日本から14,000キロのガーナで男子高校生が大奮闘!--トビタテ!留学経験者インタビュー Vol.4

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受験勉強がないのが大学付属校の強み。と同時に、高3時に何をすれば良いか分からなくなってしまうのが付属校の弱みでもあります。そんな時トビタテ!留学JAPANに出会い、遠く離れた国ガーナで国際ボランティアとして活躍した男子高校生。日本との違いに困惑し苦労しながらも奮闘する中で大きな成長を遂げた男子高校生の留学生活の一部始終です。

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今回インタビューした留学経験者

真ん中が瀧川くん

瀧川丈太朗さん

早稲田大学高等学院(以下、学院)出身、早稲田大学政治経済学部国際政治学科1年瀧川丈太朗さん、写真の真ん中です。筆者の高校の後輩で、大学の後輩でもあります。当時高校生だった瀧川さんは、トビタテ※の高校生コースに応募し、トビタテ生としてガーナへ飛びました。

※トビタテ=トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム。官民協働の留学支援制度で、返済不要の奨学金が給付される。対象は大学生、大学院生だけではなく、高校生コースも存在する。

留学のきっかけは大学入学前の焦り

焦り

ーー まず、なんで学院在学中に留学しようと思ったの?

自分で言うのもなんですが、僕は学院で部活に打ち込んできました。ただ、部活の引退が見えてきたときに、受験が必要ない自分はこれから大学に入るまでダラダラして、バイトして遊んで過ごすのかなーと考えました。対して、中学時代の僕の同級生は今ごろ大学受験を必死に頑張っているんだと思うと、このままでは付属校に入った意味がないと思ったんです。

付属のメリットって大学受験がない代わりにその時間を有意義に使えることだと思うんですけど、それを生かさずに大学に入ってしまったらもったいないと思ったんです。これが、留学を考えたきっかけです。

同時に、勉強以外でも自分のアピールポイントがほしいなって思っていました。そんな中で高2の冬、たまたまホームルームでトビタテのチラシが配られたんです。かなりダメ元だったんですけど、応募してみたらなんと受かってしまって(笑)!

トビタテが迷っていた自分を後押ししてくれた

ーー 奨学金ってたくさん候補があると思うんだけど、どうしてトビタテを選んだの?

他のトビタテ生と比べると、僕の理由は少し違うと思うんですよね。というのも、正直トビタテじゃなくても良かったんです。当時の自分は留学すべきかどうか迷っていて、どんどんもやもやがたまっていて…。結果的にはトビタテが引き金を引いてくれた感じです。

高校の時、ホームルームでオーストラリアやアメリカといった国の留学のチラシはたくさん配られたんですけど、どこも正直お金が...。僕は3人兄弟なんですけど、私立の付属高校に入学した時点で親からは「学費以上のお金は払えないよ」と言われていたんです。中学の時から塾に行ったりしてお金も使っていたので...。

ーー それは僕も言われてたなぁ。

そうですよね。ただ、トビタテはお金を出してもらって留学に行けるということだったので、僕の背中を後押ししてくれました。

この先二度と行けないかもしれない国へ

ガーナ

ーー 何回も聞かれた質問かもしれないけど、どうしてガーナに?

個人的な考えなんですが、どうせお金を出していただけるなら国際ボランティアをやろうって思ったんです。国際ボランティアをやるって決めたとき僕の中ではアフリカか東南アジアの二択で、どうせならもう二度と行けないようなところに行こうと思ってまずはアフリカに決めました。

アフリカの中でもどうしてガーナを選んだかというと、アフリカの中には歴史的な観点からフランス語圏の国が結構多いんですよね。さすがにフランス語圏の国に行ってしまうとボランティアどころではないなと思ったので、アフリカの中でも英語圏の国にしました。また、僕は高校の卒業論文で教育について書いていて、教育ボランティアができる国で絞りました。

その結果、すべての条件を満たすのはガーナかケニアだったのですが、現地に住んでいる日本人が少ないガーナにしたんです。

ーー ちなみに日本からガーナってどれくらいかかる?

飛行機に乗っている時間だけで20時間はかかりました(笑)。

ーー ガーナのどこにボランティアに行ったの?

僕の1か月の留学のうち2週間はアクアぺムヒルズに、残りの2週間はケープコーストにいました。アクアぺムヒルズについては地図にも載ってないくらいド田舎という感じの場所なので、実は今でもどこに行っていたのか分からないです(笑)。

村の一角にある建物に2人1組で住んでいたのですが、その建物が日本の縄文時代の家みたいな感じで、すごいなと思いました。町の建物の多くは平屋で、2階以上ある建物はほとんどありませんでした。

ーー なるほど。どういうグループでいったの?

自分を含めて12人のグループでガーナに行きました。12人のうち、自分を含めて2人だけがアジア人で、他はみんなヨーロッパやアメリカからの留学生でした。正直、ヨーロッパやアメリカからの留学生が多くてびっくりしました。

ーー 具体的にはどのようなボランティアをしていたの?

粘土で作る

ボランティア先は現地の小学校でした。午前中は1~3年生の子供たちと一緒に英語の言葉遊びをしたりボールで遊んだりしましたね。現地の小学生の多くは特に塗り絵に興味を示していました。というのも、ほとんどの生徒は絵を描いたことがないので、お絵かきをしようといってもできないんです。その代わりに塗り絵形式にすることによって、生徒に興味を持ってもらえました。

午後は子供たちが帰ってしまうので、学校の修繕に力を入れていました。学校は粘土でできているので、壊れかけているところを新たな粘土で固めて、ペンキを塗るという作業を繰り返していました。

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ガーナ生活で一番の苦行「バケツシャワー」

バケツ

ーー ガーナ生活で慣れなかったことってある?

アクアペムヒルズの家にはシャワーがなかったんです。正直ガーナの留学生活の中でこれが一番辛かったですね。僕たちは「バケツシャワー」って呼んでいたんですが、これには2つのステップがあるんです。

まず、天井吹き抜けのシャワールーム的なところに入って、タンクにたまっている雨水や井戸水を大きなバケツで自分が使う分だけすくいます。そして、小さなバケツでさっきの大きなバケツにたまっている水をすくって、自分の体にかけたりして使います。

ーー なるほどね。

なぜこれが苦だったかというと、これには4つ理由があるんです。

一つに、ガーナの夜は意外に寒く、シャワールームは天井吹き抜けだったので、風がめっちゃ吹いて寒かったこと。

二つ目に、雨水や井戸水を貯めているので、虫や葉っぱなどが入っていてあまり衛生的ではなかったこと。

三つ目に、シャワールームが2つのみだったので12人で毎回順番の取り合いをしたこと。当然遅く入れば入るほど夜は更けこんでくるので、寒いです(笑)。

そして最後に、大きなバケツですくった分がなくなってしまうと、またタンクに取りに行かないといけないこと。それがものすごく寒いし、誰かが外にいる可能性もあるので水をちょびちょび使わないといけなかったんです。

バケツシャワーは本当に辛かったです。でも僕はこれを乗り越えることができたので、これからどんな辛いことがあっても乗り越えられるような気がします。

留学で思考の観点が大きく広がった

スティーブ

ーー 留学すると大変なことはあるけど、もちろん嬉しかったこともあると思うんだよね。教えてもらってもいい?

やっぱり、留学中に自分の英語力の低さでグループに迷惑をかけたことが多かったんです。だから、後半はグループのみんなにすごく申し訳ないと思いながらボランティアやっていました。

でも、1か月のボランティアを終え帰国する日、グループの1人の女の子が僕に手紙を書いてくれたんです。中には「丈太郎は英語に難があったにも関わらず、何事にも積極的で、現地の子供たちにも一番懐かれていたね。」って書かれていました。自分としては迷惑ばかりかけていたと思っていたのに、こうやって評価してくれたのがとても嬉しかったです。

正直、僕が逆の立場だったらこういう風に褒められないと思うんですよ。

ーー 逆の立場というと?

例えば、日本人のグループに1人だけ日本語が流暢じゃない人がいたら僕はうっとうしいって思ってしまうかもしれません。でも、そこが本当に多くの日本人のダメなところというか…。僕ももっと視野を広げて物事を考えないといけないなって思いました。

あと、つくづく感じたのは日本の教育水準の高さです。これは日本の文化も影響していると思うんですけど、日本って幼稚園や保育園で譲り合いとか助け合いについて学ぶじゃないですか。でも、ガーナの子供たちってそれを学んでいないから、色鉛筆を配ったとき毎回殴り合いの取り合いになるんです。

ーー こわいな(笑)。

その時、自分がいかに恵まれているかって気づきました。あと印象的だったのは、いつも基本奪われたり譲ったりする立場だった僕が、ある生徒から完成した塗り絵をもらったことです。その子はスティーブ君っていうんですが、とても心の優しい子で、みんなが取り合いしててもちゃんと待って、自分が言ったことも素直に聞いてくれる子でした。だからすごく仲良くなれたんです。塗り絵をもらったときは嬉しかったな~。

1か月の留学は大きな財産に

ーー 留学を終えてみて、ガーナ留学は瀧川くんにとってどんな経験になった?

最近の日本は高齢化社会で、人口はどんどん減っていて、暗いニュースばかりだと思うんです。しかしガーナはこれから伸びる国。そういう国の雰囲気を肌で感じられたのは素晴らしかったと思います。

また、何気ないきっかけで応募したトビタテですが、トビタテで留学したおかげで帰国してからたくさんの人にインタビューしてもらったり、大人数の前でプレゼンしたりする機会が多くあり、とても成長できたと思います。これからに活きるスキルを身に付けることができました!

編集部コメント

高校生の間に留学をする人は増えています。中でもアメリカやオーストラリアへの語学留学はとても人気です。もちろん、語学留学はいい経験になりますし、大きな財産になります。しかし、瀧川くんのように全く知らない異国に留学し、ボランティアをするのも選択肢の一つ。発展途上国に行き、日本とは全く違う文化の中で経験することはまた違った素晴らしい留学になると思います。

インタビュアー

Sai Takao/ 早稲田大学3年/ アブログインターン

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THE RYUGAKU [ザ・留学] 編集部です。留学コニュニティサイト『アブログ』も運営しています。

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