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Western Michigan University

留学のヤマは最初の1年!アメリカの大学院でサバイバルするためにやったこと

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アメリカ・ミシガン州にあるWestern Michigan Universityの大学院留学した当時の思い出について書きます。当時は、頻繁に「自分だけなぜかテストが解けない、単位を落とす、退学になる」という悪夢を見るほどのプレッシャーで留学生活を過ごしておりました。そんな私のサバイバル記です。

私は1999年に米国はミシガン州のWestern Michigan Universityの大学院に留学をしたのですが、最初の一年間は大変だったのを記憶しています。日本の大学を3月に卒業し、9月の開始までは付属の英語学校に在籍し体を慣らしてから、大学院での生活を始めました。

英語学校で周囲が非Nativeであった状況と違い、大学院では今までと違うレベルでの戦いを強いられました。当時、頻繁に「自分だけなぜかテストが解けない、単位を落とす、退学になる」という悪夢を見ることがままあったのですが、これも当時の状況からのトラウマかもしれません。

あまりの宿題の多さに「英語、聞き間違えたかな?」と耳を疑う

最初のセメスターで私は9 Creditsを履修しました。理由は9 Credits(単位)が学生ビザを確保する上で最低要求だったからです。最初のセメスターでは負担を最低限にしたい思惑もありました。

問題になったのは統計学の授業です。
なぜ、統計学の授業を履修したかというと、GRE(大学院入学テスト)で数学の点数が非常に高かったため、Class Advisorから数学的な授業をなにか取るよう勧められたからです。

ですが、実は留学生の大半はGMAT/GREの大学院入学テストにおいて、数学のパートで点数を獲得しておくのが通常です。英語のパートは現在の私でも難しいぐらい高度な問題で、非Nativeがスラスラ解くことが難しいからです。私は過去問対策によって数学の点数を上げておいただけで、別段、数学が得意なわけでもありませんでした。

蓋を開けてみると、一回の授業でチャプターを二つ三つ進み、まさに修羅場。チャプターをひとつだけ予習していた私は慌てました。
また大量の宿題を出され、その量に「英語、聞き間違えたかな?」と耳を疑う始末です。

毎晩夜遅くまで勉強したのですが、チャプターが進みに連れ単なる計算問題から、計算結果の意味の説明が求められることが多くなり、悪戦苦闘。結果として成績は”C”がついてしまいました。

留学は無理・・・退学も考えた時期

日本の大学ではCがついても問題にはならないかもしれませんが、私の大学院の規定ではCが二つ付くと退学です。再履修の警告文と一緒に成績表が届き、私は青ざめました。統計学の先生に相談をすると、学部長を紹介されました。

私は正直、その時点で自分には留学はムリだと考えており、毎晩の勉強に疲れ果て、自暴自棄になっておりました。「学部長に会ったとしても今さら・・・」という思いもあり、すでに私の心には退学手続きについて質問する心づもりがあったことは否定できません。

一人で勉強してはいけない

私から現在の状況について聞き終わると、学部長は大きくため息をつきました。勉強方法について指導があるだろうなという私の予想を裏切り、意外やこんな質問を私に投げかけてきました。

Do you have any friends?

勉強について相談をしているのに、友達がいるのかという質問は奇異です。
思わず顔を上げ、相手の真意を図るべく、返答にしばしの間がかかりました。蚊の鳴くような小さな声で「No」と答えると、それはいかん、一人で勉強していてはいけないと諭してきます。

・大学院の学生が研究活動をするStudent Roomで勉強をすること
・学生同士のStudy Groupに参加すること
・学生間でピクニックやBBQなど様々なActivityに参加し、アメリカの良い点、悪い点の両方を学び、自分の成長に役立てること
・簡単に退学を決断しないこと

私はこれらのことを学部長に約束させられました。

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世界を広げたStudent Room

なぜ勉強のことを相談しているのに、フレンドのことを持ち出してくるのか分かりませんでしたが、実際、親しいアメリカ人の友人はいなく、勉強だけのつまらない毎日です。
このまま同じように生活をしても展望が見えるわけでもありません。私はダメ元でStudent Roomに行ってみました。

中にいた学生に声をかけると、ひとつの机を分け与えてもらえました。そこでテキストを広げて勉強をしていると、授業で見たことのある連中が入れ違いに入ってきます。
授業ではそれほど口を利くチャンスはないのですが、Student Roomでは、私のルックスが他人と違うこともあり(留学生だとすぐ分かる)、色々と声をかけられます。

今まで図書館で勉強をしていたのですが、Student Roomに場を移し、自分の世界が徐々に広がっていくことを感じました。

Stay, Involve

私の大学院では学生同士、毎週土曜日は喫茶店でお昼を食べておりました。私も誘われるまま参加したのですが、他のアメリカ人学生の会話の輪にまったく参加できません。

今までは英語学校で非nativeの連中と英語で話すことが多かったのですが、大学院になると周囲はアメリカ人ばっかり。Nativeの連中が輪になってワーワー騒いでいる中に切り込んでいける英語力はやはり別格だなと痛感いたしました。

すると、ひとりの年配の博士課程の女性に声をかけられました。

Stay, Involve

Stayは留まる。Involveは巻き込まれるですから、留まって巻き込まれていなさいという意味です。
どういった意味かと思ったのですが、彼女いわく、過去に留学生でアメリカ人の輪に入ってくる学生はあまりいなかったとのこと。事実、ある程度の留学生が私の学部でもいるはずなのに、姿は授業中に見るだけでほとんど交流はありません。

私より出来がいいのでアメリカ人の友人なんぞ必要ないのかもしれませんが、留学生があまり目立たない理由にマイノリティであるということと、やはり文化的な足かせが大きいため、アメリカ人との接点が少ないのではないかと思いました。

ミシガンの田舎では、外国語を勉強したことのないアメリカ人の学生も多く、海外に出たこともない人も結構おります。そういった人たちに、留学生の身になってといってもムリがあります。私が彼らに合わせるほかありません。

私の知らない幼少期のテレビ番組の話題、彼らの家族の話、大学院でのまだ履修したことのない授業の話。英語は分かっても私の経験の中で共有できない話ですし、聞きながら頷くほかありません。
異なるバックグラウンドの人間同士、会話を盛り上げるコツはないものかと思案し始めたのもこの頃です。

アメリカ人学生が持つ情報

他のアメリカ人の学生と触れ合ってみると、彼らも課題図書のすべてを完全に読んでいるわけではないことが分かって来ました。
彼らはまずScanning(※)で必要な箇所だけ読み取り(私もScanningをしていたが、英語力がなさすぎて話にならなかった)、すべての本を隅々まで読んではいません。

※Scanningについては、「 北米留学では避けられないTOEFL!私が実際にやったTOEFL対策・勉強法 」の記事にて詳しく紹介しています。

宿題も完全に自分だけでやっているのではなく、Study Groupに参加し、分からないところをお互い教え合っています。 またレポートを書く際、担当教授の好きな論文をうっかり否定しないよう、過去に履修した学生から、教授の好き嫌いを聞いていました。 過去問とはいかなくても、過去に出題された問題の傾向は学生の間で情報が共有されておりました。

私にも授業や宿題の情報が入るようになり、授業やテストへの恐怖感も少しずつ減少されていきました。こういった体験を通し、なぜ学部長が一人で勉強をしてはいけないといってきたのか、痛感しました。

Study Groupに参加し、周囲の仲間と自分の進捗状況を確認すれば、自分の勘違い、理解の遅れを未然に防ぐことができ、安心に繋がります。

2ページ目:Writing Centerの活用とアメリカ人の買収
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