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「Trattoria」と「Taverna」の違いとは?レストランで見かける「似ているけれどちょっと違う」イタリア語6選
ここではレストランで見かける一見違いがわかりにくいイタリア語を、筆者の経験なども踏まえながらご紹介します。
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1.「Trattoria」と「Taverna」の違い
辞書で見てみると「Trattoria(トラットリア)」は「大衆向けレストラン」、「Taverna(タヴェルナ)」は「大衆食堂」と訳されており、日本語にしてもいまいちピンときません。
一般には「トラットリア」の方が、少々格が上だと言われていますが、いまや「トラットリア」と「タヴェルナ」、そして「Osteria(オステリア・居酒屋)」はかなり境界線が曖昧です。
ですので、日本でいう「居酒屋」「飲み屋」「バル」などと同じようなものだと思ってOKです。日常生活で、各々の違いをはっきりさせなかったためにトラブルになったことはありませんので、ご安心下さい。
ただ、学食や社食は「食堂」ですが「Taverna」や「Trattoria」ではなく「Mensa(メンツァ)」といいますのでご注意ください。
レストランの種類については イタリアに住む前に覚えておきたい文化の違い〜昼・夜ごはん編〜 もご参照ください。
2.「Tavolo」と「Tavola」の違い
辞書では男性名詞の「Tavolo(ターヴォロ)」は「テーブル」、女性名詞の「Tavola(ターヴォラ)」は「食卓」と書かれています。
どちらも「テーブル」のことですが、一般に、食事にまつわる文脈で登場するときは「Tavola」を使うことが多いと言われていますが、イタリア人の友人曰く「新聞を読んでいいのがTavoloで、だめなのがTavola」とのこと。
ただ、両者の使い分けははっきりと言語化できない部分も大きく、徐々に傾向を掴んでいくしかない気がします。参考までに日常生活でよく使う「Tavolo」と「」のフレーズを挙げておきます。
「Tavolo」と「Tavola」の使用例
Tavoloの使用例1
- Tavolo da ping pong:卓球台
- Tavolo da biliardo:ビリヤード台
食事に関係ない「テーブル・台」は「Tavolo」が使われます。
Tavoloの使用例2
- Tavolo della cucina:キッチン・テーブル
- Tavolo della pranzo:ダイニング・テーブル
- Vorrei prenotare un tavolo per favore?:席を予約したいのですが?
食事にまつわる文脈でも「テーブル」を「家具・モノ」として捉えるときは「Tavolo」が使われます。
Tavolaの使用例1
- Apparecchiare la tavola:食事の準備をする
- Sparecchiare la tavola:食事の片づけをする
- A tavola!:食事の準備が整いましたよ!(ごはんですよ!)
- Servire in tavola:食事をはこぶ
- Andare a tavola:食事につく
- Alzarsi da tavola:食事を終える
- Uva da tavola:食用ブドウ(イタリアではワイン用が9割を超えるため、あえてこのような表現をします)
- Tavola calda:カフェ+簡単な食事ができるような軽食堂
日本語にしたとき「食卓」を「食事」という語に置き換えてもあまり違和感がないものは「Tavola」を使うことが多いです。
Tavolaの使用例2
- Tavola da surf:サーフボード
- Tavola periodica:周期表
食事とは全く関係のないシーンでもTavolaがまれに登場することがあります。
3.「Cucina」「Ricetta」「Piatto」「Pasto」の意味
「Tavolo」「Tavola」以外にも「Cucina」「Ricetta」「Piatto」「Pasto」も、レストランでは本来の意味から派生した使い方をしている場合が多いので混乱しがちですが、一度頭の中を整理しておけば大丈夫。それぞれの本来の訳は以下の通りです。
- Cucina:キッチン・台所
- Ricetta:レシピ
- Piatto:皿
- Pasto:食事
日本の以下の状況と同じようなものとお考えください。
- デリッシュキッチン:料理レシピ動画サイト名
- 農家の台所:レストラン名
- 本日の一皿:おすすめ料理
- 食卓便:食事宅配サービス
肝心なのは、本来の意味を一度しっかり頭に入れておくこと!そうすれば迷わずに済むでしょう。
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4.「Assaggiare」と「Degustazione」と「Gustare」の違い
全て「試食」という意味ですが、それぞれ以下のような場合で使用されます。
Assaggiareの使用例
- Posso assaggiare?:試食できますか?
- Assaggia anche tu!:あなたも味見してみて!
「Assaggiare(アッサッジャーレ)」は「お味見」といったニュアンスで、話し言葉の中で出てくることの多い単語です。
Degustazioneの使用例
- Menu degustazione:お味見メニュー
「Degustazione(ディスグスタツィオーネ)」は「Assaggiare」よりややフォーマルなニュアンスで、書き言葉でよく見られます。例えばジェラート店で「Piccolo(一番小さいカップ)」より、さらにミニサイズが売られている場合などよく見かける言葉です。
Gustareの使用例
- Gustare della carne:肉を味わう
「Gustare(グスターレ)」は「Assaggiare」「Degustazione」よりも、もう少ししっかりと食べるイメージで「一口食べる」というよりは「味わい楽しむ」のようなニュアンスです。
5.「Carta」と「Menu」の違い
「Carta(カルタ)」はワインリスト、「Menu(メヌ)」は食事メニューを指すことが多いです。基本的には何もいわなくても店員に持って来てもらえますが、もしいつまでたっても手元にやってこない場合は「il menu per favore?」と言いましょう。
なお「Carta」は「紙・カード」という意味の為、ワインリストが欲しい場合は「la carta dei vini 」と「ワインリスト」であることをしっかり告げてください。
6.「Coperto」と「Mancia」の違い
「Coperto(コペルト)」が「席代」、「Mancia(マンチャ)」が「チップ」のことです。
コペルトは日本の「お通し」のようなもので、何も言わなくても会計に含まれており、イタリアでは大抵が「≒席に置いてあるパンの代金」となっています。一方「Mancia」はイタリアでは基本的に要求されることはありません。
筆者もアメリカ滞在時は毎回チップを要求され、払っていましたが、イタリアに来てからは払った記憶がありません。アメリカのレストランにおけるチップが、イタリアにおけるコペルトの立ち位置のような気がします。
なお、「Coperto」は「Servizio(サービス料)」と書いてあることもあります。
まとめ
いかがでしたか?実際に暮らし始めるとどんどん辞書で覚えた言葉が独特の魅力や輝きを放って生き生きとしてくるもの。是非滞在中は街へ出て自分の知っている言葉がどのように現地で使われているかたっぷり味わってください。
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