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外国人でも保険の加入が義務?ドイツの保険事情

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ドイツだけではなく、実際に海外に行くことになると、まず旅行保険を購入するのは一般的ですが、海外で長期滞在になると、やはり現地の医療保険に加入しなければなりません。ここではドイツの医療保険について、ドイツの医療保険に関する概要や公立医療保険と私立医療保険の違い、保険の選び方、解約方法などについてご紹介します。

ドイツでは長期滞在の外国人も医療保険の加入が義務

ドイツの法律では、滞在目的を問わずドイツに住む外国人に対し、ドイツの医療保険に加入することが義務付けられています。

筆者の知り合いで、ドイツに留学中の日本人学生が、経済的な理由から日本で購入した旅行保険だけで一年弱の留学生活を送った人がいましたが、これは法律違反や大学の規則違反になってしまうので、決しておすすめできません。

では、ドイツの医療保険とは、どのようなものでしょうか。

公立医療保険と私立医療保険

ドイツの保険には2種類あり、公立医療保険(Gesetzliche Krankenversicherung)と私立医療保険(Private Krankenversicherung)に分かれています。

公立医療保険(Gesetzliche Krankenversicherung)

公立医療保険(Gesetzliche Krankenversicherung)とは、通常、ドイツで仕事があり、かつ一定の収入を持つ人やドイツの公立大学において正式の学籍を保有する人を対象にした保険です。

また、ドイツの公立大学で正式に学籍を保有する外国籍の学生には、公立保険の加入が義務付けられています。

保険の料金は収入や身分によって異なります。学生保険の料金は安く、毎月90ユーロ(約1万円)ほどです。それに対して、労働者が加入する保険はやや高く、毎月300ユーロ(約3万6千円)ほどという相場になっています。

一番大きい公立保険会社としては、 AOK 及び DAK というふたつの会社が挙げられます。2つの間に保険料金もカバー範囲などのサービスもさほど変わりがありません。

筆者の経験から言えば、AOKのほうが事務所が多く設置されており、大学の近辺やキャンパス構内でも設置するところが多いので、用事などがある場合は、比較的に済ませやすいかもしれません。

また、公立医療保険に加入すると、医療費用はほぼ100%カバーできます(歯医者以外)。

ちなみに、患者は病院に行くときは、保険証だけ提示すれば費用は保険会社から病院へ直接支払われるので、ドイツのクリニックなどでは受け付けのみが設置されており、会計というのはないです。

私立医療保険(Private Krankenversicherung)

私立医療保険(Private Krankenversicherung)とは、公立医療保険で決められている収入範囲以外の人を対象とするものです。公立医療保険に加入する収入範囲としては、大体は月収1000ユーロから9000ユーロ(およそ12万円から100万円ほど)というラインが決められています。

私立医療保険に加入する人というのは、かなり極端に分かれています。低収入の人(月収1000ユーロ、約12万円以下)、あるいは語学学生など、正式に大学に学籍を置いていない学生から、高収入(月収9000ユーロ、約100万円以上)の人も加入するのです。

なぜ、このような差があるのでしょうか。私立医療保険では、数多くのランクに分かれています。保険料金もサービスもそれに応じて変化します。例えばファーストクラスの保険を持つ人は、病院と時間帯を問わず、待ち時間もなしで、一番優先で最も良いサービスで医者に診てもらうことができます。

また、ドイツではファーストクラスの私立医療保険を持つ人のみが通えるクリニックもあり、その医療サービスも最高だと言われています。高収入の人がわざわざ私立医療保険に加入するのは、高い料金を支払って最高の医療サービスを受けるのが目的です。

その一方、ベーシッククラス、つまり低収入や学生を対象とするランクでは、確かに料金はかなり安く、毎月約30ユーロ(約3600円)になりますが、カバー範囲もかなり狭くなります。

ベーシッククラスに関しては、公立医療保険のように保険会社から病院側が直接医療費を支払うものではなく、患者を通じて支払うことになります。つまり、病気を診てもらってから、まず自分で全額を支払い、その後、明細書および領収書を保険会社に送り、カバーする部分の費用のみ加入者に戻されるという、非常に複雑なシステムになっています。さらに、保障のカバー範囲は狭くなるので、必ず全額で戻せるとは限りません。

低収入の方や正式に大学に学籍を置いていない学生には、残念ながら、私立医療保険に加入する一択となっています。しかし、高収入の人には、私立か公立保険は自由で選ぶことができます。

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保険の選び方

それでは、実際にドイツに行くことになれば、どの保険に加入すればいいでしょうか。

まず、自分の渡航目的を確認しておきましょう。通常、交換留学などの場合、特に日独の大学間で提携してあるプログラムを通じる留学であれば、ドイツ側の大学で、正式学生として学籍登録することができます。

むしろ、大学で学籍を登録するのに、保険加入証明書も必要書類のひとつです。住民登録証明書、大学が出した入学証明書とパスポートを持参すれば、スムーズに加入することができます。

もし、保険料金を毎月自動的に口座から引き落としにしたい場合、加入後でも、口座番号などを保険会社側に送れば、手続きを済ますことができます。

もし、語学留学を目的に渡独する場合、まず私立保険に加入することをおすすめします。そのほかにも、ワーキングホリデーや仕事を目的にドイツで生活する場合、それは収入を持つ滞在となるので、予め労働契約などから自分の月収を確認してみましょう。自分の月収に応じて、私立保険か公立保険を選択しましょう。

しかし、私立医療保険を使えば、医療料金は全額が戻れず、きっと不安になるでしょう。実は、私立医療保険では、ベーシッククラスとファーストクラス以外にも、いろいろなランクが設けられています。その分カバー範囲も大きくなります。

もし私立医療保険に加入することとなれば、まずカバー範囲を確認して、適度の範囲のものに加入するのがおすすめです。

 

保険の解約

楽しいドイツ生活が終わり、日本へ帰国となる場合、もちろん保険の解除は必要です。

公立医療保険の場合、基本的に無期限の加入になるので、解約手続きはやや複雑です。住民登録の解除証明や帰国の航空券の予約、または自分の滞在許可などを持参し、事務所まで行き、自分はこれからドイツを離れ、もう長期滞在は完全に終わるということを説明したうえで、やっと解約できます。

私立医療保険の場合、購入する際には期限が決められているので、むしろ、滞在期間に合わせて保険を購入することをおすすめします。そうすれば、解約などの面倒な手続きをせずに帰国できます。

まとめ

いかがでしたか?医療保険の加入はドイツで非常に重要なことです。大学生には保険の加入は義務付けられているように、ドイツで滞在許可(ビザ)の申請の際も、ドイツの保険の加入は必要です。

たまたま大学や外人局の審査が緩いため、日本で購入した旅行保険だけで学籍登録とビザの延長申請はできてしまうパターンもあるみたいですが、万が一調査が入った場合、非常に面倒なことになりますので、現地のルールに従って、安心でかつ楽しく海外生活を送りましょう。

(本文で挙げられている費用に関する情報及びルールに関しては、2018年2月現在のものです)

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