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カナダ英語とアメリカ英語の4つの違い

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同じ北米に属するカナダとアメリカ。両国ともに英語が公の言葉として話されていますが、それぞれ話す英語が微妙に違います。一体、どのような点が違うのでしょうか。カナダ在歴13年の筆者がカナダ英語をアメリカ英語と比較しながらご紹介したいと思います。

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アメリカ英語とは?

一般に言う「アメリカ英語」とは主にアメリカ合衆国を中心に話されている英語のことを指します。現在では日本の学校の授業や英語の教材でも多く使われていますが、そこで耳にするものは、英語の中でも「標準語(Standard AmericanまたはGeneral American)」とされるもので、アメリカの中でも北東部のものがベースになっている英語だと言われています。

このアメリカ英語の特徴として、「hot」や「not」の母音(「o」に当たる部分)を発音する際は「ア」と発音したり、「r」の音は舌の先を少し巻くような音を出したりすることが特徴です。

また、アメリカの中でも、地域によっていわゆる「方言」があり、住む場所によって微妙に発音が異なったりすることもあります。有名なものでは、ニューヨークやカリフォルニア、テキサスなどに特異な発音があることが知られています。

この他にも人種や文化的背景、社会的地位や性別などによって、話し方や発音が微妙に変わることもあります。(例:アメリカ黒人英語、イタリアンアメリカン英語(通称 Gino English)、上流階級英語など)

一口に、アメリカ英語と言っても、これだけの差異があるわけですが、ここでは便宜上「標準アメリカ英語」をアメリカ英語と表すことにします。

カナダ英語とは?

アメリカ英語の定義と同じように、こちらも、主にカナダで話される英語を「カナダ英語」と言います。

カナダ英語もアメリカ英語同様に地域や文化的背景によって差異はありますが、アメリカに比べて差異の種類が少ないと言われています。そのため、カナダ全土の多くの国民(主に西部〜ケベック周辺まで)が「標準」的なカナダ英語を話すとされています。

地域差としては、特にマリタイムと呼ばれる東海岸の英語が特異なものとして有名です。この記事では、同じく便宜上「標準カナダ英語」をカナダ英語とすることにします。

では、同じ北米英語でも、カナダの英語は、アメリカ英語と、どこが違うのでしょうか?主な違いをいくつか挙げてみました。

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アメリカ英語とカナダ英語の違い

1.スペルはイギリス英語と同じ

音ではなく、目にする違いの一つとして、カナダ英語のスペルはイギリス英語とほぼ同じになっています。

例えば、アメリカ英語で「color」と綴るものをカナダでは「colour」、「check」を「cheque」、「center」を「centre」、「offense」を「offence」、「counselor」を「counsellor」などと綴ります。

これは、カナダがイギリス連邦(the Commonwealth)の一加盟国であることが影響していると言えるでしょう。ちなみに、イギリスの女王(現エリザベス2世)は、カナダの女王でもあり、カナダ国硬貨の裏にも刻まれています。

その一方で、「realize」や「organize」などの語尾が 「〜ize」で終わる動詞は、イギリスのように「〜ise」とせず、アメリカ英語と同じという特徴があります。カナダへ留学した際、カナダ英語に影響されてカナダ式スペルにするのは良いことですが、アメリカ式スペルとカナダ式スペルを混ぜないように注意しましょう。

2.発音が微妙に違う

地域によって、一番差異が出るのが発音ですが、カナダ英語もアメリカ英語とは違う音がたくさんあります。 

 

「z」の音

1つ目は、「z」の音。アメリカ英語では、「z」は 「ジー(zii)」 と発音しますが、カナダでは 「ゼッド」と発音します。実は「ジー」と発音するのはアメリカのみだそうで、他地域ではイギリス英語にならって 「ゼッド」と発音するのが一般的だそうです。これなら、スペルを述べるときに「z (zii)」と「g (jii)」の言い間違いが少なくなって助かります。

「o」の音

2つ目は、「hot」や「not」などに代表される「o」の部分の音。アメリカ英語では、「ア」の音を口を横に大きく広げて発音しますが、カナダ英語ではもう少し口をすぼめるため、日本語の「オ」に近い音に聞こえます。例えば、ウェブサイトのドメインで「.com」という語尾がありますが、これをアメリカ人は「ダッカーム」と発音するのに対し、カナダ人は「ダッコム」と発音するという違いがあります。(ただし、イギリス英語ほど口を縦に開きません。)

また、これは筆者がレストランで働いていたときの話ですが、アイオワ出身のアメリカ人同僚がお客さんにビールの種類を尋ねるために「A bottle or pitcher?(瓶ですか?ピッチャーですか?)」と言ったところ、お客さんがポカンとしてしまい、慌てて「bottle」の発音をカナダ流に言い直すということがありました。

おそらく、カナダ人のお客の耳には「A battle or pitcher?(バトル/戦いですか?ピッチャーですか?)」と聞こえ、一瞬、戸惑われたのでしょう。アメリカ人ですら違いに敏感になる音だったようです。

「æ」の音

3つ目は、「æ」の音です。アメリカ英語習得時に誰もが一度は苦労するであろうこの音ですが、カナダではどちらかというと、単語によって「エ(ɛまたはe)」や「ア」に近い発音になっていることが多いです。一般的にカナダ人はアメリカ人よりもこの母音を短めに発音することが多いため、そのように聞こえるようです。例えば、アメリカでは「apple」を「ェアポゥ」と発音したりしますが、カナダでは単純に「アポゥ」となることが多いです。

また「bag」をアメリカでは「ベァッグ」となるところをカナダでは「ベーッグ」に近い形で聞こえたりします。もちろん、地域差や個人差はありますが、筆者の住むトロントでは圧倒的に「エ」か「ア」に近い短めの発音が主流です。

これまたレストラン勤務時代のエピソードですが、ボストン出身の同僚がサラダ(salad)を「セェァラァッド」と発音していたことでトロント出身の同僚全員から「聞き取りにくい」と苦情の嵐が起こるということがありました。それはそれで可哀想でした・・・。 

これらの他にも、「either(イーザー)」や「neither(ニーザー)」を「アイザー」「ナイザー」と発音したり、「genuine(ジェニュイン)」を「ジェニュワイン」、「about(アバウト)」を「アブゥト」と発音するなど、さまざまな違いがあります。

3.カナダ特有の言葉がある

土地が違えば、文化が違います。文化が違うと、どうしてもその地域特有の言葉や表現が発生するもので、カナダにはアメリカでは使わないユニークな言葉がたくさんあります。ここでは、その代表的なものをいくつか紹介します。

washroom

トイレのこと。「bathroom」も使いますが、こちらはシャワーとトイレが一式になっているものを指すことが多いです。

eh?

カナダ特有のスラングで、英語で同意や確認などを促すときに使われる「tag question」の一つです。日本語でいう所の「〜だよね?」「〜だね。」などに相当します。

例えば「It’s hot today, eh? (今日、暑いよね。)」や「Thanks again, eh? (またまたどうもありがとね。)」という風に使います。日本語の「〜だね」の「ね」とほぼ同じ感覚で使えるので、大変便利です。

toonie

カナダ国硬貨である2ドルコインのこと。かつては、あのチキンで有名なケンタッキー・フライド・チキン(カナダ社)が、「Toonie Tuesday」という名で、チキン2ピース+ポテトセットを2ドルちょっとで売り出していたこともありました。(残念ながら今はもう行われていません・・・)

loonie

カナダ国硬貨である1ドルコインのこと。硬貨の裏に刻まれているloon(アビ科の鳥)にちなんで、こう呼ばれています。

pop

炭酸飲料などソフトドリンクのこと。アメリカでは一般に「soda」と言いますが「pop」と言う地域も一部あるそうです。ちなみに「soda water」は、クラブなどでカクテルを作るときに使う炭酸水のことを指します。

serviette

食事に使うナプキンのこと。フランス語から取り入れられた語です。カナダの公用語は英語だけでなくフランス語も認められているので、イギリス英語だけでなく、フランス語の影響も色濃く発音や語彙に残っています。

toque/tuque

冬に頭からスッポリとかぶり、頭のラインが丸く出るようなニット帽のこと。「トゥーク (tuuk)」と発音します。イメージとしては、銀号強盗がよくかぶっているような黒いニット帽のようなものです。

double double

コーヒーに入れるミルク2つ、砂糖2つのこと。カナダ発の人気コーヒーチェーン店「Tim Horton’s」でコーヒーを頼む際に、圧倒的にこの注文をする人が多いため「Tim Horton’s でコーヒーを頼むときの定番」になり、そこから、カナダ英語へと定着してしまったそうです。これをカナダ英語と呼ぶべきなのか、筆者はちょっと疑問に感じますが…。

Open/close the light

「Turn on/off the light」のこと。つまり、電気をつける (open)、消す (close) という意味です。ヨーロッパ移民が自国語を英語に直訳して生まれた表現だと言われており、特にケベック方面でよく使われているそうですが、今では他地域でも定着しつつあるようです。

ちなみに筆者のオンタリオ出身カナダ人パートナーはこの表現を当たり前のごとく使っていますが、一度、「それを言うなら、turn on/offでしょ?」と指摘してみたら、「違う!Close/open だ!」と言って聞きませんでした。

4.「kg、km」表記と「pound、miles」表記を両方使う

アメリカでは、重さは 「ounce (oz):オンス」や「pound (lb):ポンド」、身長や距離は 「foot (ft):フット/フィート」や「miles (mi):マイル」などを使用しますが、カナダではこれらのアメリカで使用される単位と並行して、日本でも使用している「kg(キログラム)」や「km(キロメートル)」などのメトリック単位も使用します。

例えば、食料品スーパーの量り売りではkgとlbが、缶ジュースにはmlとozが両方記載されています。ところが、庶民の多くは食料品はlbで計算して買い物をします。広告などを見て会話をするときも、kgではなくlbを単位にして話をします。

一方、車のガソリンのメーターはkm表示で、ガソリンを買うときも「ℓ(リットル)」単位で会話をします。天気予報の温度は「℃(摂氏)」ですが、料理をするときは「℉(華氏)」で説明されていたりします。そして、自分の身長と体重はフィートでもcmでも、ポンドでもkgでも両方言えたりします。しかし、年配の方になるにつれ、アメリカ単位の方が馴染みが深いようです。

なぜ、このようなことになったのかというと、カナダの法律改正が関係しています。1970年代までは、カナダも公式にアメリカ同様の単位を使用していたそうですが、70年代に入って当時の首相ピエール・トルドー氏(現カナダ首相ジャスティン・トルドー氏の父)によって、法的にメトリック表記に切り替えられました。

そのため、食品のパッケージなどの販売物や政府関連の書類などには、メトリック表記で示すことが義務付けられましたが、カナダ国民からは不慣れな単位への反発も多く、またアメリカとの貿易などを通じた親密な関係もあって、慣習的に馴染みのあるアメリカ単位とメトリック表記の両方を混ぜて使用することになったそうです。

単位の違いは、その国に住んで慣れるしかないだけに厄介なものですが、事前に勉強して知識を持っておくと、カナダの生活でも困ることが少なくなります。

最後に

いかがでしたか?以上は、筆者の持つ知識と十数年の生活経験から、特に目立つものをピックアップしてご紹介してみました。ここに紹介した以外にも、きっと違いはたくさんあることだと思います。それは、カナダに留学・滞在してから自分で発見するお楽しみに取っておくのもいいのではないでしょうか。

参考文献

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