日本にはない?セブ生活で実感したフィリピンの面白い習慣5選

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Darkside_sithlord [Marlon Garcia]

フィリピンならではの不思議な習慣が色々あります。フィリピンの習慣を知らなかったことで、戸惑うことも、仰天することもありました。今回は、フィリピンで生活をお考えの方に、フィリピンならではの習慣をご紹介しておきたいと思います。

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1.大人数の飲み会でもグラスは一つ「タガイタガイ」

フィリピンでローカルの友人ができると、一緒に飲みに出かけるもしばしば。特に若いローカルの間で行われるのが「タガイタガイ(Tagay Tagay)」です。仲間内で行われる一種の儀式みたいな飲み会です。

タガイタガイで使うグラスは一個です。それを回し飲みします。時にはビールで、破天荒なメンバーが多い場合ではテキーラで行われます。自分の番が来たら基本は一気飲みです。飲み干したらグラスに酒を注ぎ、隣の人に渡す。

人数が多ければ良いのですが、少ない場合だと自分の順番がすぐに来ちゃいます。この習慣で鍛えられたのか、とにかくフィリピンは酒が強い人が多いです。

2.黙って一人だけで食べちゃダメ!「カーオン・ター」

ローカルな環境でまず最初に経験するのが、「カーオン・ター」です。家族の皆は先にご飯を食べ終わってテレビを見ています。私がひと足送れてリビングに行き、いざ食べようとした時です。

突然、カミサンが「カーオン・ター(Kaon ta)って言って食べなさいよ」と物申す。私が「何、それ?」と尋ねると、「みんなで食べましょう」という意味らしい。「だって、みんな食事終わってるんじゃないの?」と反論するが、とにかく食べる前に言う決まり文句らしいです。

これは、どうもキリスト教の教えからきているみたい。「一つのパンがあれば、みんなで分け合う」に基づいた習慣なのです。フィリピンでは一人だけで、美味しいものを買ってきて食べるのはご法度なのです。

フィリピンでは、日本の「いただきます」ではなく、「いただきましょう」なんですね。仕方なく私が「カーオン・ター」と叫ぶと、みんなが一斉に「Thank you!」と一言。そして、またテレビを見始めました。

ちょっと小腹が空いたから、近くのコンビニに行ってホットドッグを買ったとします。その習慣が身に付いてしまうと、そのホットドッグをテイクアウトして自宅に持ち帰り、みんなの前で食べるのに気が引けるようになっちゃうんです。結果として、途中の帰り道で食べることとなります。

ちなみに「カーオン・ター(Kaon ta)というのはセブのビサヤ語で、タガログ語だと「カーイン・ターヨ(Kain Tayo)」となります。

3.家電品は持ち帰る前に厳重に作動チェック

セブに滞在して、次に驚いたのが良品チェックです。フィリピンでは、購入した家電品はすべて持ち帰る前に作動チェックが行われるのです。テレビも、照明器具も電球も、ドライヤーも扇風機も全てです。セブに来てすぐ、私は自宅の家電品を一気に購入したので、そのチェックだけで1時間以上かかりました。日本ではありえません。

フィリピンでは中国製も多く、見たこともないメーカーの製品がたくさんあります。中にはアメリカン・ホームというメーカーの洗濯機もあるのですが、中国製です。MITSUBISHI(ミツビシ)ではなくMITSUBOSHI(ミツボシ)という非常に紛らわしいメーカーもあったりします。一語違いで中国製になります。

そんな訳で新品でもちゃんと作動しないモノも多いのです。そのため、すべて新品でも梱包から中身を取り出し、コンセントにつなぎ作動チェックされるのです。

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4.セブのクリスマス

日本のクリスマスは、なんだか恋人たちの為にある日みたいなところがありますよね。恋人同士でレストランで食事をしたり、時には「クリスマスなのに恋人がいなくて悲しい」といった会話があったり。

フィリピンのクリスマスはそういった日ではないのです。キリスト教徒が多いフィリピンでは、もっと厳格な意味合いがある日です。自宅で家族が全員揃って食事をしてキリストの誕生日を祝います。フィリピン人にとって、毎年のクリスマスは一大イベントであり、10月ぐらいから街中にデコレーション、イルミネーションで活気付きます。

フィリピンには欠かせないデコレーションが「パロル」です。スペイン語で「ランタン」を意味する「Farol」が名前の由来です。もちろん我が家でも飾りました。

フィリピンには欠かせないデコレーション「パロル」
Nicole Abalde

教会のミサに行き、自宅のテーブルにはご馳走がズラッと並び、みんなでゲームをやったり、プレゼントの交換会が行われます。我が家ではスプーンをくわえ、卵をのせてのリレーとか、目隠しをしてのゲームなどで盛り上がりました。

5.セブの正月

大晦日の日はクリスマス・イブと同じく、家族全員でカウントダウンを待ちます。食卓にはクリスマス・イブ同様のさまざまな料理が並びます。特徴的なのが12種類のフルーツの盛り合わせです。12種類の丸いフルーツを供えると、この年はお金に困らないという風習があるみたいです。

カウントダウンが終わった途端、すさまじい騒音、爆音が街中から聞こえてきます。もちろん、うちの家族もその騒音の仕掛け人でもあります。とにかく音を立てるのです。基本は爆竹。あちこちで爆音です。トロットと呼ばれるラッパを鳴らしたり、フライパンをスプーンでバンバン叩いたりもします。空のペットボトルに小銭を入れて、ジャラジャラ振って音を立てたり。家庭用の花火も打ち上げます。

セブの正月でカウントダウンが終わった様子
Paolo Dala

(↑あちこちの路上で、この状況です)

とにかく、うるさいというか賑やか。でかい音を立てて邪気を追い払うという意味合いらしいですが、みなさん楽しんでガンガンやってます。おそらくフィリピンで花火の売上が一番高いのは12月ですね。

車が走っている道路の上で、あちこちでやってます。どこから爆竹や花火が飛んでくるか分らないのでドライバーは慎重に徐行運転です。お正月の恒例行事なので、どのドライバーも文句はいいません。

まとめ

日本では年頃になると親と共に行動をするのが照れくさくなる傾向がありますよね。クリスマスの日は、高校生の娘はボーイフレンドと外出。大学生のお兄ちゃんも恋人とデート。家に残ったのはお父さんとお母さんだけ。それもキリスト教国でない日本での、新しいスタイルのクリスマスなのかもしれません。

フィリピンでは、あちこちで家族全員で行動している光景をよく目にします。父親と息子が一緒に飲みに行くというパターンも多いですね。フィリピンでは子供たちは学校を卒業した後も、彼らが望まない限り親元を離れる必要はないのです。現実に殆どが結婚するまで家族と同居し、親と兄弟との親密な関係を保ち続けます。

欧米や日本では、高齢になり病気になったり、要介護状態になると老人ホームに入所することも多いですが、フィリピンでは高齢者は家族と一緒に住み子供や孫から世話を受けるのです。これが、フィリピン人の家族観であり、フィリピン人は家族や親族の絆を大切に考えています。そんな家族観と宗教観のもと、「カーオン・タ-」という言葉も生まれてきた様に思えます。

私はまだまだ家族の面倒になる気はありません。そろそろ私自身も、酒と煙草と日頃の不摂生な生活を見直さないといけない頃かもしれません。明日からジョギングでも始めようかな。

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この記事を書いた人

ケン
ケン

日本の大学を卒業後に、フランス、イギリス、アメリカを渡り歩き、気がつけばセブで生活をしている50代半ばのオッサンです。酒とビリヤードを愛する男。セブでは、日本人よりフィリピン人のほうが友達は多いです。ちょい悪オヤジになりきれない、か弱いオヤジ。今までの経験を通して、私らしい情報発信ができれば幸いです。

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