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任期まであと1年。フランスのオランド大統領が実行した政策と評価
筆者がリヨンで結婚したときに、役所で慣習のセレモニーがあったのですが、フランソワ・オランド大統領の大きな笑顔の顔写真がある部屋でした。人に優しい党のオランド大統領に変わって、10年ビザまでいただき、筆者は手続き的に少し楽だったので感謝してますが、次の政権はオランド大統領の左翼党(社会党)に軍配があがるかどうか、かなり厳しい所です。そんなオランド大統領が実行した政策と評価はどんなものだったのでしょうか?
大臣の辞任や更迭が相次いだオランド内閣
オランド大統領が就任中、次々と内閣の大臣が辞任したり、更迭しなければならないこともあって、人選の悪さが目立ちました。最近ではフランスの民間のいくつかのテレビに大統領が自ら出演して話題になっています。フランスの大統領としては、かなり珍しいことなのだそうで、大統領の会議室など普段見られない部屋がテレビで公開されました。
オランド大統領が変えた「同姓結婚」の法案
筆者がフランスに住み始めたとき、街中は「同姓結婚」の法案改革で大騒ぎでした。同性愛の人たちには、この法案がなかった方が静かで良かったという人もいて、改革されたのが良かったかどうか微妙な法案です。ちなみに、フランスで第一号の同姓結婚をしたカップルは、すでに離婚してしまいました。
裕福な人の税金を上げたけれど?
裕福な人の税金を上げる改革をしましたが、裕福な人が国内に脱出するケースが続き、改革の意味があまりあったとは言えませんでした。
オランド大統領のスキャンダル
フランスの政治家は、プライベートのスキャンダル問題があっても、途中で辞任しないところがすごいと思います。
オランド大統領の任期の真ん中で、政治活動を通して知り合った女優「ジュリー・ガイエ」にお忍びで会うために、原付バイクで出かけたというスキャンダルがありました。この女優は、日本では「トリコロール/青の愛」の映画に出ていた女優として有名です。
大統領が原付バイクを使ったというのが、かなり大統領らしくなく、しかも二股愛だったため、ブラックジョークでフランス国内はもちきりでした。
オランド大統領は、ジュリーとの愛が発覚して、それまでパートナーだったヴァレリー・トリエルヴェレールが激怒し泥沼の末、別れました。忙しい大統領の任期中の事件というのが、かなりの驚きです。しかも、以前結婚して4人の子供がいて離婚した元妻のセゴレーヌ・ロワイヤルを、自分の内閣に入閣させるなど、温和な見た目とは違う女性との浮世に驚きます。
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パリ同時多発テロの影響
パリで大規模なテロがあり、オランド大統領が「非常事態宣言」を出しました。いつもは穏やかなオーランド大統領もこのときの演説は、かなり真剣でした。テロの問題が多発したので、国民を守りきれないオランド大統領の政権に非難が集中したことも記憶に新しい所です。この問題もはっきり解決したとは言えず、国内には不安が残っています。
シリアの空爆も中途半端な感じが残りますが、出来るだけのことはしているイメージがあり、このときばかりは国民の支持率は少し上がりました。
テロ実行犯の国籍剥奪案の失敗
テロ実行犯が二重国籍者だったことから、オランド大統領は実行犯のフランス国籍を剥奪する憲法改正案を訴えたものの、多くの批判が出た結果、改憲を断念 しました。
任期最後の一年は、仕事の法改革
オランド大統領の任期は、残すところ一年です。最後の大仕事として、法改正を通じフランス経済を改善しようと協議しています。しかし、経済専門家の意見では法改正をしても、フランスの経済に良い影響があるかどうかは誰も予測出来ず、雇用の改善につながらないのでは?と考える人が多いのが事実です。
一方では、成功しても別のところで失敗になることが多い改革なので、かなり難しい問題に手を出してしまったという感じです。この改革そのものが、敵対する右の党のような改革なのも批判を受けている原因です。
第24代フランス大統領オランドの評価
オランド大統領の評価はフランス国内で非常に低いのが事実です。ルックスから見ても、政治家としては温和すぎる指導者なので、あまり大きな改革に至っておらず、フランス国民はかなりの不満があるようです。
テロの事件や難民問題も政権にとっては痛手でした。さらに、フランスであまり触れてこなかった仕事法律改革案はナーバスな問題で、その動向によっては、さらに支持率は下がる可能性があります。ちなみに、歴代最低の支持率の大統領の記録し続けています。
まとめ
フランスで暮らしていると、フランスの大統領の権限は、とても強いことを感じます。そのため、大統領の考えを良く見ていないと、フランスで生活するとき、特に手続きの問題で困ることがたくさん出てきます。普通に生活していても、大統領が何か大きな改革を打ち出すと、街中がデモになります。フランスに滞在中は、フランスの大統領が何をしようとしているか常に把握して置きましよう。