億万長者が生まれる英国発祥のスポーツ「SNOOKER」とは?

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Ben Sutherland

Snooker(スヌーカー)というスポーツをご存知ですか?日本人でご存知の方は、あまりいないかもしれません。しかし、英国では誰もが知っているスポーツです。英国発祥ですが、中国でも人気があります。かなり競技人口が増加しているスヌーカー。その人気は世界中に広まりつつあります。そんな日本では、まったく馴染みがないスヌーカーについてご紹介します。

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英国で夢中になったスヌーカー

もう30年ほど昔の話なのです。フランスで数年間仕事をした後に、私は仕事場の拠点を英国に移して滞在していました。そこで出会ったのがスヌーカーです。当時はなんとスポーツ選手の長者番付の1位はスヌーカー選手でした。

英国においては年配の方で、スヌーカー選手のスティーブ・デイビスを知らない人などいません。今の時代であれば、同じスヌーカー選手であるロニー・オサリバンを知らない英国人もいないと思います。

Snooker(スヌーカー)とは

ビリヤードを想像していただくのが一番、手っ取り早いかと思います。キューという棒で玉を突いてポケット(穴)に玉を入れるゲームです。ただし、台の大きさが圧倒的に違います。スヌーカーの台は、ビリヤード台の約2倍の大きさです。

スヌーカー
Ben Sutherland

さらに、ポケット(穴)がビリヤードと比較して、狭く極めて入りにくい構造になってます。はっきり申しまして、ビリヤードよりもかなり難しいです。しかし、観客として見ているだけでも、非常に面白いスポーツなのです。

スヌーカーの基本ルール

赤いボール15個とイエロー、グリーン、ブラウン、ブルー、ピンク、ブラックの21個のボールを使用します。

最初は赤ボール、次に赤以外のボールを交互に入れていきます。赤ボールは戻しません。赤ボールが全部なくなると、イエロー ⇒ グリーン ⇒ ブラウン ⇒ ブルー ⇒ ピンク ⇒ ブラックという順番で入れていきます。

ポイント加算方式で、下記の通りボールによって獲得ポイントが異なります。ゲットしたポイントが高い選手が勝ちです。

  • 赤:1点
  • イエロー:2点
  • グリーン:3点
  • ブラウン:4点
  • ブルー:5点
  • ピンク:6点
  • ブラック:7点

ビリヤードと違って面白いのは、ポイント的にもう勝ちが決まっている場合、選手はショーアップした入れ方を披露する点です。

世界に広がるスヌーカー競技人口

2015年6月15日から1週間かけて中国でスヌーカーのワールドカップが開催されました。1ヶ国に二人の代表選手が出場。参加チームは27チームでした。本家の英国のみならず、参加国は中国、カナダ、オーストラリア、ベルギー、インド、イラン、ブラジル、カタール、パキスタン、ポーランド、UAEなどさまざまです。

特に、中国の勢いがすごいです。一流のスヌーカー選手を育てるために子供の頃からスヌーカーの英才教育を熱心に始める家庭もあります。中国では稼げる個人スポーツという認識があるのです。

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高額賞金とワールドツアー

スヌーカーは本家の英国での試合のみならず、世界中でワールドツアーも行われています。ベルギー、中国、オーストラリア、カナダなどで試合が行われるのです。カーレースのF1に近い世界です。

優勝賞金も他のスポーツの大会に引けをとらないほど高額です。ワールドチャンピオンシップともなれば、優勝賞金は30万ポンド(約5,500万円、2015年)です。ベスト32に入賞しただけでも200万円以上の賞金が出ます。

ワールドツアーで常に上位入賞している選手は、スポンサー契約料などを含めると年間で数億円稼いでいます。TV出演料やTVコマーシャル料等も含めれば、莫大な稼ぎです。

日本で1億円プレイヤーといえば、野球やサッカー、ゴルフ選手などが浮かびますが、実はスヌーカー選手の中にも億万長者プレイヤーがゴロゴロいるのです。

スヌーカーのスター選手

ではスヌーカーのスター選手をご紹介します。

Steve Davis(スティーブ・デイビス)

スティーブ・デイビス
Joni-Pekka Luomala

スヌーカー界の伝説の男です。過去に6度も世界チャンピオンに輝いてます。58歳の今でも現役でプレイしています。チェスの名手としても有名で、一時英国チェス連盟の会長を務めていたこともあります。

1985年のデニス・テイラーとの試合は今でも語り継がれている名勝負。その試合は深夜(0時20分)にまで及びました。デニス選手が優勝した瞬間のBBCテレビ中継の視聴者数は1850万人に及び、イギリスにおける深夜放送視聴者数の記録となってます。

また、スティーブは1988年には、BBCスポーツ・パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー賞に輝いており、驚くべきことに大英帝国勲章を2度(MBE、OBE)も受章しています。

Ronnie O'sullivan(ロニー・オサリバン)

今、圧倒的に人気があるのはRonnie O'sullivan(ロニー・オサリバン)選手です。誰もが認める天才です。茶目っ気もあり、遊んでプレイしている時は、右手でも左手でも器用に打っちゃいます。

このロニー・オサリバン選手は最短時間(5分20秒)で147(ワンフォーセブン)達成の記録を持っています。赤いボール(1点)と黒玉(7点)を交互に入れた後、すべての玉を一人で入れきって最高得点(147点)のパーフェクトゲームが達成となります。

赤ボールが全てなくなるまでは、黒ボールは定位置に戻すので5分20秒間の間に36個のボールをポケット(穴)に落とした計算になります。すべてのボールを落としきった瞬間にロニーは特別ボーナス(約2,000万円)をゲットしてます。

この147をロニーは公式試合中に10回以上成し遂げでおり、その総額だけでも1億円を超えています。今では147達成者が増えてきたために、50万円ほどのボーナスに減給されました。

147達成には、固まって配置されていた赤ボールを上手く壊しながら、ゲームを進めていく高度な技術が要求されます。147達成の瞬間が近づくと、他の選手は慎重になるのですが、彼の場合はそんな素振りもありません。

一見、ロニーは簡単そうに玉をポケット(穴)に入れてますが、初心者だと玉一個を入れるだけでも大変なんです。その天才的な恐るべきスピードで、世界記録を成し遂げたシーンがこれです。

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(5分20秒で、すべてのボールをポケット・イン!)

Judd Trump(ジャッド・トランプ)

若い女性に人気があるのが、Judd Trump(ジャッド・トランプ)選手。初期の彼のプロフィールは「インターナショナル・プレイボーイ」。そんな職業があるの?という感じですが、世界中にファンがいます。中国にも彼の追っかけがいるぐらいです。

彼の人気はルックスのみならず、プレイスタイルもかっこいいのです。かなり思い切ったプレイもします。見せるプレイが多いのも人気がある要因です。

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今は亡きAlex Higgins(アレックス・ヒギンズ)

私が大好きだった、今は故人のAlex Higgins(アレックス・ヒギンズ)という選手。もうハチャメチャな選手でした。試合中では黒ビールを飲みながらプレイします。試合中に煙草もスパスパです(今は禁煙です)。試合会場に入ったら、すぐにネクタイをはずします。

常に攻めの攻撃的なスタイルで、あだ名は「ハリケーン」でした。アイルランドでは英雄的な選手です。下の動画は最後に世界チャンピオン(1982年)になった際のシーンで締めくくられています。いつも優勝シーンは感動です。こんな選手は2度と現れないと思います。

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スヌーカー会場の雰囲気がいい

スター選手達は絶えずテレビ出演しているため、かなりテレビ慣れしています。会場には日本人が野球を観に行くような感覚で、観客が集まります。選手のファンであったり、若い人から高齢の方までさまざまです。

観客はスヌーカーを実際にやっている方ばかりではないのです。ただ観戦することが好きな人も大勢います。下の動画は、会場がどんな雰囲気なのかが伝わってくる動画です。登場するのは現在(2015年9月時)、世界ランキング1位のマーク・セルビー選手です。

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スヌーカーの世界ランキング3位は中国人

日本では全く認知度がないスヌーカー。さぞや英国人がメインのスポーツかと思いきや、世界ランキングのトップ10には中国人(Ding Junhui)もいます。2014年までは長い間、オーストラリア人のNail Robertson選手が1位をキープしていました。

最後に

渡英された際は、ぜひスヌーカーにチャレンジされてください。多くのパブにスヌーカー台が設置されています。私としては、ここセブ島ではスヌーカーが普及していないのが唯一、残念な点です。

実はスヌーカーのブログを書き続けている日本人がいます。それは私です。ぜひ、この英国のスポーツの魅力を知っていただきたい思いで、この記事を書いてみました。

この記事を通して、少しでもスヌーカーの面白さを、お伝えできたのであれば幸いです。

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この記事を書いた人

ケン
ケン

日本の大学を卒業後に、フランス、イギリス、アメリカを渡り歩き、気がつけばセブで生活をしている50代半ばのオッサンです。酒とビリヤードを愛する男。セブでは、日本人よりフィリピン人のほうが友達は多いです。ちょい悪オヤジになりきれない、か弱いオヤジ。今までの経験を通して、私らしい情報発信ができれば幸いです。

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