海外留学で日本人と一緒にいることは悪いこと?留学先で日本人と過ごして得た貴重な体験談
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筆者はこれまで10校ほど語学学校に通った経験がありますが、毎回、現地で日本人留学生と交流することを徹底的に避けておりました。それは、日本人同士でいることが語学学習の妨げになってしまうと考えていたからです。しかし、たった1度、フランスの語学学校に通っている1学期間だけ、とある事情から、日本人同士でずっと一緒にいる経験をし、その後の人生に良い影響を与えることになりました。ここでは、留学先にて、日本人同士で固まっていることが決して悪いことではない、という経験談をお伝えします。
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語学学校の日本人仲間で芝居をすることに
ことの発端はとても奇抜なものでした。語学学校に通っていると比較的時間にも余裕があります。日本の大学と違ってアルバイトをしたり、部活があるわけでもなく、学校に通う以外、他にすることが少ないので、何か面白いことがしたいと思っていました。
通っていた語学学校ではオプションの授業で芝居の授業を選択していたのですが、そこで一緒だったもう1人の日本人留学生とお茶をしながら「何かしたいよね」という話になり、せっかく芝居のクラスも取っていることもあって、お芝居でもしてみようか、ということになりました。
とは言え、語学学校に通う私たちのフランス語のレベルでは、まだまだ芝居を完璧にできるレベルではなかったので、ここは日本語で芝居をして、フランス人にも楽しんでもらうというコンセプトの元に、フランス人にも日本人にもよく知られているフランス文学である「星の王子様」の芝居をすることにしました。ストーリーを知っているものなら、きっと言葉が分からなくても理解してもらえるのではないかと思ったのです。
集まった8人の仲間と過ごした日々
芝居をすることを決めた私たちは、まず周りの日本人留学生に声をかけ始めました。そして、1人〜2人と増えていき、最終的に男性3人、女性5人、計8人の日本人留学生が集まりました。
全員、出身もバラバラで東京、大阪、名古屋、九州と、各地から来ていました。芝居経験が多少あったのは私ともう1人だけで、残りの全員は芝居もしたことがありませんでした。
それでも、全員が自分のキャラクターに合った役がうまく決まり、稽古が始まりました。
芝居の素人集団だった私たちは1ヶ月間、毎日稽古を続けました。他にお手伝いしてくれる人もいなかったので、稽古だけでなく、小道具、大道具、衣装、広報など、すべて自分たちで担当した小劇団のような集まりでした。
こんなにずっと日本人同士でいることや、そういう環境を作ってしまったことなど、色々な葛藤があったものの、段々と全員が仲良くなり、稽古の後には誰かの家でご飯を食べたり、週末には雑務作業(小道具作りや衣装合わせなど)をしながら、皆で飲み会をしていました。
ちなみに、元々この8人の中には1組のカップルがいました。こちらのカップルは女の子がイギリスに旅行したとき、たまたまイギリスに留学中だった高校の同級生とばったり遭遇し、そのまま付き合い始め、彼氏もフランスまでやって来てしまった、というびっくりする出会いでした。
そして、またしばらくしてから、仲間内でもう一組カップルができました。
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言葉を超えて伝わるものがある
1ヶ月の準備を経て、いよいよ迎えた本番。芝居は大学の大ホールを借りて2日間の公演を行いました。十分な告知ができなかったものの、2日間で約100人ほどの来場者が集まり、大好評に終わりました。
言葉が分からなくても伝えられるものがあり、フランス人の学生や、フランス語を勉強している外国人留学生など、さまざまな人たちが観に来てくれて、芝居を楽しんでもらえました。
公演を終えた私たちですが、集まった8人のうち、半分が大学の前期から来た学生で、半分が後期から来た学生だったため、8人が一緒にいられたのはこの1学期間だけでした。その後、4人は日本に帰国し、後の4人はもう1学期フランスに残りました。
ですが、その後も何かあると皆で日本で再会したりしています。全員が会えることは中々ないのですが、その中の数人は何かの折で会っていました。
カップルのその後
2組のカップルはその後、大学卒業後に結婚しました。そして、その2組ともフランスに関連した仕事をしています。
最初の1組目の彼は京都でお茶の道具関連の仕事をしていますが、昨年パリで展示会を開催しました。彼女の方は最初ワインの輸入関連の仕事、その後はフランスのサイトの翻訳などをしています。
もう一組の彼は商社に入り2度ほどフランス転勤になり、現在もパリに住んでいます。彼女の方はフランスの子供服の輸入関係の仕事をしています。
3人目の男性も結婚し、新婚旅行で留学先だったストラスブールに来て、そこで再会することができました。
まとめ
海外の知らない土地で何かしようというバイタリテイーは、その後の仕事や人生にも繋がっていくものだと思える出来事でした。また、目標に向かって何かを一緒にするということは、本当にいい関係を築いてくれるものだと思います。
一緒に海外で経験した時間は貴重なもので、2組のカップルが結婚しました。それを見て、芝居のプロジェクトは決して無駄なことではなかったと思っていますし、何か目的があって、海外で日本人同士がつるんでいても、そこに何か大事な絆ができるのかもしれません。
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この記事を書いた人
12歳からフランス、イギリス、イタリアに留学し、語学留学、大学留学、大学院留学、と様々な留学を経験。ロンドンの語学学校に務めた後、現在はフランスの大学院で語学学習についての博士論文を書いています。
http://ameblo.jp/vindalsace/