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【体験記】アメリカでラマダン(断食)期間中にイスラム教のモスクへ行ってみた

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アメリカのミシガン州には全米でも最大級のモスク(イスラム教の礼拝堂)である「Islamic Center of America」や、アラブ系住民が多く住む「Dearborn(ディアボーン)」という街があるのをご存知ですか?今回は断食期間である「ラマダン」の時期に、イスラム教徒の友人にモスクへ連れて行ってもらった体験記をご紹介します。「断食期間なのにダイエットできない」と言う彼。その真意とは?

イスラム教徒の断食期間「ラマダン」とは?

ラマダンは日本だと一般的に「断食」のイメージですが、一日中飲食をしないわけではなく、昼間だけ断食を行い、日没後には盛大に食事をする期間で、2018年は5月16日から6月14日までのほぼ1ヶ月行われました(元々「ラマダン」とは「イスラム暦第9月」を意味します)。

ラマダンはイスラム暦で行われている関係上、毎年その期間は変わり、アメリカに住んでいる私のイスラム教徒の友人も、インターネットでアメリカではいつラマダンになるのかを調べており、現代のテクノロジーと融合した生活を見せてくれました。

ミシガン州にある全米最大級のモスク「Islamic Center of America」

彼は仕事が終わった後、結構な頻度でモスクに通うと言っておりました。実は私の住むミシガン州には全米でも最大のモスクである Islamic Center of America があります。

ちなみに、 ミシガン州Dearborn(ディアボーン)という街は、アラブ系住民のコミュニティティ があります。

私もかねてから一度訪ねてみたかったのですが、ここはイスラム教の礼拝所。異教徒の私でも受け入れてもらえるのか、私は躊躇しておりました。

これは本で仕入れた知識ですが、イスラム教徒は聖地メッカの方角を頭にいれてトイレで用を足すと聞きます。私がうっかりトイレでも借りてトラブルにでもなったらどうしよう、といった不安な気持ちもありました。

結局その友人に頼み、連れて行ってもらうことに。

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いざモスクへ!イスラム法解釈の講義

到着時刻は夜の10時。もう日没後ですから辺りは暗闇に包まれ、ライトに照らし出されたモスクは荘厳な雰囲気を醸し出しています。

入口の近くにパトカーが警告灯を灯しながら停まっているのが気になりますが、警察がいることによって、安全度が高まっていると好意的に解釈しましょう。

中に入ってみると、いたって普通。小奇麗な廊下は中央の広間を囲うように広がり、一切の偶像は排除されております。

ところどころに張り紙がしてあり、子供服の交換など地域のコミュティセンターとしてもこのモスクは機能しているようです。

中央の広間に入ってみると、絨毯が敷き詰められた大広間に数人のイスラム教徒と思しき人たちが座っております。友人曰く、私が写真を撮ったり、あぐらをかいたり、寝転んでも問題はないとのこと。

ちょっとこの言葉に驚いたのですが、周りを見渡してみると、普通にスマホをチェックしながら、くつろいでいる人も多く、意外と自由な雰囲気でした。

しばらく待っていると現れたのは髭を蓄えたイスラム法学者。これからイスラム法の解釈の講義が始まるのですが、皆熱心に聞いているというより、リラックした感じでジュースなどを飲みながら聞いている人もおります。

イスラム法は宗教学者の解釈によって解釈が異なるようですが、敬虔な信者ならイスラム法を意識せずに生活することはできないということです。

実際の講義はアラビア語で行われたため、言語を解しない私にはさっぱりわかりませんでしたが、30分ほどの講義が終わると、皆挨拶をして帰っていきました。

モスクのあとは盛大な飲み食い!

イスラム法の講義が終わると、私たちは近くにあるイスラム系のベーカリー Saj Cafe & Bakery へ。日没後なので、皆盛大に飲み食いをするそうです。

私はこれまでの経験から、中近東料理は大変美味しいことはわかっておりましたので、期待に胸が踊ります。

ラマダン中は日没後に食事をするので、イスラム系のベーカリーは日本のコンビニ並みに24時間営業になるそうです。

ショーウィンドウには見たことのないパンやお菓子、食べ物が並んでいます。勧められるがままに買い込み、隣のテーブルの置いてあるセクションでつまんで見ました。

ご覧のように一般の日本人には馴染みのない食べ物ばかりです。ただし味は絶品。夜なのにコーヒーを注文し、一緒に食べるとコーヒーと実にうまく合う食べ物ばかりです。

イスラム教徒は飲酒は禁止なので、酒類は置いてありませんが、友人たちと共通の食べ物を食べながら過ごす時間は万国共通なのだなと再認識いたしました。

こちらは午前2時の時点で撮影したパノラマ写真ですが、ご覧のように大変込み合っております。友人たち曰く「ラマダン中は夜中に食べることになるので、一切減量に役に立たない」と、ジョークを飛ばしておりました。

まとめ

以上、アメリカに住む筆者がラマダン期間中にアメリカのモスクへ行っていた体験記をご紹介しました。

「アメリカ」と一口にいっても多面性があります。今回のようにイスラム教徒の生活様式の人たちの中に入ると、そこはイスラムの世界。そこにはアジア系の人なんて私しかいませんでした。

アメリカはサラダボウルのようなさまざまなコミュニティで成り立っているんだなと再認識した一晩でした。

THE RYUGAKUではこの他にも、 シンガポールマレーシア のラマダンに関する情報や、 イスラム教の食事に関するルール などをご紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

参考文献

 
Amazon.co.jp:井筒 俊彦著 / イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)

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