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「Motor City」デトロイトに起こる交通インフラの変貌

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私は近年までデトロイトでは公共機関の発達は期待できないと思いこんでおりました。なぜなら、デトロイトは別名「Motor City」と呼ばれるぐらい、自動車産業で成り立っている都市です。通勤通学はもとよりタバコを買いに行くのも車、スーパーに行くにも車が必要な生活です。しかし、そんな時代の今は昔。最近では路面電車「QLINE」の運用開始と、レンタスクーターなど「Sharing Economy」の台頭によって様相が大きく変わってきたのです。

財政破綻を乗り越えたデトロイト・ダウンタウンの復興

デトロイトはドーナッツ化現象のおかげで都心部の空き家が目立つ傾向があります。特にリーマンショックによる世界金融危機が起きた際はドーナッツの穴が巨大化、デトロイト近郊に住んでいた私のアパートに大量に家族が引っ越してきて、狭いアパート(とはいってもアメリカの基準でですが)一家5人が暮らしているという状態が起きたのを鮮明に覚えております。

しかし、喉元すぎれば熱さを忘れる。近年の米国経済の好調に押され、デトロイトのダウンタウンも随分と復興してまいりました。

デトロイト市民の新しい足「QLINE」

デトロイトにおける大きな変革のひとつとして「QLINE https://qlinedetroit.com/」と呼ばれる路面電車の運用開始が挙げられます。

たかが路面電車というなかれ、実はこの路面電車の設置は大きな議論を呼ぶ公共投資でした。車文化が根付いたデトロイトに電車を設置したところで利用者はいるのだろうか?$500 Million(500000000ドル)にのぼる工事費を投資する意味があるのだろうか?経済効果は?など、巨額な投資ゆえに大きな議論を呼んだのは仕方がありません。

しかし、2017年に操業を開始して以来、大盛況。最初の週は無料だったこともあり私も乗りに行ったのですが、オランダの路面電車のごとくお洒落で清潔な車両に驚きました。車内には無料Wifiも兼ね備えており、利用中は携帯電話を見るであろう乗客を想定しております。

Woodwardと呼ばれるデトロイトの主要道路の沿線に沿って電車は走っておりGoogleもオフィスを構えるなど発展が著しく、2018年の現在では完全にデトロイトの足として定着いたしました。

Qlineのサイトでは$55.4 Million(55400000ドル)の経済効果があったとしているので、モーターシティへの電車の導入結果としては上々の出来と言っていいでしょう。実際、デトロイトのダウンタウンにお洒落なお店が急速に増えています。

そのQLINEに導かれててか、配車サービス「Uber」の次にメジャーになりそうな「Sharing Economy」のサービスが目立つようになりました。

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台頭するSharing Economyサービス「Lime」と「Bird」

最近、QLINEに乗っていると、沿線上に電動スクーターらしきものに乗っている人たちを数多く見かけるようになりました。調べてみると新しいSharing Serviceで電動スクーターレンタルを行っている会社に、 LimeBird があるとのこと。

デトロイトの街にところどころ乗り捨てられた電動スクーターが散見されます。友人とそのスクーターを拾ってみたのですが、最初の三台は故障、もしくは要充電で乗れませんでした。

私も物は試しとばかりにLimeとBird両方のアプリをインストールしていたので、どちらでもよかったのですが、これではスクーターを探しに逆に歩き回ることになり、本末転倒です。やっと見つけた一台がBirdのもの。アプリでQRコードをスキャンするとアプリを通して料金がクレジットカードに課金されます。説明書を見るとヘルメットを被って乗ることを推奨しているようですが、周りを見渡しても誰もつけていません。

実際に乗ってみると足で地面を蹴りながらスピードをつけ乗ってみるとかなりスピードが出ます。アクセルは右のグリップを回すだけですから、感覚的にスクーターと一緒です。

しかし、あることに気づきました。どうやって止まるのか?

左のグリップはどうも前輪だけのブレーキのようです。前につんのめりながら止まりました。再度アプリの説明書をよく見ると、後輪は車輪のステップを踏みながら、ブレーキを利かすようです。再度試してみると上手に止まることができましたが、運転には少々コツが要ります。

友人と喋りながら移動し、帰りのQLINEの駅まで行くと、アプリ上で使用を終了させると停車した場所の写真を撮りアップロード。これは次に使用する人がどこにあるのか、わかりやすくさせるためにするらしく、面白いアイディアだなと思いました。

とはいえ、新しいビジネスゆえ色々と問題が発生しているようで、デトロイトで電動スクーターに乗る人が増えたせいで、歩行者とニアミスを起こしたり、停車する際にマナーを無視した放置をする人が問題視されているようです。

新しいサービスゆえに波風が起きやすいですが、トラブルを解決することがSharing Serviceを定着するカギとなるでしょう。

参考リンク

最後に

筆者のような中年世代はモノを蓄えるのが富だと考えていた世代です。しかし、昨今では断捨離、Minimalismのようにできるだけモノを所有しないのを良しとする考えが広まってきており、昨年Minimalismのセミナーに出席した際、大変な盛況で私は驚きました。アメリカこそ大量消費社会の権化のような国ですから、それとはまったく逆のミニマルな思想は受け入れられないと思っていたからです。

当然、他人とモノを共有するSharing Economyのような考えは定着しないと思っていたのですが、少しずつアメリカ社会も変化しつつあるようです。

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