帰国直後の経験者が話す!アメリカ留学のあれこれーーTHE RYUGAKU座談会Vol.9
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今回の座談会はなんと、アメリカ留学から帰ってきてまだ2、3週間のお二人にお話を伺いました。日本の大学とは大きく異なる大学生活。留学中のちょっとした(?)ハプニング。渡航準備で注意すべきこと。そして、お二人の将来のビジョンを伺いました。帰ってきたばかりだからこそ伝えられる、新鮮な留学体験談となっています。これからアメリカ留学を考えている方、留学を直前に控える方、必見です!
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今回インタビューを受けてくれた留学経験者
たかお さん
アリゾナ州立大学へ1年間留学。都内の大学に通い、2年生の夏から1年間の交換留学を経て2016年6月に帰国。
わかやん さん
アメリカのコロラド大学ボルダー校に1年間の交換留学。都内の大学に通い、2年生の8月から初めての長期留学を経験し、2016年6月に帰国。
※今回は、大学の先輩方がとても楽しくアメリカ留学について教えてくださいました。その雰囲気を存分にお伝えするために、出来るだけお二人の口調を変えずにインタビューの模様をお伝えしていきます。
※また、プライバシー保護のため、本名での紹介は控えさせていただきます。
留学先の選び方は人それぞれ
(右がコロラド大学ボルダー校に留学したわかやんさん)
ーー さっそく、インタビューに入らせていただきます。まず、わかやんさんはどうしてコロラド大学を選ばれたのですか?
わかやん:私は、まず第一に、きちんと英語が話せるようになりたくて、英語圏に行こうとは考えてたの。で、今までアメリカ本土には行ったことがなかったし、やっぱりアメリカって世界の中心って感じがして、まず国としてはアメリカがいいと思ってた。
その中でどの地域に行こうかとすごく迷ったから、まずTOEFLを受けてみて、そのスコアを見てから少し選択肢を絞った。そして、親の心配もあって、ひたすら治安の良いところを調べて、ボルダーっていう素晴らしいところを見つけたからここに決めたの。実際、治安はすっごい良かったよ。
あとは、コロラド大学は学問の面でも充実していたし、施設などの環境もしっかり整ってた。特に授業は、Arts&Science系が充実していて、色々な授業を取ることができるから、自分に合っている・これから学んでいきたいことを見つけられると思ったからこの大学を選んだかな。
ーー たかおさんはどうしてアリゾナ州立大学に留学されたのですか?
たかお:正直言うと、第一志望ではなかったんだけど…留学中に旅行するってことも考えて、グランドキャニオンとかがあるアリゾナは魅力的だったし、気候が全く違うところに行ってみたかったというのもあった。あとは、もともと歴史が好きで、第二次世界大戦とか日本でもずっと勉強してきているけど、向こうの人は、たとえば広島・長崎の原爆投下についてはどう考えているのかっていうのに興味があって、そういう歴史系の授業を取るっていうのもここを選んだ理由の一つかな。
留学で一番大変なのは”渡航準備期間”
(真ん中がアリゾナ州立大学に留学したたかおさん)
ーー 留学準備はやっぱり大変でしたか?
たかお:あ〜!留学までの1年と留学中の1年合わせても、VISAとかを取るときが1番大変だった。
わかやん:確かに、一番神経質になった期間だったと思う。行ってしまえば、留学はもう行っちゃったらどうにでもなるからね。VISAに関しては、無いと留学すらできないから、ネットとかでたくさん調べたし、書類を揃えるのとかも大変だったね。
たかお:VISAの申請をしなくちゃいけないんだけど、俺ね、パスポートの有効期限が切れているの気付いていなくて。しかも、俺は日本国籍じゃないからまた面倒くさいんだけど、それに気付いたのが忘れもしない、俺の誕生日(3月)で、その日は夜に友達が祝ってくれるってなってたの。だから、夜までにできることは全部やておこうと思って色々と調べていたら、期限が切れていることに気付いて、急いで一から全部やった。
後で知ったんだけど、その日の朝に気付いていなかったら、留学行けてなかったみたい。だから、準備は早め早めにやったほうがいい。書類によっては、自分の手元に来るのに時間が掛かる場合もあるから、余裕を持って準備するべきだね。
わかやん:予防接種も早く受けるべき!私も、書類とか全部アップロードして、よし、終わったと思った時に、「あなたここにチェックしたから別の書類が必要です」とか言われて、検査をして陰性の証明書をもらいに、すぐに書類を出してくれる病院に出国2日前に行って、出してもらった。予防接種によっては、次に打つまでに何週間か期間を置かなきゃいけないのもあるから、早め早めがこれも重要だね。
たかお:アリゾナ州立大学も、予防接種の証明がないと授業が取れないっていうのがあった。アメリカの履修は早い者勝ちみたいなところがあるから、できるものは早く済ませちゃって、早く日本で授業を決めた方がいいね。
想像力が問われる!アメリカ独特の授業課題
ーー 留学中の話に移っていきたいのですが、まずは留学先での授業はどうでしたか?
たかお:さっきも言ったように、第二次世界大戦の授業を取ったんだけど、歴史に対する考え方は日本人と全く違っていて、半分以上の学生はあの原爆投下は正解だったって言っていた。ディベートでも、核兵器には反対でも、あの2つの原爆には肯定的だという人が7割もいた。
これまでは被害者側からの目線でしか見ていなかったけれど、相手側にも色々な背景があるから、別の見方からその問題を見ることができたし、日本がどう見られているのかも分かったと思う。そういう、日本では感じられないことを得られるのも、留学のメリットだよ。
ーー 時間割はどんな感じでしたか?
たかお:俺はすごいコマ数が少なくて、月曜はソフトボールだけで、火・水は2、3コマだけ、それ以外は休みだった。
わかやん:私は1日2、3コマが週5日あった。でもほとんどの授業が1コマ50分だった。もっと長いのもあったけど、それは授業回数が少なかった。あとは、バレエとかダンスの授業を取ってた。
コンテンポラリーダンスのテストがすごくて、「あなたにとって、コンテンポラリーダンスとは何かをみんなの前で、パワーポイント以外の方法で表現する」っていうものだった。私は、即興でダンスを踊ったんだけど、ある子は、カラフルなマーブルケーキを作ってきて、みんなに配って、「コンテンポラリーダンスとはまだ未完成のもので、それをマーブル模様で表しました」っていうすごい発表だった(笑)
たかお:確かに、創造性を問われることは多かった。俺も、コミュニケーションの授業を取って、コミュニケーションするのかなと思ってたけど、課題が「お店とか世間の人に迷惑をかけている様子をビデオに撮ってプレゼンしなさい」ていうのだった。例えば、あるチームは、スーパーで他のお客さんが商品を選んでいる間に、その人のカートを持ち去るっていう発表だった。で、それを普通にプレゼンして、学生も先生も爆笑みたいな(笑)期末もみんなでキャンパス内でフラッシュモブをしようっていうのだったし(笑)
ーー すごい面白い授業ですね。たかおさん達のグループは何をしたんですか?
たかお:俺たちは、図書館で卓球をしようってなったんだけど、グループの1人がSNSで「明日、僕たちは図書館を立ち入り禁止になるかもしれない」って呟いたもんだから、大学のセキュリティーに引っかかって、当日図書館にズラーッと警備員がいて、卓球なんてできる雰囲気じゃなくて、できなかったの。そのことを教授に話したら、A+くれたけどね。そういう授業や課題も日本では考えられないよね。
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アメリカにはサークルのようなものは無い
ーー クラブ活動などには参加していましたか?
たかお:野球をやろうと思って、トライアウトを受けて、合格したんだけど、スケジュールを見たら、今日から三連戦アリゾナで、次カリフォルニアで三連戦、そのあとシアトル、みたいな感じで。2軍チームでもそれだから、勉強時間も削られるし、お金もかかるから、結局チームには入らなかった。
わかやん:私は日本で自分たちで舞台を作り上げてパフォーマンスするバレエサークルに入っていて、留学先でも同じような活動をするところを探したんだけど、なかなか無かったの。そもそも日本のように大きな学生団体がたくさんあって、それぞれが活動してるなんてことは全然なくて…
ーー プロのように本気でやるか、全く活動がないか、両極端ですね。
わかやん:そう!私はちょうど真ん中を求めていて(笑)やっと探し出したんだけど、バレエだけじゃなくて、演劇とかパフォーマンスであればなんでもオッケーみたいなところだったの。だから、ミーティングで自分がやりたいことを伝えて、最終的に曲選びから編集、振り付け指導、スタジオの確保まで全部自分でして、ひとつの舞台をつくったの。留学生でここまでやった人はいないよって言われた(笑)やっぱり小さい頃からずっと続けてきたことだから、留学中もやりたいなと考えていたから、大変だったけどこういう思い出ができてよかった。
ハプニング連発、留学先での生活
ーー 現地では、どこで暮らしていましたか?
わかやん:私は大学が管理しているアパートみたいな所で暮らしてた。キッチンが共同でその両脇にバスルームが2つあって、それぞれのサイドに2部屋あるっていう4人部屋だったんだけど、反対サイドに住む2人のノルウェー人はスキーチームに属していて、部屋にいないことが多かったから、割と自由に暮らせたよ。あと、もう1人のルームメイトは、フランス人のすごくいい子で、留学が終わってからも一緒にフロリダへ旅行したくらい仲良くなったの。
たかお:俺は国籍が中国なんだけど、日本生まれ日本育ちで、中国語は会話できるけどネイティブレベルではないから、中国語を学ぶために、父親の知り合いの中国人の先生と最初は一緒に住んでたの。半年後その先生が、帰国することになってから色々あって、中国人の女の子が部屋にきたの(笑)
わかやん:でた、その話。
ーー えっ?何があったんですか?
たかお:実は、帰国する先生が別の入居者を紹介してくれたんだけど、その新しくきた人が部屋のニオイが気に入らなくて、別のルームメイトを探してくれることになったの。俺は、その時授業が忙しかったから、代わりの入居者について全然詳しいことを知らなくて。ある日突然1人の女の子が「今日からここで暮らします」ってやってきたの(笑)まあ家賃をちゃんと払ってくれればよかったから、一緒に暮らしたけど、衝撃だった(笑)
ーー そんなことがあったんですね!(笑)他に困ったことはありましたか?
たかお:あったね。日本から荷物を送ってもらった時、日本の郵便局と違って、荷物の配送時に家にいなかったら、そのあと、自分で郵便局まで取りに行かなきゃいけないの。最初、それを知らなかったから、ずーっと待ってて。そしたら、いきなり「荷物を送り返しました。」って連絡が来て(笑)
わかやん:えっそれでどうしたの?
たかお:「今ロサンゼルスにあります」とか言われて、「いやいや、ダメダメ!鍋の素入ってるし!」って感じで、なんとかアリゾナに送り返してもらった。その後も、「絶対にこの日に来てくださいよ!そうしないと日本に送り返すよ。」って怒られたわ。
わかやん:まず郵便局をそんなに信用しちゃダメだよね。他の友達も、トラッキングを使ってて、荷物がもうボルダーに着いてるってなっているのに、ボルダー市内全部の支店に行っても荷物がなくて、未だにその荷物がどこへ行ったかは分からないらしい(笑)
私のアパートは、荷物を預かっておいてくれるオフィスががあった。そこに荷物が届いたら、「あなたの荷物が届きましたよ」って教えてくれて、受け取りにいけばよかったから、その点は楽だったかな。
初の留学経験で学んだこと
ーー わかやんさんはこの留学がほぼ初の海外経験とのことですが、現地での生活は大変でしたか?
わかやん:うん、最初は、英語で話す環境に慣れるのが大変だった。言いたいことが頭に浮かんでも、口がついていかないし、何度も文法を間違えって「うぅ、また間違えた」って辛い時もあった。けど、嫌でも英語を話さなきゃいけない環境だし、友達ができるようになると、自然と上達してきて、「あれ?ちょっと話せるようになってる」って思えるようになって、今ではもう苦手意識はないな。
ーー アメリカで最も印象的だったことは何ですか?
わかやん:アメリカって一つの国でも、すごく広くて、色んな人種の人がいるってことかな。私は、留学中6つの州を巡ったんだけど、行く先々で雰囲気が全く違って。例えば、カリフォルニアのサンディエゴに行った時は、ヒスパニックの人がすごく多くて、スーパーとかでもスペイン語が話されていて、フロリダは全体的に陽気な感じだった。
あと、シアトルとかはアジア系の人がすごく多くて、中国語表記のものもたくさんあった。州によってここまで違うっていうのは、日本だと有り得ないことだよね。Race and Ethnicsの授業も取っていたから、余計に印象的だった。
日本のことをもっと知って、世界に伝えていきたい
ーー 最後に、お二人のこれからの目標であったり、今やってみたいことは何ですか?
たかお:やっぱり、日本やアジアとの違いをすごく感じて、例えば、時間に対する感覚とか…せっかく、日本語、中国語、英語が使えるわけだから、それを活かした仕事をしていきたいなと考えてる。
わかやん:私も、せっかく10ヶ月留学して英語ができるようになったから、この英語力を維持していくのがまず第一で、それからこの英語を使って、実際にたくさんの外国の人と関わっていきたい。日本にいて、日本人と関わりながら英語を使うよりも、やっぱり色んなバックグラウンドを持つ人と話して、新しいものの考え方とか発見があるから、そういう経験を積むことができる仕事についたら面白いかなと思ってる。
たかお:想像以上に、向こうの人は日本のことに興味を持っているから、アメリカに行って逆に思ったのは、もっと日本のことについて勉強しなきゃなということで、日本のことを伝えるってなった時にどうしたら伝えやすいのかを考えなきゃいけない。どうしても日本語だと、曖昧な表現が多いから、意外と難しい。
わかやん:そうそう!日本人なのに、全然日本のことを知らなくて、むしろ周りの外国人の方がよく知ってるってなると、すごく恥ずかしいなっていうことに気付いたから、まず日本のことを知ってから、色んな人に伝えられたら、もっと日本のことを知ってもらえると思うな。
たかお:留学中は時間も限られてたから、結構旅行したんだけど、日本の色んなところも旅行したいなと思った。日本にいると、時間はたくさんあるし、いつか行けばいいやと思っちゃうけど、アメリカよりも小さくて、交通網もしっかりしてるのに日本で行ったことがない所って実はたくさんあって、日本の大学が始まるまで、色んなとこに行ってみたいとも思ってる。
わかやん:確かに!留学で、すごいフットワークが軽くなったから、日本でもその行動力を発揮したい(笑)
まとめ
お二人とも本当に楽しそうに、留学中の話をしていたのが印象的でした。準備期間にも留学中にも、もちろん大変なことやハプニングは多々あるでしょう。しかし、日本に無い個性的な授業を受けることや、海外から客観的に日本を見つめることで、自分の視野を世界にも日本国内にもより広げていくことができるのではないでしょうか。みなさんも、自分を成長させる留学に挑戦してみませんか。
二人が留学した学校
名称 | Arizona State University(アリゾナ州立大学) |
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国・都市 | アメリカ / アリゾナ州 / テンペ |
学校形態 | 大学大学院 |
住所 | 1151 S Forest Ave, Tempe, AZ 85287 アメリカ |
電話番号 | +1 480-965-9011 |
公式サイト | http://www.asu.edu/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/4620/ |
名称 | University of Colorado at Boulder(コロラド大学ボルダー校) |
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国・都市 | アメリカ / コロラド州 / ボルダー |
学校形態 | 大学大学院 |
住所 | 2055 Regent Dr, Boulder, CO 80309 アメリカ |
電話番号 | (303) 492-1411 |
公式サイト | http://www.colorado.edu |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/4303/ |
インタビュアー
向山藍(むこうやまあい)/ 早稲田大学2年 / アブログインターン生
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