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北米留学では避けられないTOEFL!私が実際にやったTOEFL対策・勉強法
私は大学2年次からTOEFLを受験し、留学の準備をはじめました。TOEFLは問題量が多く、日本で受けていた英語の模試とはまったく性質の違うテストです。今回は私が実際に行ったテスト対策をまとめました。
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一口に「TOEFL対策」といっても、意味が幅広いです。そこで、英文法、単語力、長文読解、発音・会話、聞き取りに分けて説明をしていきます。
英文法
私のようなおじさん世代にとって、英語と言ったら、英文法ではないでしょうか。思い返しても英語の授業と言ったら英文法ばかり。発音や聞き取りなどの要素はほとんどありませんでした。言い換えれば、英文法は日本で最も学びやすい英語の要素でもあるはずです。
◆問題集は集中して一気にやる
私は外国書籍の置いてある都心の大きな書店に行き、米国で発行されている英語のTOEFL問題集を買い、地道に大学の授業の合間などにやっていました。ポイントは一日1ページというように、ゆっくり確実にではなく、一気に集中して大量にやっていく姿勢です。
私は幸いなことに大学の事務所でバイトをしていたので通勤時間が節約出来ました。授業のない日も大学に行き、問題集を解いた後、バイトに向かうなど色々工夫をしておりました。どうしても自宅にいると遊んでしまいますから。
◆お勧めの書籍
ここで紹介しておきたい本があります。実に12か国語を操るピーター・フランクル著の「
ピーター流外国語習得術(岩波ジュニア新書)
」という本です。
彼も語学習得のコツに短期集中を挙げており、私も賛成です。子供向けに書かれた本ですが、語学を学ぶ大人にとっても有益な一冊だと思います。
単語力
単語に関してですが、よく単語カードに英単語をひとつ書き、裏に訳語を書いて憶えようとしている人がいますが、あまりお勧めはできません。なぜなら、「英単語イコール日本語の訳語」ではないからです。どういうことでしょうか。試しに、”Book”という単語を例に取りましょう。
◆Bookとはどういった意味でしょうか?
即座に「本」と答えた方は、まあ間違いではありません。でも、Bookを辞書で引くと様々な意味があります。経理でBookというと、総勘定元帳のことをいいますし、Bookにはなんと動詞用法もあり「予約する」という意味にもなります。
「Book=本」と憶えようとしている方は、他の大切な意味を見逃していることになります。同様に”Last”も「最後の」という形容詞だけでなく、「続く」という動詞にもなり得ます。
だからこそ、英語を学ぶ際に、英語辞書にできるだけ切り替えていくことが必要なのです。英単語を学ぶ際に英語辞書を引き、その意味を学ぶ。地味な作業ですが、意外と意味が広いことに驚かれるはずです。
◆日本語で正確に訳せない単語もある
私のように英語圏で長く生活をしていると、日本語でなんと訳していいか困る単語もちょくちょくお目にかかります。
例えば”deserve”。
英語辞書を引くと「to be worthy of」と出てていますが、この間、私の米国人の友人が付き合いたくないのにしつこくデートに誘ってくる男に、”You should find a girl who deserves you”といったそうです。
日本語に訳すと、自分を受け入れてくれる女の子を見つけなさいぐらいで、うまい訳が見つかりません。でも、日常生活ではいちいち英語を日本語に訳していないので(訳していたら反応が遅れる)、うまい訳語が見つからなくても問題にはならないのです。
◆お勧めの辞書
英語は英語で理解するようになるためにも、英英辞書を使いこなすのが第一歩でしょう。私は勉強の際には電子辞書をお勧めしません、書き込みのできる昔ながらの分厚い辞書をお勧めします。
お勧めの英英辞書は、 Longman Dictionary です。留学時代の私の辞書は3つに分割されましたので、新しい版が出るたびに買い直しています。
長文読解
TOEFLの長文は本当に長いです。20年前の当時の英語の模試、英検と比較してもTOEFLの長文読解は万里の長城のごとく長く、初めてTOEFLを受験した際、読解を終えることができませんでした。
私の高校時代、英文はすべて日本文に訳してノートに書き出すことが求められましたが、これは愚の骨頂です。なぜなら英語を完全に日本語に訳すことは不可能だからです。
◆長文読解に必須のスキル「Scanning」
英文の長文を読みこなしていく際、すべての英文を日本語に訳し、ノートに書き出していく作業は避けてください。要は「重要なところだけ抽出して理解する」技術が大切です。
長文読解に、絶対に必要な技術に”Scanning”があります。
Scanningとは、必要な箇所だけ拾い読みをする技術でして、日本語の新聞を読む際など、日本人だったら皆多かれ少なかれやっている作業です。ただし英語でやるのは非常に難しい。英文に読み慣れていないと頭に入ってこないですから。
そこで英文に慣れるために、私は英文のNewsweekを毎週定期購読していました。生協の学生割引で定期購読をすると書店で一冊ずつ買うよりはるかに安く購入でき、なおかつ良質な英文のテキストが毎週送られてくるという理想の教材でありました。
◆日本語とは文章構造が違う
英語の文章構造の違いにも注目が必要です。日本語では文章を書く際、「起承転結」で書くと理想と言われますが、英語では実は結びに当たる結論が、文章のはじめに来ます。
英語の文章を読む際、タイトルに注目し、その文章がどういった内容であるかに当たりをつけ、まず全体の文章を眺め、段落がいくつあるか、どの程度の長さであるかを把握、最初の段落を注意深く読み、著者がどういったことを言いたいのか、結論を先に把握することが大切です。
あとに来るのは結論の意味付け、ならびに説明なのでそこは流し読みし、自分の頭のなかで説明の肉付けをしていき、問題を解いていくという要領の良さが必要になってきます。
◆基本は語彙力と文法力
今、上記のように簡単に書きましたが、実際にやってみるとScanningに必要な英単語の理解、文法力などのなさに痛感されることでしょう。私はNewsweekを読んでいる際、憶えておきたい単語、表現があると、ノートにまとめておりました。
単語もその英単語だけを書くのではなく、一文まるごと書いておりました。単語だけを覚えていてもどう、どう使うのか分からなかったら意味がないからです。地味な作業ですが、根気が必要です。
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発音・会話
これに関しては実はじくじたる思いがあります。
私のような90年代に大学生だった世代は、あまり英語教育において会話が重視されておりませんでした。当時のTOEFLも紙のテストでして、現在のようにコンピューターで発音を採点されることもありませんでした。
◆音声学のプロに指導を
その分アメリカに来てから苦労したことも事実です。発音に関してはお金を払ってでも音声学のプロに発音の基礎を学んでおいたほうがいいと思います。
音声学とは音声に関して研究する言語学の一分野でして、実はそれだけで非常に奥が深いジャンルです。多くの方は発音イコール音だと思っていらっしゃるかもしれませんが、発音で大切な鍵は、実は「舌」の動きです。
日本人がよく混同する”L”と”R”の違いも、舌の動きによって、比較的容易に発音できるようになります。英語習得の早い時期から発音の基礎を体に自然に馴染ませておけば良かったと今では後悔しています。
◆Shadowingで練習
発音を向上させる方法の一つに、’Shadowing”がございます。テレビや映画などを見ている際に登場人物に合わせて英語を喋っていく方法です。
私はシンドラーのリスト、Back to the Futureなど自分の好きな映画を観ながら、登場人物になりきり、何度も繰り返して練習をしておりました。
聞き取り
これも私がアメリカに来て苦労した点のひとつです。
アメリカに来てみると多くの学生が話す英語が異常に速く、音速で飛び交うように聞こえるでしょう。自分の知っている単語力、英語表現も聞き取りに関係してきます。なぜなら、知らない単語は基本的に聞き取れないからです。
◆聞き取れない単語はメモ
毎日の生活の中でメモ帳を持ち歩き、聞き取れなかった単語、耳慣れない表現を友人に教えてもらい、後で辞書を引き、自分の英語力を強化するしかありません。
日常の生活では、皆が必ずしもアナウンサーのようにはっきりとわかりやすく話してくれるのではなく、べらんめえ口調もありますから、よりハードルは高くなります。
またよく、「アメリカ英語」、「イギリス英語」と区分される方もいらっしゃいますが、言語学ではアメリカ英語、イギリス英語の定義はございません。アメリカに長く暮らしていると、同じ「アメリカ人」でも、人によって様々な英語を話していることに気づかれるはずです。
その方の育った環境、受けた教育、性格、価値観などによって非常にバラエティに富むのが現実です。日本にいる際、このバラエティに完全に対処することは不可能です。
◆日本では日本で出来ることを
日本にいる間は、英語教材のCDなどを何度も聞き取る。Shadowingをこなしながら、映画を英語で聞き取る。英会話サークルに参加するなどが現実的な対処になってくるでしょう。
総括
こうやって書き出しましたが、非常に習得すべきことが多いと思います。でも、上記に挙げた音声学や発音の知識があると、アメリカでの日常生活において有利に生活を進めることができるようになります。
◆会話のコンテキストから把握
私は趣味で”Improvisation”と呼ばれる即興コントをやっているのですが、以前、仲間内で私が右左に飛び交う英語をどうやって頭の中で処理をしているのか話題になりました。
※即興コントをやり始めた理由については「 日本人がアメリカで漫才?同僚に「私の英語のせい」で仕事ができないと言われた日 」の記事にて紹介しています。
実を言いますと、私はImprovisationをやっていても、内容すべてを理解してやってはいません。アメリカ人の友人たちが子供の頃の観ていた私の知らないテレビ番組がトピックだったり、何かの拍子に何をいったのか聞き取れないことも多いからです。
極端な話、前置詞や関係代名詞が聞き取れなくても、主語と述語が聞き取れれば大体の内容の予想はつきます。また、Yesterdayなどの単語がつけばたいてい過去形、Tomorrowがつけば未来形、こういった基礎的な単語はまず聞き取れますから大きな理解の助けになります。
コンテキストからの予測も大切です。
◆英語を「聞く」だけでなく「見る」
またひとつひとつの単語ですが、話者の口の動きを読み取ることで、聞き取りの一助にすることも可能です。日本人は一般的にLとRの音を聞き取ること苦手としています。でも、Lを発音する際は、舌が前歯の下にでてくるので、「あ、今のLサウンドだな」と予測がつくのです。(代わりにRは下を口に中に押しこむ感じになるので舌は外から見えない)
だからこそ、皆が舞台をやっている際、私は前の方に出て演者の口の動きを見たがるわけでして、それで皆が前に出たがる私の理由を理解しました。試しに、皆が口を手で隠して一度Improvisationをやったのですが、いつもより更にハードルが高くなり私は大苦戦。英語を「聞く」だけではなく、「見ている」と仲間に評されました。
最後に
TOEFL対策で培った技術は長い留学生活で役に立つ技術です。面倒臭がらず、習得に専念されてください。きっと留学してから、「習得しておいてよかったな!」と思うはずですよ!
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