全米で猛威を振るう「Bed Bug(南京虫)」の被害に遭ったときの対処法とは?
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「Bed Bug」と呼ばれる南京虫(トコジラミ)が、アメリカ全土で猛威を振るっており、とあるニューヨークの商店では大発生をしたために商店を閉じたケースもあるとか。そんなBed Bugの被害に遭ってしまった筆者の体験談をお伝えします。
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突如現れた謎の発疹の正体とは?
数週間前、私は原因不明の発疹に悩まされておりました。毎朝起きると、腕に大量の発疹があり、ちょっとかゆいぐらいで、痛みなどはないのですが、非常に見てくれが悪く、会社の同僚からも指摘されました。
皮膚科に電話をしてみると、一番最初の面会で三週間後とのこと。アメリカではよくあることなのですが、医者に予約をとってもすぐには会ってくれないのです。
そこで、私の掛かり付けの内科医に電話をしてみると、その日の午後に会ってくれるとのこと。皮膚科の面会をキャンセルし、内科医に私の腕を見せました。
しかし、医師も首を傾げており、よく原因が分からないのとのこと。腕だけというのもアレルギー症状にしては珍しいらしく、私が何か新しい石鹸やシャンプーを使い始めたのか尋ねてきました。
考えてみると、私は最近、ワイルドでセクシーな男を演出すべく、男性用のボディーソープに切り替えており、それが原因かもしなかったので、医者にお礼を言い、早速そのボディソープとシャンプーを捨て、今まで使っていたブランドに戻しました。
で、翌日。またもや発疹。今度は足にも広がっており、より酷くなっているのは一目瞭然です。食べ物に何か反応しているのではないかとも考えたのですが、最近の食べ物には化学薬品などが使われている可能性が否定できず、どの食べ物に反応しているのか確定しにくのが現実です。
不安を感じながら、日々を過ごしておりました。
胸元でうごめく謎の虫の正体
発疹ができてから数日後の夜中3時。私は尿意をもよおし、目を覚ましました。寝ぼけ眼でベットから抜け出し、トイレに入ると、胸元に一匹の蜘蛛らしき虫が引っ付いているのに気づきました。反射的に手ではたくと、地面に落下していきましたが、どうも蜘蛛とは違う生物のようです。蜘蛛より足が短く、蜘蛛より足が多い…。
頭のなかに閃くものがあり、布団をめくってみると、いるわ、いるわ、5〜6匹の生物がうごめいておりました。ひとつひとつ、ティッシュでつまみ殺してみると、ティッシュが血で染まります。
早速インターネットで正体を調べてみると、俗に言う南京虫(トコジラミ)。英語では「Bed Bug」と呼ばれる、カメムシ類の生物であることが分かりました。相手の特徴を挙げてみると、以下の通りでした。
- カメムシ類。吸血性
- 夜行性。夜中の2時から3時に動き始める
- 病原菌を運ぶことは確認されていないが、刺されると発疹を生じ、非常に痒い
- 最近では殺虫剤の使用過多により「Super Bed Bug」と呼ばれる薬が効かないタイプが現れている
ということで、非常に難敵です。ただし熱には弱いそうで、私は布団を抱えると、すぐに乾燥機にいれ、熱でいぶり殺すことにしました。乾燥機が回っている間、ベットを調べてみると、ベットの下のマットレスの中に生息している様子です。なにはともあれ、その日の晩は居間のソファーで眠り、朝を迎えました。
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アパートとの交渉・対策
翌朝、早速アパートの管理人に連絡をすると、相手は悲鳴をあげます。無理もありません。アメリカではBed Bugは猛威を奮っており、ニューヨークでは大発生をしたために商店を閉じたケースもあるといいます。
相手に害虫駆除業者に来てもらうことを依頼すると、費用は自己負担になるといいます。自己負担でもしょうがないので、リクエストをするも、困ったことに業者は一週間後でないと来ないということです。
それでは、この一週間、私はどのように過ごしたらいいのでしょうか。
会社から退社しまっすぐに家に帰ると、対策を始めました。相手は生半可な殺虫剤の効かない相手である可能性が大です。また卵には薬が効きませんが、熱には弱く、さらなるBed Bugの発生を食い止めるべく、私はスチームアイロンを手にしました。以下、対策です。
- マットレスを廃棄
- スチームアイロンでベットルームの絨毯の上からスチームを噴射
- すべての洋服を洗濯、乾燥機に掛け、その後、ジッパーのついたゴミ用ビニール袋に入れ、隔離
と、書くと簡単ですが、やってみるとこれが大仕事で、特に洗濯が大変でした。
なぜ洗濯をしないといけないのかというと、Bed Bugが洋服についている可能性もあるためで、害虫駆除業者から送られてきた指南書には、できる限り洋服を高温のお湯で洗濯し、乾燥機にかけることを推奨しております。
私は普段、乾燥機で服を乾燥させないのですが、背に腹は変えられません。私の服は皆、一回り小さくなってしまいましたが、乾燥機に掛けてしまいました。
また、特に悲惨だったのは、マットレスを外した後のベットフレームです。Bed Bugは吸血性ゆえ、血の混じった糞をするのですが、それがベットフレームに脱皮後の抜け殻と一緒に落ちており、かなりグロかったです。
そこには二匹の幼虫もおり、一般家庭用のスプレーではなかなか死ななかったのですが、アイロンのスチームには瞬時に死んだことでも、私は自分の戦法に自信を持ちました。
適切な対応が功を奏す
いざ害虫駆除業者が来てみると「Bed Bugが見当たらない」といいます。彼はすべての家具をひっくり返し、足元を確認、またクローゼットの中もすべて見て回ったのですが、Bed Bugがいる気配がないそうです。
私が自分の取った対処策を話すと、家庭でできる中ではそれが一番ベストだと評価してくれました。結局、彼は念のために業者用の殺虫剤を散布し、一週間後に確認のために再度来ることを約束して帰っていきました。
その後、害虫駆除業者が来てから、すでに5日間ほど経ちますが、もうBed Bugには噛まれなくなりました。どうも私の対処が早かったことと、適切だったことが功を奏したのかもしれません。
侵入経路を考えてみたのですが、全くもって不明です。アメリカのホテルではBed Bugが発生しているところもあるらしいので、何かの拍子に持ち帰ったのかもしれません。
今回、マットレスと廃棄したことにより再度購入しなければならず、かなりの出費でしたが、仕方ありません。
まとめ
The Ryugakuの読者の方でも北米に在住される方は多いかと思います。Bed Bug対策用のマットレスカバーなども売られておりますし、いちど大量発生すると根絶は難しいようです。
他人事と思わず、Bed Bugに関する知識を心に留めておかれても損はないでしょう。
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この記事を書いた人
初めまして!日本の大学を卒業した後、米国の大学院に留学し漂流し続けること10数年。今年で米国生活16年目になります。お笑い好きの40男が加齢臭を漂わしながら、ミシガン州デトロイト近郊から海外生活と留学の知恵や経験をお届けします。