3日間シャワーなしのクリスマス。山頂トレーラーハウスでのホームステイ体験記

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私は米国での大学院在籍中に二回、クリスマス休暇を利用してホームステイを体験しています。おっさんになってしまった今、どの家に行っても歓迎してもらえませんが、当時は若き留学生ということもあり、ホームステイプログラムに応募することに躊躇はありませんでした。当時のことを思い出してみたいと思います。

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私は夏セメスターも授業を履修していたため、セメスターの間も休暇も授業の予習をしておりました。ただし11月を迎えクリスマスが近くなってきますと、アメリカは急速に休暇ムードになってきます。

クリスマス期間のホームステイプログラム

当時の日本までの旅費は千ドル程度。現在の二千ドルよりはるかに安いですが、当時の私にとっては大金。クリスマス休暇をどうしたものか思案していると、International Student Office(留学生事務所)でホームステイプログラムのしおりを見つけました。

二週間の滞在でたった55ドル。日本に帰るより遥かに安くクリスマスを楽しめそうです。卒業するまで日本に帰るつもりはなかった私は、早速プログラムに申し込みました。

このプログラムはキリスト教関連の団体が支援するもので、教会に通う一般のアメリカ人たちが留学生を二週間だけ受け入れるようです。締め切り間近に申し込んだ私は第一希望の場所が取れず、結局、ケンタッキー州はLouisvilleに滞在することになりました。

ネイティブのタイプミス?

ほどなく団体から連絡があり、私を受け入れてくれるホストマザーからもメールが届きました。私は車で行くことを告げ、待ち合わせ場所、日付時刻を決めたのですが、気になったのは相手の英語表現です。

I am going to fix dinner…

とあり、この「fix」という動詞が気になりました。
Dinnerに対応する動詞は通常「make」でして、fixは「修理する」という意味のはず。おそらくホストマザーはタイプミスでもしたのでしょう。あまり深く考えずに、当日朝早くから車を飛ばしました。

山頂にあるトレーラーハウス

私の住んでいたKalamazoo, Michiganから車を飛ばすこと6時間あまり。アメリカの土地の広大さに慄きながら、なんとか待ち合わせ時間に間に合いホストマザーに会うと、彼女の家はLouisvilleから離れた郊外の山のてっぺんにあるということです。

着いて驚いたのですが、本当に山の頂上にあり、家はトレーラーハウス。正確には「Mobile Home」というのですが、アメリカでは失礼ながら低所得者層の住む家と相場が決まっています。
そこで彼女はまた「Fix」という動詞で夕食のことを述べ、工場に勤める彼女のご主人と会い周囲の英語表現が気になり始めました。

トレーラーハウス
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(トレーラーハウスのイメージ)

翌日、他の家に点在する留学生との顔合わせのため、車を1時間飛ばし教会に挨拶に行きました。この教会はバプティストの一派でして、非常に信仰が深そうです。
またプログラム中、各ホストファミリーの家でのパーティー、Louisvilleでの観光などが計画されており、二週間の間、退屈しなそうなことに安堵しました。

教会に参加しているホストファミリーにも色々な職業の方がおり、その人達と話すだけでも楽しく、プログラムに参加した意義を感じました。

「Fix」の真相

しかし気になるのが英語表現です。会話中も「Fix」という動詞を頻繁に聞くので、ついに周りの人たちにその理由を尋ねてみました。

答えは、南部の「方言」。南部ではFixという動詞を頻繁に使い、英語の話し方もミシガン州の人たちよりもっとスロー。私は当初、私が外国人なので皆ゆっくり話してくれていると思っていたのですが、南部のアメリカ人は一般的にゆっくり話すもののようなのです。

私がホストマザーからのメールに「fix dinner」という言葉があり、彼女が英語を間違えていると思っていたと話すと皆、爆笑しておりました。

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シャワーが使えず体臭に困惑

ケンタッキー州はミシガン州と比べて教育に進んだ州ではないせいか、郊外には数多くのMobile Homeが見受けられました。
私は普段キャンパスの寮に住んでいたので、Mobile Homeで寝起きするのは初めてでした。困ったことは水が自由に使えないことです。

水道がないため飲水は近く(といっても車で30分)のお店で購入し、普段の洗濯などは雨水をタンクに貯めて使っておりました。

一度3日間ほど冬の凍結のためシャワーが浴びられなかった際は、自分の体臭に困惑しました。また、壁が薄いために保温がしっかりできない関係上、早朝、自分の吐息が白く見えたのも驚きです。

貴重な体験ができたホームステイ

二週間思いっきり楽しんで大学院に帰り、この話を周りの友人に話すと、アメリカ人の友人が、バプティストの人たちがアメリカ人の中で一般的にどう思われているのか、またMobile homeに住む白人が「White Trash」と呼ばれていることなどを教えてくれました。

このWhite Trashという言葉は教育の受けていない低所得の白人層に対する揶揄の言葉です。よって絶対に他人に使ってはいけない言葉ですが、私はアメリカ人の中でも、社会階層によって揶揄する表現があることを学んでいきました。

入念に準備した2度目のホームステイ

翌年、今度は入念に準備し、事前に周囲のアメリカ人の友人、大学教授にどの場所に滞在するべきか相談しました。候補に上がったのはオハイオ州。この州にはアーミッシュと呼ばれる、移民当時の生活スタイルを保持する人たちが住んでいます。

アーミッシュ
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(アーミッシュのイメージ)

アーミッシュのコミュニティーには住めませんが、訪ねることはできるので新しい体験になるでしょう。また都会の近くにも住んでみたかったので、イリノイ州のシカゴ。その他いくつかの候補地に応募すると、シカゴが当たりました。

シカゴといっても正確にはシカゴ近郊のOak Lawnという街です。今度は大都会シカゴの郊外ということもあり、ケンタッキーより都会的なクリスマスを楽しめました。
電車でダウンタウンに何度も足を運び、美術館、博物館、レストランでの食事を楽しみ、東京育ちの私にとっては大満足です。

また、宿泊先のホストファミリーも元消防士の旦那さんと製薬会社のセールスをやられているホストマザーで、水のふんだんに使えるお家だったことも大きな喜びでした。

アメリカ人の懐の深さ

驚いたのはアメリカ人の懐の深さです。二週間といえども他人の家庭に入っていけば、その家族の個人的な問題は垣間見えます。

子供が大学に進学する意志がない。軍隊に入る息子が心配だ。年老いた親の介護、etc…
他の家庭のプライベートのことなので、私は口を挟みませんが、等身大の自分を見せてくれるアメリカ人の姿勢に敬意の念を禁じえませんでした。

他のホストファミリーに滞在した他国の留学生からも、同様の印象をアメリカ人の家庭に受けたと聞きましたから、この感想は決して私だけのものではないでしょう。

来米した日本人はアメリカ人の家庭にモノが溢れ、物質的に豊かな生活をしていることに感嘆します。ただし、それは表面的なことであり、このホームステイでの体験は、実態は私達と同じように個人的な問題を抱えながら生活をしていることを知る緒を与えてくれました。

これから留学する人へ

私は大学院に2年ほどしかいなかったため、結局、ホームステイプログラムには二回しか応募できませんでした。休みの間、日本に帰るのもいいですが、ホームステイプログラムを見つけ参加するのは、卒業後考えてみるともっと有効な体験だったと思われることでしょう。

日本に一時帰国する理由が特にない場合、アメリカでのホームステイを体験されてみるのを私はお勧めします。大学内でみるアメリカとは、違う側面のアメリカを体験できるチャンスです。

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命かげろう
命かげろう

初めまして!日本の大学を卒業した後、米国の大学院に留学し漂流し続けること10数年。今年で米国生活16年目になります。お笑い好きの40男が加齢臭を漂わしながら、ミシガン州デトロイト近郊から海外生活と留学の知恵や経験をお届けします。