フィリピンの歴史と宗教とは?無宗教である私がフィリピンで感じたこと
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フィリピンの国名の由来をご存知ですか?フィリピンは東南アジア唯一のキリスト教国ですが、実は全ては国名の由来から始まったといっても過言ではないのです。今回は、フィリピン国の歴史と、私がセブで感じたフィリピン人の生活に大きく関わっている宗教について話をしたいと思います。
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フィリピンの国名の由来
フィリピンは16世紀から約300年もの間、スペインの植民地でした。驚くことに「フィリピン」という国名は、当時のスペインの皇太子フィリペ(のちの国王フィリペ2世)の名前から1542年に「フィリピナス諸島」と名づけられた事に由来していたのです。
なぜ国名を変更しなかったのか
フィリピンがフィリピン共和国として正式に独立したのは1946年の7月4日。なぜ、スペイン支配下のもとに勝手にスペイン皇太子の名前で命名された国名を変えようとしなかったのか?
当時の統治者(スペイン人)の混血者は、フィリピンで生まれたスペイン人としての誇りを持ち、スペイン語を使い、フィリピン国内の上流階級の大半を占めていました。今も名残があり、フィリピンの国家運営に強く影響を与える政治家や富裕層の中に、スペイン人の血が流れていることを誇りに思っている人々が多く存在しています。
確かに私の経験からも、お爺さんがスペイン人だった、祖父がアメリカ人だった、など誇らしげに話す人が多いです。彼らにとっては、スペイン人またはアメリカ人の血が混ざっていることは、一つのステータスでもあるようです。
もう一つには、スペインの統治下時代にそれまでの歴史的記録を抹消され、正式に独立する際は自国の歴史に関する情報が希薄であったため、新しい国号を唱えるよりも馴染んだ国名をそのまま使ったという説もあります。
スペイン人が布教したキリスト教
フィリピンは約83パーセントがカトリック。約10パーセントがその他のキリスト教。イスラム教徒が約5パーセント。ASEANでは唯一のキリスト教国です。
1521年にマゼラン率いるスペイン軍が襲来。その襲来はセブの英雄ラプラプにより阻止されました。その後もスペイン軍の執拗な攻撃が続き、ついに1565年にセブが撃沈。その6年後にはマニラもスペインの植民地となりました。
植民地時代に、ローマ・カトリックの布教が盛んに行われました。その結果、今ではセブ市内でも至るところにカトリック教会が建っています。
イスラム教徒のミンダナオ島
イスラム教徒はミンダナオ島に集中しています。島民の2割がイスラム教徒です。
実はフィリピン国内においてはキリスト教よりもイスラム教の方が歴史は古いのです。1450年代(もっと古いという説もある)にフィリピンのミンダナオ島及び、ボルネオ島エリアは、イスラム王国であるスールー王国だったのです。
当時、フィリピンの貿易の中心がミンダナオ島のダバオにあったため、イスラム教も当時の貿易ルートに乗って布教されたらしいです。
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休日が多いフィリピンと宗教の関係
フィリピンの祝祭日と記念日は、キリスト教関係が非常に多いです。あとはフィリピン独立に関連した祭日も多いですね。イスラム教の宗教的な祝日であるイスラム断食明け祭りも、二日間の断食(ラマダン)を終えた日に盛大に行われ、休日となります。
困ったことに毎年この祝祭日の日程が変わるのです。フィリピン政府が発行している祝日カレンダーを入手しておいても、政府命令で急遽、日程がよく変わります。新たに休日が増えることもあります。まったく、日本ではありえない事です。
スーパーの中で時が止まる瞬間
私がカミサンとスーパーで買い物をしていた時の話です。突然アナウンスが流れてきたと思った次の瞬間・・・周りの全ての動きがストップしたのです。歩く人たちはその場でストップ。レジのお姉さんはお金を握りしめたままストップ。なに?なに?です。私がカミサンに「どうしたの?」って尋ねても、「シッ、黙って!」と言われるだけ。
「何かのドッキリか?」と思いましたが、アナウンスをよく聞いてみると、教会の神父さんがバイブルの一説を語っているみたい。なるほど、お祈りの時間だったのです。
約1分間、本当に時間が止まります。これは正午と夕方6時が恒例で、SMというショッピング・モールでは3時も加わります。テレビでも途中で番組を中断して、このお祈りタイムがあります。
フィリピン最大のイベント「シヌログ祭り」
毎年、1月にセブで行われるフィリピンで最大のビッグ・イベントであるシヌログ祭りは、サント・ニーニョを祝うためのお祭りです。9日間に渡って様々なイベント、そして祈りと行進が行われます。
世界中から観光客も押し寄せ、約400万人が参加するパレードです。セブ市内は、人、人、人で溢れかえります。交通機関もストップ。ほんと大騒ぎです。
セブのシンボルとも言えるサント・ニーニョ(サントは「聖」、ニーニョは「少年」)。幼少の頃のキリストのことなのですが、セブに住んでいる人々は、幼きイエスが願いを叶えてくれると信じています。
マゼランがセブに上陸した際、当地の王にニーニョ像を授けたものが由来らしいです。セブにある大半の教会や多くの家庭でニーニョ像が祭られてます。
最後に
私自身は無宗教です。よって、特に信仰している宗教もありません。しかし、私を除いた家族は全員カトリックで、毎週日曜日は教会に行っています。しかし、私に対して信者になることを特に強要することはありません。
セブに住んでいると日本では感じなかった宗教の存在をひしひしと感じます。自宅の前でも年間を通して何度も宗教関係のパレードが行われます。タクシーに乗れば車内のバックミラーには十字架がかかっています。日本と比べると宗教が生活のいたるところにあって、身近に存在しています。
日本国内から離れて、海外に赴いた際の注意点としては、自分が無宗教だからと神の存在を否定するのは御法度です。各宗教によって信仰や教典も様々です。話題に関しても、宗教関係の話は避けた方が無難です。
なお、フィリピンではローマ・カトリックの思想のもと離婚は出来ません。浮気して訴えられたら刑務所行きです。フィリピンでの伴侶選びは慎重に。火遊びすると大火傷しますからご注意を!
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この記事を書いた人
日本の大学を卒業後に、フランス、イギリス、アメリカを渡り歩き、気がつけばセブで生活をしている50代半ばのオッサンです。酒とビリヤードを愛する男。セブでは、日本人よりフィリピン人のほうが友達は多いです。ちょい悪オヤジになりきれない、か弱いオヤジ。今までの経験を通して、私らしい情報発信ができれば幸いです。