スポンサーリンク

日本人にビザが降りない?ドイツ留学で注意すべきビザ事情3選

22188

ドイツに留学する際、注意をしなければいけないビザに関することをまとめました。本コラムは筆者自身や周りのケースに基づいて作成したものであり、法的なアドバイスなどではありませんので、ご了承ください。

ビザを申請しても降りず、帰国を余儀なくことがある?

海外で長期滞在(原則としては90日間以上の期間)をすれば必ずその国の許可として、ビザを申請し、所有しなければいけません。しかし、先日「 No visa for you – vom Kampf um die Aufenthaltsgenehmigung (筆者訳:あなたにやるビザはない-滞在許可のための戦いより)」というタイトルのドイツ語記事がドイツと日本人の間のソーシャルネットワークで大反響を呼んでいました。

この記事の内容は、ドイツ人の間で「ビザが降りなくて困っている日本人を助けよう」ということを呼びかけるために書かれたものであり、記事には、日本人がドイツで合法的な滞在目的があるにも関わらず、ビザを申請しても降りず、結局帰国を余儀なくされることが多いという信じられない事実が語られています。

ここでは、筆者の経験を基に、ドイツでビザ申請に関する注意点をお伝えします。

1.申請書類はドイツの外人局の要求に沿ったものを

ビザを申請する前に、全ての人は「書類は当たり前に確認する」と考えているでしょう。しかし、ここでいう「書類の確認」とは、ドイツの外人局(Auslaenderbuero)の要求にしっかりと沿ったものかどうか、ということです。

たとえば、ひとつ一番引っかかりやすい書類を挙げましょう。留学生がドイツでビザを申請する際に、ドイツでの生活費用が賄えるという経済能力証明(Finanziele Nachweis)の提出を義務付けられています。この証明書では、決まった金額を申請人、もしくはその両親が所有し、海外で使えるということを証明しなければいけません。一般的には一年分の生活費、最低8700ユーロほどで証明する必要があります。

交換留学など、一年間未満の留学の場合、この証明書は日本で発行することを勧められています。なぜなら、ドイツで発行する場合、大変複雑な手続きになる上、必要以上の手間が掛かってしまうからです。それと、もし日本で発行せずドイツに着いてから日本の家族に発行の依頼をすれば、ビザの申請期限ギリギリで間に合わないこともあり、ビザの審査に影響しかねません。

筆者は初めてのドイツ留学の前、この経済証明書を日本で発行することにしました。親の口座と身分証明、住民票を持って、親と一緒にドイツの大使館で発行しました。ただし、もし留学費用を自分から出す場合、日本の銀行口座で「ユーロ建ての残高証明」を発行することを依頼すれば、この証明書でも通用すると言われています。

もし、ドイツで語学留学や大学留学などの長期留学する場合、この経済証明書をドイツで発行することを義務付けられています。これは、まず現地の外人局にフォーラムをもらってから、銀行でそのフォーラムをもって経済能力証明用の口座を開き、それと同時に銀行が証明を出すものです。

この経済能力証明書以外にも、たとえば証明写真など、ドイツあるいは現地の外人局ならではの書類に対する要求があります。場合によって、同じ外人局でも、違う担当者であれば、それぞれ違う要求があります。

したがって、ドイツで、余裕をもってビザを申請することは何よりも大事なのです。

スポンサーリンク

2.役所でドイツ語ができないと受付を拒否される

おかしな話ですが、ドイツの市役所で「ドイツ語が話せませんから英語でお願いします」と言うと「じゃ受け付けません」と言われ、そのまま返されるケースは少なくありません。ドイツの語学学生の間では有名な話でもありますが、市役所の役員は英語で話してくれないし、態度が悪いことが多いです。実際、筆者にも、筆者の留学生仲間にも、初めて住民登録に行ったらドイツ語が話せなくて返されたという経験があります。

かつて、外人局で語学学生のビザを申請する際、まだドイツ語が上達していなかったため、ドイツ人の友人に頼んで一緒に書類を出しに行き、友人に通訳してもらったのですが、最後に担当者から「今度来たときにドイツ語が流暢にできなければビザの発行はしません。」と言われました。

合法的な滞在目的や経済保証などは揃っているにも関わらず、語学のレベルが達してなかったことで資料を提出できず、ビザが降りなかったという話もところどころで耳にすることがあります。

つまり、場合によってはドイツ語が話せるかどうかで、ビザが降りるかどうかにもつながることがあるということです。語学留学という目的で滞在する場合、電子辞書やメモなどをきちんと用意して真面目に交流するといいでしょう。交換留学など、語学能力の証明が必要ではない場合にはドイツ人あるいはドイツ語が上手な友人に同行してもらうことをおすすめします。

3.滞在目的の変更は不可。ビザの切り替えができない

これはドイツの外国人滞在法のひとつの特徴です。入国する際の滞在目的と入国後の滞在目的は変えてはいけないという決まりがあります。例えば、ドイツに交換留学生として入国し、交換留学生ビザを申請したとすれば、交換留学を終えてそのままドイツでインターン、あるいはワーキングホリデーをしようとする場合、ビザは留学生ビザからインターンビザ、あるいはワーキングホリデービザに直接切り替えて発行することはほぼ不可能だと言われています。

実は、このような法律が存在するのを知ったのは、筆者がかつてこのルールを知らずビザを申請して一度却下された学生に会った経験があったからです。その学生は、交換留学生としてドイツに入国して交換留学生のビザ申請したですが、その一年後、語学学生としてドイツでさらに勉強すると決めて、語学学生のビザを申請したところ、すべての書類が揃えたにも関わらず、担当者に「入国の際の目的は大学での交換留学であり、しかもこれも既に終了した上、語学留学は語学学校での留学であり、このふたつは違う種類なのでビザの発行できません」と言われ、ビザの申請が却下されてしまいました。

この学生はその後、仮ビザの期間を使って無事大学に学籍登録することができ、ビザを再申請して、ドイツで学業を続けることができました。

ドイツでは、ビザの切り替えは絶対にできないわけではないが、たとえば正規留学生が卒業して就職した場合の学生ビザからワーキングビザへ、準学生が大学に合格して正規留学生になる場合の準学生ビザ(Stuidumvorbreitungvisum)から正式学生ビザ(Studiumvisum)への切り替えなど、いくつかのものしか限定していませんので、ドイツで所有するビザと違うものを申請するときには、前もって外人局に確認をすることをおすすめします。

しかし、交換留学生の場合、そのビザとは、大学同士の派遣プログラムに応ずるもののみで、他のビザと比べて自由性がないため、どんな理由があっても、交換留学生のビザが他のビザへの切り替えは普通に厳しいものだと考えてもいいでしょう。

仮に、このような理由でビザの申請が却下される際の対処法としては、まず落ち着いて学校の方に相談しましょう。語学学校では、ビザに詳しくて相談に乗れる事務員がいるはずですし、大学ではインターナショナルオフィスにも留学生のビザ事情を管理したり相談できる事務員はいつもいるので、まず学校の方に助けを求めましょう。

また、ドイツでは、たとえビザ申請が却下されても、すぐに帰国させられることは少なく、普通はまず90日間の仮ビザを発行することが多いので、その間に解決方法を探したり、助けを求めたりするのに十分に時間があります。

最後に

筆者がドイツに着いてから、まさかこんなことってあるのか?と驚いたことは少なくはありませんが、ドイツのビザ事情はその中で最もびっくりしたことだと言っても過言ではありません。しかし、近年ではビザ申請に関するトラブルは、日本人だけではなく、ドイツにいるすべての外国人の間でよく起きてしまいます。

また、2015年から始まったドイツでの大量の難民の受け入れの影響や、昔からのルールもあって、ドイツでビザを申請するのには予約(Termin)が必要で、少なくとも1ヶ月が待たされます。なので「まだ時間があるから大丈夫」と、決して油断してはいけません。余裕をもって行動しましょう。

また、たとえビザ申請でトラブルが起きたとしても、諦めてすぐに帰国する前に、まず色々なことを試してから最善を解決方法を考えましょう。なお、本文で述べたように、ビザのトラブルは担当者によってそれぞれなので、ここで挙げた例は一概ではないので、ケースによって例外があるかもしれませんが、念のため、ビザの申請はやはり慎重に行動することをおすすめします。

この記事に関するキーワード