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Global Panorama

イギリスのEU離脱の裏側で、さらに勢力を増すフランス極右派

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2017年に行われるフランスの大統領選後は留学する方にもかなりの影響があると思われます。今まではフランス人がもっとも毛嫌いしていた極右派のマリーヌ・ル・ペン氏がここ数年の間で着々と力をつけてきています。

最初からEU離脱派だったマリーヌには、イギリスのEU離脱は追い風。フランスに関係する外国人にも脅威な存在となりつつあります。もし、彼女の政党「国民戦線(Front National)」が勝てば、フランス国内もとても大変なことになります。

マリーヌ・ル・ペン氏とはどんな人なの?

マリーヌは、極右派を作った父親のジャン=マリー・ル・ペン氏の娘です。父親の世代から、極端な外国人に対する激しい非難が、ナチのような物言いだと、フランスではほとんど支持をする人がいませんでした。

Wikimedia Commons

父親の方が過激だったので、父親よりも言動を控えてはいるものの、目的や考えは同じ極右党です。

ところが、移民の問題やテロの問題が起きて以来、フランス国内で勢力を拡大しつつあります。今回のイギリスのEU離脱についても、当初から賛成派だったこともあり、その恩恵を受け益々勢力を拡大していくでしよう。

テロや移民問題がフランス国内の極右派の勢力拡大につながっている

マリーヌの所属するフランスの政党「国民戦線(Front National)」は、へそまがりの党として力をつけてきました。わざと、他の党の反対の立場になり、他の党の失敗を非難しながら「人のふんどしで相撲を取る」姿勢で、急成長してきました。

あまりにもひどい人権を無視した激しい言動に、フランス人の多くは、賛同出来ない党なのです。

最近の治安の悪化と経済の低迷のために不安があり、それを立て直すような政党がないのが、フランス人の本音です。移民や難民問題、テロの問題に対して良く思っていないフランス人の意思表示の気持ちが、それを非難している極右派を仕方なく選ぶ結果になっていると言えます。

ルペン一族、父と娘の確執

2014年、父親のジャンが動画を公開し、その中でユダヤ人に対しての過激な差別を口にしたために、マリーヌは父親の党員資格を除名剥奪しました。それでも政治をあきらめない父親は自分の新党「Blue, White and Red Rally」を結成して、過激な発言を続けています。

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もし国民戦線が勝利したら外国人に対する締め出しが強化される?

マリーヌの党が、2017年の大統領選に有利にな立場になりつつあります。もし彼女が大統領になると、フランスに滞在する外国人にダイレクトに悪影響が起きます。

マリーヌの考えはイスラムに対する毛嫌い感がひどく、外国人である限り、フランスの平等のもとに、イスラムの人と同じように日本人もビザの申請がたいへん困難になるでしよう。

外国や外国人をよく思っていないために、フランスのグローバル化も足止めを喰らう恐れもあります。二重国籍の廃止、外国人に対する締め出し、同性婚の廃止、ユーロ離脱などの政策が実行されれば、フランスの国内は混乱に落ちいる可能性があります。

マリーヌの孫娘も極右派

Wikimedia Commons

フランス南部の地域圏の議員に昨年就任したマリオン・マレシャル=ルペンは、マリーヌの孫娘です。まだ26歳という若さながら、はっきり物を言う姿勢は、ルペン一族の血と言えるでしよう。とてもマリーヌと意見が似ていて、特に愛国心が強くEUに対しての非難がとても強い人と言えます。

まとめ

今後のフランスは、外国人にも優しめの左の党が政権を持つことは、かなり難しいでしよう。

来年の大統領選後は、フランスでビザが必要な方には、残念なことですが、左の党が負けた場合ビザなどの手続きの上では、冬の時代がしばらく続くと思われます。

どう嘆いても、フランスに住む限り、日本人はかなり我慢が必要なときも出てくるでしょう。

フランスに長期滞在でビザを取る予定の人は、フランスの大統領の党の考え方や、自分に及ぶ手続きをきちんと把握して、淡々とルールに従う強い精神を持って下さい。

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