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名門エディンバラ大学の魅力とは?ーーエディンバラ大学の留学経験者にインタビュー

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語学や文化を学ぶために留学しよう、と考えている人は少なくないはず。もちろんそれも1つの考え方。しかし、明確な目標を決めてから留学をすると、もっと濃い留学生活を送れるかもしれません。今回は、自分の研究の資料を求めて留学を決めた方にインタビューしてきました!なんとなく留学しようかな…と考えている方に是非読んでいただきたい内容になっています。

今回の留学経験者インタビューでは、大学3年生の秋から1年間エディンバラ大学での留学を経験された名和宏晃さんにお話を伺いました。高校生の時は、英語が一番の苦手科目だったという名和さん。徐々に英語試験の点数を伸ばし、念願の留学を果たしました。エディンバラの魅力とは何か、留学ではどんなことを経験したのか、名和さん自身のこれからの目標は何かなどを語っていただきました。

歴史ある建物が立ち並ぶ街エディンバラ

ーー エディンバラという街の特徴は何ですか?

東京オリンピックの新国立競技場の設計者である、隈研吾さんが好きな街の1つとしてエディンバラを挙げているのですが、それくらい街並みっていうのがすごく魅力的です。大学ランキングが上位の大学で、こうやって街並みも大学自体も良い大学は限られてきます。実際、エディンバラ大学もそれを売りにしていて、ホームページには"There are a lot of world-class universities, but how many of them are in world-class cities?” (世界中に素晴らしい大学はたくさんあるけれど、素晴らしい街にある大学はどれだけあるんだ)と書いてあって、本当に綺麗で魅力的な街でした。そこで1年間暮らせるのも、エディンバラ大学で学ぶメリットかなと思います。

ただ、雨が多く、風もすごく強くて、時速100kmを超えてやっとニュースになるくらいでした(笑)。普段から台風並みの風が吹くので、冬はかなりキツかったです。冬の時期のテスト期間は、夜がすごい長くて、1人で勉強して外を見てもずっと真っ暗で、すごく孤独でした。

ーー 交通機関は整っていましたか?

うーん、国内を移動するのであればイギリスはだいたい鉄道なんですが、新幹線のような速いものはなくて、エディンバラからロンドンへ行くには5時間半くらいかかります。他の国へ行くときはもちろん、ロンドンなど国内の別の地域に行くときにも飛行機を使っていました。エディンバラからバスで30分くらいのところに飛行場があって、そこからは1時間でロンドンには行けました。

ーー 食事には苦労しましたか?

不味くはないですが、美味しくもないです。食材が少ないっていうこともあるし、現地の人の味付けは日本人にはあまり合わない。結構、スコットランドの人はジャガイモがあればいいっていう感じで(笑)。寮に住んでいた人の話によると、毎日ポテトが出てきて、ただ調理方法がマッシュポテトだったり、フライドポテトだったりと変わるだけだったようです。食事に慣れない人は、それがストレスになって体調を崩す人もいました。

僕は基本的には自炊していました。チャイニーズマーケットに行けば日本食もちょっとは手に入るので、そこで買って食べたりもしました。なので、あまり食事で困ったことはなかったですね。ただ、現地で手に入るお米は日本のものとは違い、粒も小さくて美味しくないので、日本から送ってもらったりしました。もっと日本から持って行けば良かったかなと思います。あと、インスタントの味噌汁はたまに食べると本当に美味しいので、これももっと持って行けば良かったです。

研究環境が整ったエディンバラ大学

ーー なぜ、エディンバラ大学を選ばれたのですか?

単純に言ってしまうと、横浜国立大学と提携している中で最も大学ランキングが高かったのが、エディンバラ大学だったからです。自分の研究分野に関する論文をたくさん読みたかったので。もちろん日本でも図書館や施設を巡れば、論文は読めるんですけれど、時間的にも金銭的にも大変で、全部揃っている大学に行こうと思いました。ランキングが高いことは学術的に評価が高いということで、論文も多く揃っているだろうと予測し、エディンバラ大学を選びました。

日本だったら、図書館に行って本や論文などを探して文献を読みますが、エディンバラ大学では大学のウェブアカウントを使えば、インターネット上から色んな文献にアクセスできます。また、幾つかのイギリスのメディアの有料サイトにも無料でアカウントを作ってアクセスできるようになっていました。

ーー 名和さんは何の研究をしているのですか?

BusinessとMuseologyを融合させた分野を扱っていて、おおまかに言えば、ミュージアムを経営学的見地から分析することを試みています。Museologyは日本だと「博物館学」と呼ばれるもので、その中には「博物館経営論」という分野が存在しますが、僕の研究はより経営学の視点を取り入れようとしている点で異なっています。例えば、日本の美術館の多くは行政からの補助金に頼ってしまっており、その中でやりくりすることに終始しているような状況ですが、ここに経営学のメソッドを採り入れることで、これを打破できないかといったことを考えています。

もちろん博物館とは文化的な施設であるため、商業主義第一に陥るのは本末転倒で、博物館が本来持つべき使命やミッションを果たすことが大前提になります。加えて、博物館が持つ公共性というのは、都市景観のみならず地域アイデンティティにも大きく影響を及ぼしています。したがって、この答えに辿り着くためには、経営経済だけでなく文化政策や美術史、都市理論など領域横断的に学ぶことが不可欠です。しかし逆説的ですが、多様な学問領域の力を借りてもなお簡単に答えが出せないことこそが、この分野を学ぶことの面白さだと感じています。

学問のテーマにMuseologyを選んだのは、もともと美術館が好きっていうのがまず1つ。そして、学問という大きな世界な中で、少しでも存在感を出したいと考え、日本で認知されていないことをやってみたかったのがもう一つの理由です。大学生のうちに学問に取り組むにあたり、1番嫌だったのが卒論でアウトプットをするときに、自分で書いたものが別の本に書かれていたり、ある研究の次元の低いものになってしまうということでした。

なので、残りの数ヶ月で卒論をしっかりと仕上げるのが、今の目標です。大学が始まる10月までに、美術館の館長や似たような研究をしている方など色んな人のお話を聞いて、より知識を増やしていきたいと思っています。

日本語訛りの英語を話すのは恥ずかしくない

ーー 授業はどんな感じでしたか?

1、2年生が受ける授業は、100人以上の学生全員が一斉に受ける授業に加えて、チュートリアルという10人くらいの小さいグループとチューターの先生1人とでディスカッションをやるものが多いです。専門化が進んだ3、4年生の授業は扱う内容も狭くなるので、その分人数も20人くらいと少なくなり、チュートリアルのクラスはほとんど無くなります。

全体的に、授業のレベルも日本よりも高く感じました。僕は、大人数の授業と専門的な授業、どちらも2つずつ取りました。専門的なものは、経営学と美術史建築史に関する授業を取っていました。

ーー スコットランドの英語は難しいイメージなのですが、授業は理解できましたか?

最初、スコットランドの大学に行くとなった時に、やはりスコティッシュイングリッシュというか訛りがあるという点を心配していました。大学に通っている学生のうち、約35%が留学生と言われていて、大学内では、むしろ留学生の方が地元の学生よりも出くわすことが多かったです。例えば、プレゼンのグルームメンバーは、ブラジル人、ドイツ人、オランダ人、中国人、アメリカ人と本当に留学生が多かったです。想像以上に英語は分かりやすく、大学内にいる分には、大きなトラブルはありませんでした。

実は、高校で英語は一番の苦手科目で、大学へ行ってから伸ばしました。英語でコミュニケーションを取ることは今でも正直自信はないですが、留学生が多い大学だったこともあり、日本語訛りの英語を話すこともそこまでは恥ずかしくはありませんでしたし、あまり問題はなかったと思います。

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フラットメイトと相性が悪かった寮生活

ーー 大学の寮はどのようなものでしたか?

キッチン付きの個人部屋と、キッチンだけ共用の2通りがありました。最初の寮は後者のキッチン共有タイプだったのですが、実は、フラットメイトのアメリカ人女性が、木曜の夜から金曜朝4時くらいまでクラブ並みに音楽を流し続けるなど、うるさくて大変でした。僕は金曜に1限もあり、この人たちとはもう暮らせないと思い、キッチン付きの個人部屋であるstudioっていうタイプに引っ越しました。

フラットメイトは完全に運なので、良いフラットメイトに恵まれたら、スピーキングの機会も増えるだろうし、すごく良いと思います。ただ、一部共同生活なので、冷蔵庫を6人で共用するなど、ルールがちゃんとないと大変です。その点、1人の方は気楽だし、友達を自由に呼ぶこともできたので良かったです。

ーー 部活のようなものはありましたか?

Societyという、サークルよりも緩い感じの集まりで、定期的な活動がないものが多くありました。僕が入っていた「Japanese Society」は大学内でも規模が最も大きいですが、主な活動は週一回、夜にパブへ行ってお酒を飲むっていうだけでした。不定期で、新歓イベントやお月見、こどもの日などに合わせて何か企画をやるっていうだけで、がっつり活動があるわけではありませんでした。また、日本人以外の人や、日本について全く知らない人も参加できるような感じでした。

日本のサークルと比較すると、Societyの中には社会貢献の色合いを強く出しているものが多くある印象です。 政治的や経済的な話題でディスカッションをするSocietyもあれば、投資クラブのようなものもありました。一番印象的だったSocietyは「LGBT(性的マイノリティー)」の人たちが集まり、他のグループと対等に活動していくというものでした。イギリスの入試では、高校での社会的活動なども採点基準としてあるので、それがそのまま大学生になっても引き継がれていて、社会貢献などに興味がある学生が多いのだと思います。

留学を考える方へのメッセージ

ーー 最後に、これから留学を考えているかたへ何かメッセージをお願いします。

エディンバラに限らず、留学のテーマとして考えるときに、語学を学ぶために留学したい人が多くいますが、そのために1年間留学に行くなら、日本でもできることはあるだろうし、もっとコスパが良い方法もあると思います。留学に行くには色々とお金もかかるし、語学のためだけに留学するのはとても勿体無い気がします。

ただ漠然と留学することを目的とせずに「この大学で、これをしたい!」というものを持って、留学するべきだと思います。留学は日本人という存在が、ある種特異なものとして見られるような環境に身を置き、自分たちがどのように思われているのかを知る機会であり、海外で一人暮らしをするだけでも貴重な経験だと思います。

留学前や留学中に、自分が留学する意味や多くの可能性についてを考えるべきだと思います。

まとめ

明確な研究目標を持ち、留学に挑んだ名和さんのお話、いかかでしたか?せっかく、貴重な時間とお金をかけて挑戦する留学。しっかりとした目標設定をしてから、留学先を決め、現地でも勉学に励むことで、かけがえのない経験をすることができるのではないでしょうか。

今回紹介したエディンバラ大学の口コミ

名称 University of Edinburgh(エディンバラ大学)
国・都市 イギリス  / スコットランド  / エディンバラ
学校形態 大学 大学院
住所 Old College, South Bridge, Newington, Edinburgh EH8 9YL イギリス
電話番号 +44 131 650 1000
公式サイト http://www.ed.ac.uk/home
口コミサイト https://ablogg.jp/school/2415/

インタビュアー

向山藍(むこうやまあい) / 早稲田大学2年 / アブログインターン生

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