お金の種類から使い方まで!カナダ通貨ガイド

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valakirka

カナダで流通している通貨「ドル」と「セント」。わかっているようで、単位や使い方に慣れるまで少々時間がかかるのが海外の通貨。1日でも早くカナダのお金を使いこなせるようになってもらうため、カナダでの社会常識などを交えて通貨を紹介します。

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基礎知識:お金の種類

カナダの通貨単位は、「ドル(dollar))」と「セント(cent)」の2種類です。「ドル」を発音する時は、「ダラー」もしくは「ダラーズ(複数形)」と発音するように気をつけましょう。また、この「ドル」には俗称としての呼び方「バック(buck:複数形 bucks)」があります。この他にも、お金によって俗称が存在しますが、それは後に紹介することにします。

カナダの通貨は、紙幣と硬貨に分かれます。では、それぞれ写真を交えながら、どんな形、色、サイズをしているのか、見ていきましょう。

紙幣

紙幣
Sara Long

紙幣は英語で「ノート(note)」と言いますが、一般には日本語の「お札」に値する言い方である「ビル(bill)」が使われています。カナダの紙幣は全部で5種類あり、それぞれ色がハッキリ違うため、区別がつきやすいのが特徴です。2011年以降からは、プラスチック製であるポリマー紙幣が多く流通するようになりました。

ちなみにこのポリマー紙幣は、こするとほんのり甘い香りがすることから、カナダ人の間では「メープルシロップの匂いがする」と表現されています。また各紙幣はカナダの公用語である英語とフランス語の両語表記となっています。

100ドル紙幣(茶色)

表は、第8代カナダ総理大臣のロバート・ボーデン卿。裏は、医療的革新と題して、インスリンの瓶、DNAのらせん、脈拍などの波形と女性が顕微鏡を覗いている絵が描かれている。ちなみにインスリンは、カナダ人が初めて抽出に成功した。

50ドル紙幣(赤色)

表は、第10代カナダ総理大臣のウィリアム・リオン・マッケンジー・キング氏。裏は、主にセント・ローレンス川からニュー・ファンドランドまでを行き来したCCGSアムンドセン砕氷船。船の絵の上には、カナダ北部で暮らす先住民イヌイット族が使う言語、イヌクティトゥット語で「北極」という文字も記載されている。

20ドル紙幣(緑色)

表は、英国女王であり、カナダの女王でもあるエリザベス女王2世。裏は、フランスにあるカナダ国立ヴィミー記念碑(別名ヴィミー・リッジ記念碑)。この記念碑は、第一次世界大戦中にフランスでの戦(ヴィミー・リッジの戦い)で亡くなったカナダ人兵を弔うために建てられた。

10ドル紙幣(紫色)

表は、初代カナダ総理大臣であったジョン・A・マクドナルド卿。かなりの酒豪でありスキャンダルを起こして失脚したが、カナダ政治の基盤を作り上げた人物として称されている。裏は、ロッキー山脈を背景に走るカナダの国営鉄道、「VIA鉄道」列車。

5ドル紙幣(青色)

表は、第7代カナダ総理大臣ウィルフリッド・ローリエ卿。ローリエ卿は、フランス系カナダ人として初めて総理大臣になった人物として称えられている。裏は、国際宇宙ステーションの一部であるカナダーム2とデクスター。

紙幣は全て「開拓者・開拓精神」のテーマに沿ってデザインされている

以上のポリマー紙幣は全て、「開拓者・開拓精神」というテーマに沿ってデザイン・印刷されたものです。特に裏面のデザインは、そのテーマに沿った絵が描かれています。これらのポリマー紙幣の他にも、昔ながらの紙製のものが混じって流通していますが、偽造防止のために今ではポリマー紙幣が多く好まれて使用されています。

ちなみに、昔は1000ドル札や2ドル札というものも流通していましたが、現在では使用廃止になったため、見かけることはほとんどありません。カナダ銀行によるとそれぞれ未回収の紙幣がまだかなりあることから、持ち主が家の引き出しなどにこっそり忍ばせているようです。日本のお金に置き換えるならば、聖徳太子が印刷された1万円札のような希少価値と言えるでしょう。

硬貨

硬貨
Shawn Carpenter

英語で硬貨は、日本語でも耳にする通り「コイン(coin)」ですが、「小銭」という感覚で使用する場合は、「チェンジ(change)」と言います。硬貨は現在全部で5種類あり(後で説明をしますが以前は6種類ありました)、またそれぞれにニックネームがついています。

カナダの硬貨はお札に比べて、色やサイズが似ていることが多く、また日本ではあまり馴染のない「クォーター(1/4)」というコンセプトが常用されている為、少し覚えにくいのが難点ですが、こればかりは「習うより慣れよ」。とりあえず、硬貨の種類を見ていきましょう。

2ドル硬貨(写真左上)

通称「 トゥーニー (toonie) 」。一番大きなコイン。唯一の2色配色が特徴。裏面にはシロクマがデザインされている。

1ドル硬貨(写真中央上)

通称「ルーニー(loonie)」。唯一、金色1色のコイン。裏面にデザインされているアビという鳥(英名:loon)は、「ルーニー」の語源でもある。

25セント硬貨(写真右上)

通称 「クォーター (quarter)」。つまり、1ドルの1/4。このコインが2枚で50セント、3枚で75セント、4枚で1ドル―とただ機械的に覚えるのが得策。裏面にはカリブーのデザイン。

10セント硬貨(写真右上)

通称「ダイム (dime)」。一番小さいコイン。裏面にはブルーノ―ズ・スクーナーというタイプの帆船がデザインされている。

5セント硬貨(写真中央下)

通称「ニッケル(nickel)」。サイズ、色ともにクォーターと似ているため、一番紛らわしいコイン。見分ける時は、裏面のビーバーデザインで確かめるべし。

以上の硬貨に加え、近年までは1セントも流通していましたが、2013年以降、使用が完全に廃止されました。筆者の手元には使えなくなった1セント硬貨が大量に残っているので、こちらも紹介しておきます。

1セント硬貨(写真左下。2013年以降現在使用廃止)

通称「ペニー(penny)」。銅褐色のコイン。裏面にはメープルリーフがデザインされている。硬貨としての流通は無くなったが、単位としての「1セント」はまだ存続しているので、デジタルマネーで取引をする際には、1セント単位まできちんと計算される。詳しくは後述にて。

全ての硬貨の表面には、カナダの女王であるエリザベス女王2世がデザインされています。しかし、よく見てみると発行年によってエリザベス女王のデザインが微妙に違います。発行年を追うごとに、エリザベス女王も年を重ねているのですね。なんだか歴史をしみじみ感じてしまうのは、私だけでしょうか?

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お金の常識:お金の使い方

さて、お金の種類や特徴を覚えたところで、使わなければ意味がないのがお金。ここでは、カナダの社会で一般的に認識されている常識や、現在の社会状況に則ったお金の使い方を紹介します。

ペニー廃止後の1セントの使い方

さて、廃止された「1セント」についてですが、「1セントがなくなったら、56セントとか、1セントでしか払えないものはどうするの?」といった疑問が頭に浮かんだ方も少なくないのではないでしょうか?

「1セント」硬貨がなくなっても、「1セント」という単位は今も使われています。つまり、上の質問のように、「56セント」請求された場合は「56セント」分支払わなければなりません。しかし、支払い方法によって、実際に払う金額が異なります。

デジタルマネー(デビット、クレジット、オンライン決済)の場合

きっちり56セント分支払うことができます。つまり、1セント単位のお金はそのまま決算されます。めでたし、めでたし。

現金の場合

「1セント」単位のものは、以下の要領で切り捨て、切り上げされます。

セント単位の終わりが、「1、2、6、7」の場合
→切り捨て(round down)
例:56セント → 実際には55セントの支払い。ラッキー!

セント単位の終わりが
「3、4、8、9」の場合 → 切り上げ(round up)
例:58セント → 実際には60セントの支払い。なんだか損した気分・・・。

ペニー廃止当初は、お店側もお客側も少々の混乱がありましたが、現在ではレジが全てこの計算に対応しており、例え現金で間違って支払うことがあっても、レジがきちんと正してくれるようになりました。これなら、安心して買い物できますね。

記念硬貨・紙幣の使い方

先に紹介した紙幣のデザインですが、多様性を重んじる国カナダでは、あまり画一された統一性を重視しない傾向性にあり、お金に関しても実に多様なデザインが当たり前のように流通しています。

年を取る女王陛下もさることながら、事あるごとに「○○記念」と称して異なるデザインの硬貨を大量に発行していますが、そんな記念コインでも普通に使ってしまうのがカナダ人。カナダの通貨だけならまだしも、ついつい似た形・色から他国の硬貨を間違えて(?)使うこともしばしばです。記念通貨を発見した時、それを取っておくか、お金として使ってしまうか、決断はあなた次第です!

お札の使い方

紙幣の中でカナダ人が特に頻繁に使用するのは、5ドル、10ドル、20ドル札です。訳あって大金を所持する際も、50ドル札や100ドル札ではなく、20ドル札を何枚も財布の中に入れることが一般的です。ATMでお金を引き出す際も、20ドル紙幣単位での引き落としがほとんどです。

これには理由があり、偽造などの被害から守るためにお店側が50ドル札と100ドル札を受け付けなかったという背景が影響しています。今ではポリマー紙幣のおかげで偽造のリスクも減り、50ドル・100ドル紙幣を受け入れてくれるお店も増えました。

しかし、それでも紙製のお札はまだまだ嫌われることもあります。小さな商店やダラーストア(日本でいうところの100円均一ショップ)など、比較的金額の小さい商品を扱うお店では、50ドル札や100ドル札に対するお釣りが足りないという理由などでポリマー紙幣でも拒まれることがしばしばです。

そもそもカナダ人は、現金はさほど持ち歩きません。持ち歩くとしても、コーヒーなどのちょっとした飲み物や軽食を買うための金額程度です。それ以外は、多くの場合デビットカードやクレジットカードで支払いを済ませます。理由があって50ドル以上の現金を持ち歩くときは、できるだけ20ドル札かそれ以下のお札を持ち歩くようにしましょう。

偽造紙幣(counterfeit note)に出会ったら?

万が一、紙製のお札が手元にめぐってきたとき、それが偽造紙幣かどうかを確かめる方法があります。よほど古いタイプの紙製紙幣でない限り、どの紙幣にもホログラムと点字のような立体部分があります。そういった仕様がなく、平面でツルツルしている場合は、偽造を疑った方が賢明です。偽造を疑ったら、その紙幣は警察に届け出ましょう。もしもそれが偽造紙幣ではなく本物であった場合はその紙幣を返却してもらえます。

カナダ銀行が偽造紙幣の確かめ方などをウェブサイトに掲載していますので、そちらを確認してもよいでしょう。

カナダ銀行:偽造紙幣の見分け方
カナダ銀行:偽造紙幣防止について

まとめ

  • カナダのお金の種類と呼び方を覚える。
  • 1セント単位の端数は、現金支払いの時には切り捨てられたり、切り上げされたりするので、実際の請求額と支払額が違ってもあわてないこと。手動の古いタイプのレジでない限り、レジが正しい計算をしてくれる。
  • 実際に現金を持ち歩くときには、20ドル札以下の細かい形で持ち歩く。

たかがお金、されどお金。家族からのサポートが身近ではない海外生活では、お金の管理をしておくことはとても大切です。お金で騙されたり、間違って無駄にしたりしないためにも、お金をよく知り、使い慣れるように努力しましょう。

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この記事を書いた人

まつい ぞりこん
まつい ぞりこん

トロント在歴13年目を迎える文化と言語とお笑いが大好きな関西人。ヨーク大学言語学部卒。TESOL・CILISATを取得し、語学学校カウンセラーやESL講師、日英通訳などを経て、現在、日本語教師&フリーライターなどをしている。