらえず結局は日本で治しました。今のGPに変えてから9年間で1度だけ、眼科に回してもらえました。また、手術、入院をベッドが足りないからという理由で何ヶ月も待っている人々もいるようです。
ちなみに、プライベートの健康保険もありますが、混乱するのはプライベートの専門医の診療を受けるにも、まずはGPから紹介状をもらわなければいけないことです。直接飛び込むことはできないのです。
緊急時の対処(イングランドの場合)
自分で応急処置を検索するサービス
まずNHSが勧めるのは自分で応急処置を検索すると言うことです。NHSのさまざまな応急処置を紹介したウェブサイト「NHS Choices - Your health, your choices」があります。
24時間無料の電話サービス「NHS111」
または、イングランドの場合、NHS111という24時間無料の電話サービスを利用できます。ここでは応急処置の方法を聞いたり、近くの薬局で指示を仰ぐように薦められています。
アポイントなしで行ける施設「walk in centre」
それではダメな場合、「walk in centre」というアポイントなしで行ける施設がありますが、医者ではなく治療資格のある看護士が診断します。ただし、walk in centreも至るところにあるわけではなく、私が火傷をしたときには電車で20分かかるところまで行きました。また、待ち時間も場合によっては待たなくてはならないこともあります。特に週末は空いていない場合も多いようです。(施設により異なります。)
軽外傷診療所の「Minor injury unit」
また、「Minor injury unit(軽外傷診療所)」というのもあります。こちらは骨折、怪我など外傷の治療を看護士がしてくれます。walk in centreかMinor injury unitのどちらに行くべきか判断がつかない場合、先程のNHS電話サービスで確認できます。
重症で緊急の治療が必要な場合
最後に、それより重症で緊急の治療が必要な場合は「病院救急科(Accident & Emergency、通称A&E)」、救急車(Ambulance)を利用することになります。直接病院のA&Eに飛び込むか、番号999に電話し、「Ambulance, please.(救急車をお願いします。)」と伝えてください。
まとめ
今回は全ての項目でイングランドでの窓口をご紹介しました。ウェールズなどでも流れは大体同じですが、しかし窓口が違いますからお気をつけください。
私はイギリスに定住しているために入れませんが学生保険や、駐在保険などに入っていれば大変清潔で言葉の心配をすることがない日系の病院に行ける上に、その他のプライベートの病行にも保険会社のリストにあればいけます。ちなみに保険に加入せず自己負担となると、大変高額でとても払えたものではありません。
海外生活は緊張、不安、不慣れ、生活の違いから体調も崩しがちの上に何があるか分かりません。病気や怪我の場合になれない言葉で不便なサービスを使うのはとてもお辛いものです、どうぞ保険に日本で加入されることを強くお勧めいたします。
最後に、在英日本大使館のウェブサイトで日系の病院や医師が紹介されていますので、ご参考になさってください。
今回も皆様のお役に立てたのでしたら嬉しく思います。留学生活を心から応援しています!
Have a lovely day!!
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この記事を書いた人
イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。