ポスドクの契約終了も?スペイン財政難に於ける教育機関への影響

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ユーロ圏でのスペインの財政赤字は今もなお続いている様子です。筆者が日本からスペインに来たのが2012年の9月でした。当時とにかくあちこちでデモを見かけて驚いたことをよく覚えています。スペイン北東のBorjaという町でキリストのフレスコ画が老婦人により修復され酷すぎると話題になった頃です。住宅ローンが払えなくなり、焼身自殺をする人のニュースがありました。25歳以下の失業率が60%に達したという記事がロイターに出たのが翌年2013年の1月です。そんな財政難の影響は教育の分野にも影響を及ぼしています。

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スペインではさまざまなデモが行われている

筆者が勤めていた職場がデモ行進をする目抜き通りに近かったため、帰宅途中頻繁に何かしらのデモに遭遇していました。銀行に対するデモや、カタルーニャ州の独立に対するデモなどさまざまでしたが、この記事のトップの写真は教育への政府の予算カットに反対するデモの様子で、時には小学校から大学まで交えた大きなデモもありました。

医学生も交えた理系学生のデモで先頭を切っていた友人がおり、一度乗っていたバスから見かけて降りて駆け寄ったこともありました。

予算カットによるポスドク研究員の契約終了も

当時、筆者が聞いただけでも政府の予算カットで何人もの人が大学を去りました。その多くはポスドク研究員でした。博士課程に進む直前に取り消され、成績を楯に談判してなんとか雇用継続された方もいましたが、他の研究所に行った人、全く違う分野への就職を決めた人、国外の大学(多くはスイスです)に行った人などさまざまです。

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マドリードの博士課程事情

スペインでは一般的に大学はどこか、ということよりも何を勉強しているか、もしくは家から近い大学に通うなど、日本のように個々の大学に対するこだわりはないように感じます。マドリードはスペインの首都のため、地方出身学生や外国人留学生も多いと思いますので、少しそう言った事情は異なるかと思います。

以前の記事「海外の理系大学院への進学を検討する際に知っておきたい奨学金制度」、でも紹介しましたが、現実に博士課程の学生の給料はどれくらいだと思いますか?日本のように博士課程の研究者が学費を納めて学位を得る、ということは一般的に考えられません。ヨーロッパ内でもスペインは特に金額が低いと思いますが、だいたい平均して手取り1100から1200ユーロくらいの給料のようです。

人によってはこの他に奨学金を申請したりもします。日本での感覚からすると給料が出る!ということに驚かれるかもしれませんが、実際にこなしている仕事内容を見ても安すぎるのでは、と思わざるをえません。

給料との関係ですが、マドリードの場合は収入に対して家賃が高いため親との同居以外の学生は友人と部屋をシェアしたり、カップルで住んだりします。これも格差の一端なのでしょうが、都市部に親と住んでいる、というのも安定した生活の証であると思いますし、親の持ち家があったから恋人と住んでいる、という知人もいました。

高度な学問を続けるのにも、世帯収入の影響が否めないということも、昨今の日本にもある傾向なのではないでしょうか。

最後に

最初のデモの話題に戻りますが、彼ら、彼女らがデモをするのは予算カットのこともさることながら、学費は無料とは言いながらも、諸手続きの費用が年々高騰していることにも強く反意を表しての抗議でした。年間のその費用は約450ユーロ。誰でも無償で学問を受けることができるという、最も重要な権利に反しているという学生の主張。日本人にはどのように感じられるのでしょうか。

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この記事を書いた人

sandaz
sandaz

科学や学問には一切無縁の私ですが、夫が再び研究の道に戻りこの地に至ります。私自身こんな世界もあるんだ!と感じている海外物理系アカデミアを超普通の人の視点からお伝えしたいと思います。

http://masjapones.com/