国際結婚こぼればなし後編〜国際結婚して良かった点&仲良しでいる秘訣編〜
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前回の記事では「国際結婚の問題点」を紹介しましたが、今回は続いて「良かった点、仲良しでいる秘訣」について紹介します。今回は幸せ一杯の内容でお伝えします!
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視野が広がり知識も付くことで、人間的に豊かに
前回「国際結婚こぼればなし前編〜実際に起こりがちな問題、悩み編〜」に続き、イギリスの国際結婚セミナーの後半からは皆がいっそう盛り上がった「良かった点、仲良しでいる秘訣」に話題が移っていきました。
もうそれは幸せそうな皆様のお話に筆者も嬉しくなりました。それではご紹介いたします。
私は日本にいた頃、恥ずかしながら日本以外の国についての知識、興味が欠けていました。日本ではあまり世界の隅々のことまで報道されることがないため、自分で調べない限り各国の文化や情勢も深く知ることはありませんでした。
また、日本の自動販売機や便利なコンビニがある暮らしを当たり前で普通なのだと勘違いをしていました。
それが、ロンドンに来て全く吹き飛ばされました。世界は常に動いていて、知るべきこと、関心を持つべきことが山ほど溢れていることに気付きました。移民が多く、さまざまな人種が溢れるイギリスでは、相手の文化や宗教事情、何がタブーかを勉強しなければ生活すらままなりませんし、誰とも交友できなかったのです。
スーパーやカフェ、レストランに行くだけでも、私の些細な行為や言葉が周りの方に不快な思いをさせてしまったりするかもしれないのです。日本のプチベジタリアン等の話をして厳格なヴィーガンの方を怒らせてしまったことや、知らずにカメラをヒジャブを被った女性に向けてしまったこともありました。
また日本の歴史や慣習、文化に対しての質問に全く答えられず、日本が大好きなイギリスの方をがっかりさせてしまったこともあります。毎日が勉強でした、失敗して学び、自分でもたくさんの方向に興味の矢印が湧いて、大変ながらものめり込む楽しさでした。
更に、世界の事情を知ることで、日本では「毎日代わり映えしないなあ。」と退屈に思っていた生活、環境がどれだけ素晴らしくありがたいものであったのか、当たり前だと思っていたサービスの素晴らしさ、人々の丁寧さ、また何でも世界中のものが手にはいる豊かさ、美しい四季の移り変わりなど、数えきれないくらいの日本の良さを海外に出てはじめて知りました。そして、日本がもっと大好きになりました。自動販売機が外にあっても壊されない国、日本の平和に感謝しました。
セミナーでも、
「夫が大好きだから彼の文化や国についてのことを必死で学んだわ、それを通じて自分も豊かになった、彼も私の文化を一生懸命知ろうとしてくれるから答えなきゃいけないし、今まで知らなかったことにも詳しくなったわよ!」と話す人や、
「自国から離れたことでとても鍛えられたわ。頼る相手は夫しかいないって思って頑張ってきたけど、気がついたらたくさんのイギリス人の優しさに触れて支えられて来たと気づいたの。今ではホリデー帰りにイギリスの空港に着くとホッとするの。帰って来たとホッとするわ。故郷が2つになったみたいで幸せ。」
など、ポジティブな意見がたくさん出ていました。
筆者の夫はヨーロッパ家系の南ア人ですが、教科書で習ったアパルトヘイトの話を彼から実際に聞き、またその国を訪ねる日が来るとは日本にいたころは想像もしなかったことです。相手の国、知り合いを通じて、どんどん世界が広がります。
困難を越えてこそ得られる強い絆、更なる愛情
筆者が最初のビザの取得をしたとき、パスポートが長く手元に戻らずに不安でたまりませんでした。その際に夫は対応の悪い移民局に何度も根気よくクレームをしてくれました。数々の言葉に文化のバリア、山ほどの問題があるからこそ、それらを死に物狂いで二人でやっつけながら一歩一歩地道に進むのですから、そこから生まれる絆は大変強く、美しく、素晴らしい宝物になります。
ぶつかり合いながら、諦めずにわかり合えた時の喜びも例えようがないほどに大きく、新たな知識も自信も私たちに授けてくれます。
私たちの場合はどちらも母国から離れていましたから、何もかも二人でやって来ました。最初の数年は本当にさまざまなストレスを抱えて常に崖っぷちだった私でしたから、夫に当たったり、無理を言ったりして大変な思いをさせてしまいました。その私を受け止めながら、「きっと上手くいく!」と常に前を向いてポジティブに、投げ出さず一緒に頑張ってくれる夫に、いつか彼の背中に追いつく!と前に進む強さをもらいました。
セミナーでもこんな声が上がりました。
「彼だって辛いのに、鬱になるくらいにイギリスが嫌いになった時期の私を、気休めにしかならないけどと、頻繁にヨーロッパのあちこちに連れていってくれた。決して裕福じゃなかったから彼の大好きなお酒もタバコもやめて節約しながら残業もしたりしていたとあとから聞いたとき、私も頑張ろうと勇気が湧いたわ。何がなんでもイギリスでやっていくと決意してからは英語の問題くらいで落ち込んでいる暇もなくがむしゃらだったけど、ある日気がついたときには、言葉も含めて、さまざまなことがずっと楽になっていた。とても強くなったと夫に言われたわ。」
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語学の習得、自分の成長、自信
「来たばかりはテレビで何を言ってるか全くわからなくて大嫌いだったけど、ある日突然、あれ、なんだか分かる、楽しいわって思ったとき、泣きそうに嬉しかった。自信もついたし、今じゃ毎日観てる!」
「必死に勉強してきたつもりはないけど、子供がいたから毎日英語を話さなきゃいけなくて、めちゃめちゃながらも体当たりでやってきた。そしたら今はこうしてみんなと普通に会話できるんだから、ビックリね。」
「喧嘩や誤解のたびに言いたいことが上手く伝えられず悔しかったから必死で学んだわ。次は英語以外の言葉を学びたいの。何でもやればできるって身をもって分かったから、絶対に次もできるって信じてる。」
このような声に筆者も頷きました。日本人は文法の間違いを気にしたり、シャイであったり、英語に体当たりするのが苦手ですが、イギリスでは買い物も病院も、郵便局も何もかも英語でしたから、できないとしり込みする暇もなく、とにかく生活のためにやってきました。多少間違えても通じたらもうけものくらいに、「どうにでもなれ!」と、まな板の鯉になった気分で開き直ってからは、何かが外れたのかずっと楽になり、英語が楽しく上達しました。
今では人と話すのはもちろん、映画もテレビも本も楽しくてたまりません。不自由を感じなくなり、自信もつきました。そして、昔は気にしてくよくよしていたことも気にならなくなり、気がついたら地元の友人も増えました。日帰りでパリに一人で行くなど、世界もとても身近になりました。
毎日が積み重ね。仲良しの秘訣とは?
さて、困難を一緒に乗り越えると言ってもどうしたらよいのでしょうか。
一番大切のは話し合い
セミナーで皆から出た意見、講師のアドバイスで筆者が特に大切に思ったのは、「talk」です。とにかく、話し合う。コミュニケーションを諦めないこと。感情的にならずに落ち着いて、相手の立場になりながら素直に悩みや不安があれば打ち明けるべきです。
その際、自分の文化の基準で「日本では言葉も通じたしサービスは丁寧だったから、ボイラーの修理に銀行のわけが分からない英語の手続き・・・ストレスたまる!何でわかってくれないの?ちょっとは助けてよ!」と、自分寄り思考で相手を責めるよりも、「馴染めない文化の中で、知らないことがたくさんあって感情的になることがあったらごめんなさい。だけど、あなたから学んでいくから、まずはやり方を教わるために一緒にやってくれない?」と話せば、相手も感情的にならない話し合いができるあなたを尊敬して、わかりたい、助けたいと手を貸してくれるはずです。
自分で何もかも溜め込まずに、何でも素直に相談、話し合うのが大事です。また、「us(私たち)」という意識で夫婦、カップル単位での決断や行動を大事にし、相手に話さずに何かを勝手に進めてしまうようなことをせず、二人でいっぱい話す時間を作りましょう。
異国の文化を理解し合う
次に「理解、許し、いたわり、感謝」です。自分が辛いときは「何で自分ばかり!」という感情が爆発してしまいがちですが、相手も異文化に戸惑い、なぜ、あなたが苛立っているのかが解らず、助けたいけれどどうしていいのかわからない、あるいは自分の文化を理解してくれないあなたにストレスを感じているかもしれません。
お互い違う文化背景をもっているとまずは認識し、万が一感情的になって傷つけ合うことがあっても、すぐに反省して許し合うべきです。手をとって「ごめんなさい」と素直に言うべきです。意固地になっていては余計にこじれ、愛も冷めていきます。
「あなたも私の慣習に戸惑うわよね。ハンバーガーを手づかみした私にあなたがびっくりしたことであんな大喧嘩になるなんて思わなかったわ!ハンバーガーをナイフとフォークで食べられるあなたも素敵だけれど、私はやっぱりかぶりつきたいもの。なんて面白い喧嘩をしたのかと今でも笑えてしまうの。いつも私の文化を理解しようとしてくれてありがとう。」
と、ユーモアも忘れずにきちんと感謝しながら伝えたいことはきちんと伝えていけば問題は早く解決します。相手が疲れているときに一杯のミルクティーを丁寧にいれてあげれば、そのいたわりの心が二人の愛を優しく温めてくれますよ。
お互いが自立する
そして「自立」です。金銭的なことではなく、あなたがあなたの人生を大事にすることです。ただ相手に寄りかかるのではなく、ジムに通ったり、英語を勉強したり、趣味に没頭したり、あなたの時間を大事にしてください。二人で楽しいことを一緒にするのはもちろん大事ですが、自分の世界を楽しめない相手と一緒にいても、お互いに会話も進まず退屈を感じてしまうかもしれません。
そして、相手の趣味やリラックスの時間も尊重すべきです。いつも暗い顔で家にいたら相手も疲れてしまいます。言葉なんか気にしないで一人でお茶を飲みにいったり、近所の公園で絵を描いたり、図書館にいったり、一人を楽しんでください。
また、西欧の話になりますが、こちらの文化では女性も男性もイコールです。それは女性が同じ権利を持つと言うことだけではなく、男性と同じように仕事、家事、生活の様々な場面で男性に頼らず自分で物事を処理し、自分の趣味や資格を持ち、さらに知識を伴った会話ができる能力、強さをもつと言う意味でもあります。
女性の場合は、男性を立てるところは立てながらも、家具の組み立てからから銀行へのクレームもこなし、夫に世界情勢やマナーの話を振られたら、きちんと会話を楽しめるように、毎日いろいろ吸収して心の図書館に貯めておくのです。男性と女性がイコールであるとは「お互い尊敬できて、頼れる関係」だと私は捉えています。
愛する人を諦めない
最後は「愛する人を諦めないこと」です。描いていた生活とあまりの違い、国外でのストレスに「もう嫌だ」と投げやりになることもあるかもしれません。ですが決して諦めないことです。そしてそれをコミットし相手に伝えるのです。自分は決して諦めないから、愛しているから、投げ出さないから、と伝えてください。そして、「あなたは私の人生に起こった最大の幸せです。」と伝え続けてください。何度も愛していると言葉で伝えてください。
離婚!などと言う言葉は全く役に立ちません。本気でない限りは口に出さない方がよいです。
最後に
セミナーの最後に参加者に「それではもしあなたがシングルだとして、結婚するならまた国際結婚を選びますか?やめますか?」という問いがありました。ほとんどの人が「愛する人が私と違う国の人だったらもちろん国際結婚するわ。」、「もちろん、愛しているかどうかが基準なんだから、きっとチャレンジするわ。」ほぼ全員がポジティブに首を縦に振っていました。
谷があって山があるから人生わくわくしますよね、皆さんも世界に飛び出して一杯の素晴らしいことに出会ってください。もしかしたら素敵な出会いがあるかもしれないし、あなたの人生を大きく変える何かがあるかもしれません。そんなとき、この記事を少し思い出して参考にしていただけたらとても嬉しいです。
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この記事を書いた人
イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。