ドイツ・ハンブルクにある戦争遺跡「ノイエンガメ強制収容所」に行ってみた

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ノイエンガメ強制収容所(KZ Neuengamme)はナチス政権により作られた北ドイツ最大の強制収容所のひとつで、1938年〜1945年の間に約10万人のユダヤ人と捕虜が収容されました。終戦後2006年まではハンブルク市の刑務所として使われていました。今回はこの施設について筆者が訪れた箇所に沿って紹介していきます。

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ノイエンガメ強制収容所とは?

ドイツ・ハンブルクにあるノイエンガメ強制収容所は、当初ハンブルクの煉瓦生産工場という名目で建設されました。

第二次世界大戦前、被収容者のほとんどはドイツ人の囚人でしたが、戦争が始まりナチスがヨーロッパを支配していくとポーランド、ベルギー、フランス、オランダ、ソビエトから人々が収容され、終戦までに42,900人が命を落としました。その多くは重労働と劣悪な環境による栄養失調や飢え、寒さにより亡くなったと言われています。

ドイツの敗戦間近の1945年春、収容所の隠滅に向け被収容者はSSによりベルゲンベルゼン、ザンドボステル、ヴェッベリンへ徒歩で移動をさせられました。またこの時期に多くの被収容者を乗せた船カップアルコナがイギリス軍に爆撃されたくさんの犠牲者が出ました。

そして1945年5月2日、イギリス兵によりこの収容所は解放されました。

博物館ができるまで

戦後イギリス軍はこの収容所を元SS隊員(親衛隊)や元ナチス党員の抑留キャンプとして利用しました。1953年に収容所の生存者により最初の慰霊塔が建てられ、1981年には施設内に常設展がオープンしました。2006年にようやく刑務所は廃止され、敷地内すべてが博物館として見学できるようになりました。

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施設の全体図

ノイエンガメ強制収容所の敷地地図

1.入り口

Bergedorfから出ているバスを降りるとすぐ目の前が入口です。すぐ手前が案内所、眼前には煉瓦造りの建築物と収容所跡が広がります。敷地全体で57ヘクタール、東京ドームおよそ12個分の広さです。

2.バラック跡地

バラックの跡地で、現在はその瓦礫が組み上げられており、留置所跡地には花が供えられています。被収容者は毎日10〜12時間の労働を強いられ、十分な食事も与えられず、劣悪な環境で生活させられたそうです。

3.メインエキシビジョン

こちらではナチスの反ユダヤ人政策や強制収容所についてと被収容者の衣食住や労働について細かく展示されています。

彼らは施設に到着するとすぐ丸刈りにされ番号を付けられました。驚いたことにベッドは1人が寝るにも狭いくらいの物に、多いときには3人寝かせられたそうで、まるで奴隷船のようでした。トイレも仕切りは全くなく、巨大なタンクのようなものにまとめてさせられたそうです。

4.工場跡地

被収容者が強制労働を強いられた元工場です。工場内で使われた道具や炉が残されています。武器製造を担わされた彼らは戦争中のドイツにとってなくてはならない要員でした。

5.SS倉庫跡地

SS隊員(親衛隊)の元車庫で今もそのままにされています。生憎閉館中だったため中には入れませんでした。ヒトラー政権下の警察組織として機能したSSの被収容者への行動は非道を極め、恐れられました。最大4,000人のSSがこの収容所と近隣のキャンプに駐在していたと言われています。

6.学習館

学習館であるこの建物には図書館、アーカイブ、管理事務所が入っています。講演会もこの館内で開かれています。すぐ隣に案内所があり記念品を購入することができます。

ノイエンガメ強制収容所の詳細情報

  • 住所:Jean-Dolidier-Weg 75 21039 Hamburg
  • 時間:【月〜金】9:30〜16:00【土日(4〜9月)】12:00〜19:00【土日(10〜3月)】12:00〜17:00
  • 電話:040-428131500
  • 料金:無料。英語でのツアーあり(要事前申込み)
  • アクセス:バスでBergedorf(S-Bahn)より227、327でNeuengammer Gedenkstätte/Ausstellung下車
  • URL:http://www.kz-gedenkstaette-neuengamme.de/

まとめ

雪が積もるノイエンガメ強制収容所

筆者がノイエンガメ強制収容所を訪問したのは2月、バスを降りると猛吹雪で視界は真っ白でした。敷地内に入るとまずその広大さと静けさに圧倒され、瓦礫が敷き詰められた地面からはかつてこの場所に多くの人々が強制的に連れてこられた過去を想像させられます。

この他に元レンガ工場や祈念館、モニュメントなどがあります。筆者はこれまでヨーロッパの戦争について考える機会はあまりありませんでしたが、先の戦争が世界大戦であったということに気付かされました。

ハンブルクに来られる際は是非訪れることをおすすめします。すべて見るにはかなりの時間を要するので余裕を持って訪問しましょう。

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この記事を書いた人

葛飾Hochzeit
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こんにちは葛飾Hochzeitです。ドイツはハンブルクに暮らしております。みなさまの生活に少しの愛をお届けできるよう様々の情報を発信して参ります。

https://twitter.com/HochzeitKing08

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