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日本のように簡単に購入できない?アメリカで眼鏡を新調した話
アメリカではコンタクトレンズも眼鏡も医療機器扱いで、一般的に高額です。よって日本のように単純に眼鏡屋に行き検査を受けて眼鏡が買えるわけではなく、眼科医の検査が必要となります。最近、私も眼鏡を新調したので、その体験談を書いてみたいと思います。
まずは保険の保障内容を調べるところからスタート
アメリカでは国民健康保険は一般的ではなく、勤務している会社が提供する保険を個人で利用することになります。保険と言えば医療全般を保証するイメージですが、アメリカの保険では「Medical(医療)」、「Vision(眼科)」、「Dental(歯科)」と、それぞれ分かれており、私の会社では全ての種類の保険に加入していたので、ここでは眼鏡を新調するため、Visionを利用することに。
まずはVision Insuranceの会社のサイトにアクセスし、概要を把握。アメリカで困ったことのひとつに、保険会社によって皆、保険の請求方法が異なり、請求用紙、やり方、すべてが違うために保険を利用するために学習が必要になることです。
私の会社は数年前にVision Insuranceの会社を変更しており、以前使っていた保険会社はどのお店でも購入しても構わない、ただし指定用紙に購入先からのサインと領収書が必要で、購入後、私に小切手が送られてくるシステムでした。
現在使っているVision Insuranceの会社は眼鏡は特約店でのみ、購入を推奨。べつに特約店でなくても保険は効かないことはないが、それだけ保険は効かなくなるとのこと。
私はサイトを読んだだけでは不安だったので、カスタマーサービスに連絡。電話で新しい眼鏡を購入するつもりがあると伝えると、特約店の中でも、さらにフレームが20% Offになったり、特定のブランドの眼鏡にのみディスカウントをくれたりと、非常にややこしい。
大体、特定のブランドのフレームを購入するために眼鏡を購入する人はいないので「このブランドは20% Off」といっても、そのフレームが自分に似合わなかったら意味がない。いったい、どうしたらいいのか。
しかたないので、保険会社のサイトの検索項目を絞り込み、特約店のリストを手に入れ、自宅から近い上位5店を検索すると、一件、私の自宅から近いところでSpecial Dealをくれながらも、googleでの評価が高いお店を発見。
そこに決め、電話をすると、面会は数週間後とのこと。別に急いではいないので、お願いし、当日、訪れてみました。
眼科での診察
当日、退社後に眼科医を訪れ、名前を告げると椅子に座って質問用紙に記入するように言われる。アメリカの医院では、一般的に診療の前に、名前や住所、過去の病歴や現在服用している薬なども記入させられる。あたりを見回してみると、この医院は病院の半分がフレームなどの展示になっていて、診療後に自由に眼鏡を選べるようでした。
ほどなく名前を呼ばれ、眼科医を紹介される。眼圧の検査、視力検査は日本と同じ要領。目を片方ずつ隠しながら、アルファベットを読まされたり、眼圧、眼の奥も検査される。
視力がそれほど落ちていないことに安堵したが、ここで医者に懸念事項を伝える。実は私の高齢の父は緑内障と診断され、すでに治療を開始していると聞く。緑内障は遺伝も関係するらしいので、私も兆候がないとはいえない。医師に父親が「Glaucoma(緑内障)」だと伝えると「緑内障の検査を受けてみるか」と尋ねてくるので、お願いすることに。
瞳孔が開く目薬をさされ、眼の中を強い光を当て眼底検査を受ける。ちなみに、この瞳孔が開くことを「Dilation」というそうです。医学用語は実にさまざまあるから事前に勉強は難しい。自分がどんな病気にかかるかわからないし、その都度必要になった単語を憶えていくしかない。医師の話を注意深く聞きながら、在米17年でも英語が完璧にはなっていないことを再認識する。
今度は視野狭窄になっていないか検査したいという。なぜかその検査は後日に回され、次のステップである眼鏡選びに。
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眼鏡を選ぶ
店員のアドバイスに従いながら、いくつかのフレームをピックアップ。3種類ほどに絞り込み、保険の適用について尋ねると、案の定、フレームのブランドによって保険の適用率が異なるようでした。
フレームの価格自体が違ううえ、保険の適用率もことなり、かつ20% Offの対象だったり対象ではなかったりと、枝葉に細かく分かれる。店員も電卓をかけて説明し、私もメモ帳にABCと書き込み、Aがいくら、Bがいくら、Cがいくらと書き込み比較検討。
結局、値段の割引がもっとも高く、かつ2年間のフレーム損傷の保険つきということで某社のフレームに決定。
今度はレンズである。アメリカでは非常にサングラスをつけている人が多い。最初はカッコつけかなと思ってたものの、眼科医が白内障予防のために推奨しているという側面もあることを知りました。
確かに北米の日差しは強く、黒目の私でもまぶしいときがあります。レンズで紫外線が当たると暗い色になるレンズがあるので、それを選択。ちなみに英語では「Transition」というらしいです。
占めて総額で$350。レンズも高級なタイプにしておきながらこの値段で済んだのは幸いでした。事前に勉強してから眼科医に会ったのが良かったのかもしれません。
アメリカの保険を使ってつくづく考えること
アメリカの保険制度は日本と大きく違い、雇用主がどの会社の保険を提供しているかによって、大きく補償内容も変わってきます。「自由の国」アメリカに来てから感じることは、選択の自由といっても、何でも選択できる環境は、却って選択を難しくさせるということです。
例えば、今日のお昼だって、レストランにいって5種類程度のランチ定食があれば即答できますが、100種類もあったらメニューを見通すだけでお昼時間は終わってしまうことでしょう。
保険も同様で、ランチ以上に複雑な内容の保険は、選択肢が限られている方が返って、利用者にとっては幸せなことなのかもしれないと私は思うのです。
日本では一昔前は、塩、煙草、酒、郵便料金にいたるまで国が管理しておりましたが、時代が進むにつれ規制が緩み、現在では郵便局も民営になりました。ただ、国民健康保険は大きな議論を呼びつつも継続しており、国が国民に提供する最後のサービスが保険制度ではないかと考えています。
なぜなら、保険は内容が複雑で一般人には内容の把握が難しく、一度国民健康保険を廃止すると復活は非常に困難。一律のスタンダードで国民に保険を提供する国民健康保険は公平性からいっても理想に近く、私は日本を離れてから、日本の国民健康保険制度のありがたさが分かるようになりました。
これも海外体験の恩恵のひとつでしょう。
まとめ
いかがでしたか?お伝えしたとおり、アメリカの保険の保障内容は異なりますので、まずは、自分の加入している保険について調べるところから始めましょう。
これからアメリカで眼鏡を購入される方の参考になれば幸いです。
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