スポンサーリンク
留学へのあと一歩を踏み出すには?ーーTHE RYUGAKU座談会 Vol.2
先日、THE RYUGAKU編集部による第2回留学座談会が行われました。今回は留学経験のある5人の留学生に参加して頂き、それぞれの留学した経緯や留学中のストーリーについて話し合いました。この記事では、その座談会の模様をお送りし、5人の体験談をたっぷりとお伝えしていきたいと思います。
-
佐々木さん
名称 | St. Giles International, London Highgate(セント・ジャイルズ・インターナショナル・ロンドン・ハイゲイト校) |
---|---|
国・都市 | イギリス / イングランド / ロンドン |
学校形態 | 語学学校 |
住所 | 51 Shepherd's Hill, London, Greater London N6 5QP イギリス |
電話番号 | +44 20 8340 0828 |
公式サイト | http://www.stgiles.co.uk/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/11096/ |
-
Mさん / 早稲田大学4年生
アメリカのEastern Oregon Universityへ交換留学を経験後、タンザニアで未電化地域に電力量り売りのビジネスを展開する会社でインターンを経験。Mさん
名称 | Eastern Oregon University(東オレゴン大学) |
---|---|
国・都市 | アメリカ / オレゴン州 / ラ・グランド |
学校形態 | 大学 大学院 |
住所 | 1 University Blvd, La Grande, OR 97850 アメリカ |
電話番号 | (541) 962-3672 |
公式サイト | http://www.eou.edu |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/4405/ |
-
門野さん 門野 妹(かどの まい)さん / 創価大学4年生
ムンバイにあるSt. Xavier's Collegeでの留学後、バンガロールのフリーペーパー事業を展開する企業で営業インターンを経験。
名称 | St. Xavier's College, Mumbai |
---|---|
国・都市 | インド / ムンバイ |
学校形態 | |
住所 | No. 5, Mahapalika Marg, Mumbai, Maharashtra 400001 インド |
電話番号 | +91 22 2262 0661 |
公式サイト | http://xaviers.edu/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/14641/ |
-
藤井 輝(ふじい ひかる)さん / 早稲田大学4年生
ベトナムでインターン、フィリピン留学、カナダ留学、バックパッカー、タイで不動産の新規事業立ち上げを経験した海外生活のスペシャリスト。藤井さん
-
筒井さん 筒井 智之(つつい ともゆき)さん / 早稲田大学4年生
中国の名門と言われている復旦大学での交換留学を経験後、トビタテ生としてケニアで水道普及事業に貢献。
名称 | 復旦大學(復旦大学) |
---|---|
国・都市 | 中国 / 上海 |
学校形態 | 大学 大学院 |
住所 | 中国 上海市杨浦区邯郸路220号 |
電話番号 | +86 21 6564 2222 |
公式サイト | http://www.fudan.edu.cn/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/4573/ |
-
小久保 嘉人(こくぼ よしと)/ 横浜市立大学3年生
菅野 翔(すがの しょう)/ 東洋大学卒業生
アブログインターン生
この記事ではインタビューワーを務めさせていただきます。小久保 & 菅野
環境によって異なる人の考え方に興味があった
菅野:皆さん、今日はお集まり頂きありがとうございます。早速始めていきますね。最初の質問なのですが、みなさんはなぜ留学に行こうと考えたんですか?まずは佐々木さんからお願いします。
佐々木さん:環境によって人の考え方は違うので、それを知りたいなと考えていきました。
菅野:具体的に言うとどんなことを考えて行ったのですか?
佐々木さん:もともと思想や考え方に興味がありました。というのも小さいころにCIAを目指していて、プロファイリングをしていたんです。その時に感じたのが、普通の人でも生きていく過程の違いで、考え方や思想が形成されるということです。同じ人間でも、国が違うとどのようになるんだろうと興味が湧きました。
菅野:なるほど。どのような目標を持って行ったのですか?
佐々木さん:目標設定としては、いつかMBAを取得する、教育比較学を学ぶためにスウェーデンに行くっていう計画があります。それを考えたときに周りの海外のレベルがどれくらいなのかってのを知る必要がありました。なのでケンブリッジやスタンフォード大学の人たちと交流するのを考えていて、あとは芸術に触れるってことも考えてましたね。
小久保:現地で実際にレベルの差は感じましたか?
佐々木さん:比較文学をやってる友達の例をあげたいと思います。彼は香港人で中国語、広東語、北京語、そして英語が話せました。イギリスの大学で文学を研究していて、日本文学とフランス文学とドイツ文学と、哲学書も全部原文主義で絶対翻訳を読まない人でした。
全員:すげー!
佐々木さん:それらを全部勉強しきったうえで普通に日本語でも話すんですよね。日本語でわかりやすく話す分には、流暢な人でも話せると思うんです。でも彼と話していて、彼の人柄がわかるんですよね。人柄が伝わってくるということは、もちろん日常会話を全部抑えて、専門のたくさんの文学を読んで自分の好きな言葉を選んで使うことができているってことなんです。彼の話を聞いたときに、毎日図書館に通い詰めても追いつけるかどうかわからないって思いました。それでも自分でそれなりに目標定めて頑張っていこうって考えることもできました。
英語が話せなかった時の悔しさをばねに
菅野:刺激的な出会いですね。Mさんのきっかけはどうでしたか?
Mさん:私が留学に行った理由は大学1年生の夏休みに参加した、韓国で行われたイベントがきっかけでした。それは韓国の大学主催で北京大学、早稲田大学、成均館大学の生徒が集まって10日間、アジアの平和について語り合うというものでした。そこでほぼ初めて日本語が通じない環境を体験し、すごくみんな親切にしてくれたんです。しかし、私は英語が喋れなかったのでthankyouしかいえなかったんです。それでものすごく悔しい思いをしました。その時に、英語がしゃべれるようになりたいなってすごく思ったんです。その後に、そこで知り合った早稲田の友達が交換留学があることを教えてくれました。これならお金のない私でもいけると思い、行くことにしました。
一番「ヤバそう」なインドに
菅野:門野さんのきっかけを教えてください。
門野さん:留学は大学にはいる前から決めていました。どこかに行こうと決めてはいたんですが、やっぱり資金の捻出が自分のバイト代だったので、50万円くらいしか貯まりませんでした。長期を希望していたこともあって、英語圏でちょっと面白そうなところとなるとインドになりました。フィリピンかインドかマレーシアのどれかにしようと考えてたのですが、インドが話を聞く中でも一番「ヤバそう」だなって感じたので (笑)
小久保:なんでヤバそうな国へ行こうと思ったのですか?
門野:一度そういった国へ行くことができれば、それ以外の国に行ったときに楽しくなるかなって考えていたので (笑)
菅野:勉強というよりも経験重視して留学したんですね。
門野:もともと勉強は得意じゃなかったんです。初めての海外に行く気持ちが、大きかったので、そこは経験重視で行くことにしました。英語はしゃべれる様になりたかったのですが、TOEICやTOEFLの点数を上げるよりは、コミュニケーションが取れるようになれればいいと考えてました。
菅野:大切なのはコミュニケーションですね。
門野:そうですね。学校は決まっていたので、友達を作ることとインターンをする予定でいました。インターン先は、現地で見つけようと考えていました。
菅野:留学に行く前の周囲の反応はどうでした?
門野:すごくみんなに心配をされましたね。日本人はすごく心配性なので、逆に大丈夫ってことを証明しようと思いました。もともと噂に振り回されるのが嫌いで、自分の目でちゃんと見たいなという気持ちがありましたね。
基礎から学ぶためにフィリピンへ
菅野:藤井さんはどうですか?
藤井さん:僕のきっかけは、3年の夏に行った武者修行というベトナムのインターンがきっかけです。そこで全然英語がしゃべれず、ビジネスもなにもできずということに気づいて…。この後にこのまま就活しても、どこに行きたいかも分からないなって思ったんです。じゃあ、仕事のこと知ろうと思ってタイでのインターンを決めました。そこに行く前に英語が出来ないと仕事ができないので、英語を学んでいくために、最初はフィリピンの基礎から入って、カナダでネイティブ英語を勉強して、そこで最後にインターンに行こうと考えてました。
菅野:段階を踏んで考えたんですね!
藤井さん:そうですね。最初は小学生レベルの英語もわからなくて、TOEIC300点くらいでした。そこから段階を踏んでいきました。
菅野:英語を喋るためにしっかりとどこに行くべきか考えることは大切ですね!
過酷な環境に挑戦したかった
菅野:筒井さんはどのようなきっかけで留学を決めたのですか?
筒井さん:僕が留学に行こうと考えたのは、過酷な環境に挑戦したい気持ちがあったからです。僕自身は、もともと高校時代も早稲田だったのですが、付属校なのに全然勉強をしていなかったので、制度上いけなくなりそうだったんです。その時に、校長先生の恩で行かせてもらえることになって、その時に「君を早稲田大学に入れたことを後悔させないでくれ、意義のある学生生活送ってくれ」って言われたんです。それで、大学2年が終わったときに甘ったるい生活をしてることに気づいて、「これは後悔させちゃうぞ」って思いました。その時ちょうど、仲の良かった友達が留学にいくといいだしたので、「ありだな」と思いました。
ただ、留学の種類がたくさんあったので、交換留学の中でも学位の取れる「ダブルディグリー留学」を選ぶことにしました。ダブルディグリー留学は1年間留学してちゃんと単位をとってくれば、留学先の大学の学位もとれる制度でした。経験者の話聞いてみると本当に勉強が大変で、現地の人と同じ環境で勉強して、中国語でテストを受けるものでした。その時に中国語を勉強したので、より過酷な環境でいくとこまでいきたいなって考えがあったので留学を決めました。
留学の一番の思い出は?
小久保:皆さんの留学、とても興味深いです。そんな皆さんに質問なのですが、留学で一番楽しかった思い出は何ですか?
筒井さん:僕は、君のおかげで日本を好きになれたって言われたことですね。留学に行く前にサークルの中国人の友達から、「日本は中国の事を悪く言ってるし、中国側も日本のことを悪く言ってる」という話を聞いていたので、実際に現地の人と話したらどうなるのかなってすごい興味がありました。それで留学の際、上海に行ったのですが、上海は中国の中でも世界に対して寛容な地域でした。でも 中には日本人のイメージがメディアや報道によって作られている人もいて…。特に年配の方とか、田舎に住んでる人はそうだろうなと思っていました。
たまたま国際交流基金が日本人と中国人が交流する場を作ろうというイベントをしていました。そのイベントに参加して、ベトナムの近くの貴州という場所で上海の学生と現地の学生で日本文化発信イベントをすることになりました。当日は、300~400人くらいの中国の方が来てくれました。参加者の中には日本に対するイメージもそれほど良くない人もいたのですが、イベントを通じて「歴史やメディアで色々と言われてるけど、ちょっと日本を好きになったかもしれない」という言葉を聞いたときに、これは僕の望んだことが出来たかもしれないって思いました。それが一番嬉しかったですね。
藤井さん:いい話ですね。僕の一番の思い出は世界中に友達が出来たことですかね。僕が行ったのは4カ国ぐらいですが、ヨーロッパから南米、アフリカと世界中に友達ができたので、次どこへ旅行するにしても、みんなが案内してくれるって言ってくれているので行きやすいですね。逆に日本のこと知りたいって言われたら案内します。それが一番良かったですね。
小久保:Mさんはどうですか?
Mさん:私も英語が話せるようになってから、外国の友達がいっぱいできるようになったということが留学中の嬉しかったことです。また、それによって日本に帰ってからも外国人としゃべるのに抵抗がなくなったことですね。この間も京浜東北線で電話で話をしている黒人の男の人がいて、何駅かわからないというよなことを言っていました。その時に私が話しかけて東神奈川だよって英語で教えてあげました。そしたらとてもびっくりされたんですよね。話しかけなければよかったと後悔しました。
でも電話が終わってから、「お前日本人か?」って話しかけてきてくれました。「そうです」って言ったらその人はウガンダ人で、タンザニアに行っていたという話で盛り上がりました。留学をしていなかったら、外国人に話しかけるっていうハードルは下がってなかったと思うんです。そういう出会いもなかっただろうなって思います。留学に行ったことで世界が広がったのは、良かったなって思いましたね。
菅野:世界が広がるってのは留学の醍醐味ですね。佐々木さんはどうですか?
佐々木さん:思い出に残っているのは、ミュージカルの演出家に歌を習っていて、舞台製作の現場や劇場に入れることがありました。公演の裏方を見に行った時の話なんですけど、公演中、男の子が出番にもかかわらず、出ていない時があったんです。どうして出ないのかと聞くと、「もうすぐ門限なんだ」と言っていました。イギリスには法律で子どもに門限があるんです。絶対出ちゃいけない時間なんだけどって困っていて…。「でも行ってくるよ」といって舞台に出たその子のかっこいい姿を見れたときは、なかなかできない体験だと思いましたね。法律を破ってでも舞台に出るって、日本では見ることは出来ないですよね。
菅野:確かに、中々経験出来ないですよね。門野さんの話も聞かせてください。
門野さん:私は、留学に行って一週間くらいして猛烈な吐き気と下痢に見舞われました。もうやばい死ぬって思ってたんですけど、その時に知り合ったばかりの人ににどうにかこうにか連絡して、原付で病院に連れて行ってもらいました。小さな診療所に連れて行ってもらってたんですけど、なんと鍵がしまっていました。「ああ、ごめんごめん」と医者が何時間も遅れてやってきて、いよいよもう死ぬって思ったときに、よくわかんないラムネみたいな薬を割って、それを渡されたんです。医者も薬も怪しすぎるし、薬飲んだ後「もう人生終わったわ」って思っていたら、劇的に体調がよくなって、その日以来一回もお腹を壊さない最強の胃を手に入れたって話ですね (笑)
全員:(笑)
留学までのあと一歩を踏み出すには?
菅野:次の話題に移ろうと思います。留学に行きたいのに中々あと一歩を踏み出せない人は、どんなことが原因にあると思いますか?
佐々木さん:まずはお金だと思います。それと、日本人は「できない人はできない」って卑下しちゃうところがあるんですよね。話せないところに行ったら何もできないんじゃないかと。やっていないことに対する恐怖心があるのかもしれません。
Mさん:私は3つあると思ってますね。まずはお金がない事と、留学についての情報が少ないこと、就職活動に不利になるんじゃないかって懸念があることですね。一つ目のお金は、海外と比べると奨学金の制度が充実していないことです。二つ目は、そもそも行く人が少ないこと。今、留学生が増えているって言われてるけど、統計的にも周りの中国や韓国と比べるとまだまだ少ないですよね。3つ目の就活に不利になるというのは、不安を言い訳に一歩を踏み出せていないのかもしれません。
筒井さん:僕もMさんと同じ意見ですね。お金、情報量、就活ですね。僕が留学先に中国を選んだのもコストを抑えるため。情報の面で言うと、みんな交換留学しかないと思ってるんですよね。語学留学だったり、インターンで行くっていうこともできるのに…。交換留学って一年前から準備しないといけないことがたくさんあり、本当に行きたい人は自分で調べるんですが、なんとなく行きたいなって人だと「交換留学しかない」「お金ない」「成績ない」「TOEFLない」「ダメだ私行けない」って考えてしまうんだと思います。就職活動に関しても、一年延びるのが怖いっていうのはありますね。実際、留学って見えない部分が多いので、僕らみたいな留学生の体験談を聞くことが一番の解決策ですね。
留学できるかは周辺環境に影響される
菅野:藤井さんはどう思いますか?
藤井:僕は全部周辺環境にあると思っています。学生ならお金は無いし、留学人口が少なくて情報が手に入りにくいし、日本は島国なので英語を使う機会があまり使えない。そもそも海外も遠いですよね。全部周辺環境に影響されるのかなとは思っています。
菅野:藤井さんは大丈夫だったんですか?
藤井さん:僕自身はもともと英語が喋れなくて、TOEIC300点で、留学行くまでは一切勉強をしてこなかったんです。そんな中でバックパッカーをしていた時は英語じゃなくても会話はできていました。なので、外国語には抵抗がなかったですね。お金の面でも高校からずっと祖父母に留学しろって言われていたので、お金も出資してもらってました。なのであんまり障害はなかったですね。就活もコネで行くって決めていたので。
菅野:門野さんはどう思いますか
門野さん:勝手にハードルを上げているんじゃないかと思います。自分の中でもしっかりお金を準備して、飛行機も予約してと考えていると、準備自体にすごくお金がかかりそうだし、留学先はよくわからないし、おなか壊すんじゃないかとかっていうのをいろいろ考えちゃっていけないのかなって思いますね。
スポンサーリンク
体験談や情報を集める
菅野:留学にちょっとでも行きたいと思ってる人を本気にさせるにはどうしたらいいと思いますか?
筒井さん:僕自身の経験だと同じプログラムで行った人のとこ聞きにいって、こういうこと得たよっていう事聞いて、俺もその経験得たいって思えたので。
藤井さん:僕ははあんまり障害がなかったんで (笑) むしろインターンの方が不安でした。留学だったら周りに行った人がいたんですけど、インターンはあんまりいなかったので、そこの話が聞けなかったのは不安でしたね。そこは体験談を聞けたらもっと踏み切りやすかったかなと。
菅野:やっぱり人の体験が大事なんですね。Mさんはどうですか?
Mさん:私もさっき言った3つの要素が少しでも薄まれば、動きやすくなるのかなーって、今聞いてて思いましたね。一つ目のお金の面に関しては、例えば奨学金の情報をすごく集めたサイトなんかあったりしたら良いと思います。2番目の情報に関しては、筒井さんが言っていたみたいに、留学経験者から教えてもらえる場があったら留学のイメージしやすくなるかもしれません。3つ目の就活に関しては、留学に行った人の就職先が見えたりすると、よりモチベーションが上がるかもしれません。
留学へのモチベーションを高めるために
菅野:佐々木さんはどうですか?
佐々木さん:僕の場合、無駄にするのが怖いんですよね。人生は一度きりなので。先のことを考えて投資する感覚ですね。
菅野さん:なるほど、とても大事なことですね。
門野:私は、留学のハードルはもっと下げていいと思います。例えば、満点の星空やめっちゃ広い砂漠とか、日本にはないものが海外にはたくさんあるじゃないですか。ウユニの塩湖なんかを見ると、絶対に行ってみたいなってなりますよね。だからすごく単純な動機でいいと思っていて、英語を絶対話せる様になりたいとか、将来海外で働きたいではなく、単純な動機で別にいいんじゃないかなって思っています。行ってみる。まず行ってみないと視野は広まらないですからね。
なぜ留学生の方が楽観的なのか
菅野:では、最後の話題に移りたいと思います。留学している人は、留学してない人に比べると、その後の人生を楽観視できる傾向にあるというニュース があったのですが、みなさんはなぜだと思いますか?
筒井さん:僕は、留学している人は何かしらの壁にぶつかっていて、それを乗り越えているからなんだと思います。多少なりとも、「俺はあのとき乗り越えたから大丈夫」という気持ちが、自信につながっているんだと思います。
菅野:筒井さんは留学先の中国で壁を乗り越えた瞬間はありましたか?
筒井さん:僕の場合は本当に勉強が辛くて、授業もほとんど落とせない状況で学位を取らなきゃいけなかったので、そのプレッシャーがすごかったですね。テストやレポートがものすごく多かったのですが、それでもどうにかやりきりました。中国でやりたいと思っていたことは全部達成したので、その達成感が今の自信に繋がっているのかなって思いますね。
留学先の国民性が身に沁みつく
菅野:藤井さんはどうですか?
藤井さん:僕自身は、もともと楽観的なんで特になんともいえないのですが、外国人の性格が移ったのかなと思います。行った国がオースラリア、フィリピン、カナダ、アメリカ、タイ、ラオスやカンボジアなんですけど、これらの国の人たちってわりとみんな楽観的なんですよね。
菅野:国に共通してという感じですか。
藤井:国というか国民性というか、日本人と比べてみんな楽観的で、そんな人たちと1年間ずっと接してきてたので。楽観的な性格が移ったかもしれないですね。例えば、次の日に仕事があっても飲み会は楽しかったら全力で参加しますね。
先の事ばかり考えている日本人
小久保:日本人だと先のことばかりを考えてしまいますよね。
藤井さん:そうですね。それが日本人のいいところでもあり、悪いところでもあるんですが。海外へ行けば、寛容になるんですけどね。
菅野:Mさんはどう思いますか?
Mさん:皆さんの話に同意ですね。一つ目は、困難を乗り越えた事が自信につながるということです。もうひとつは、海外の文化が体に染みつくってことですね。楽観視できない人は、いま言った二つのことが無いのかもしれません。藤井さんが言ったみたいに日本人ってもともと心配性なので、着実に物事を積み重ねていくじゃないですか、だから海外の文化に触れないとそういう考え方に気がつかないんです。一方で筒井さんが言うように、留学に行くことで自分は困難を乗り越えたっていう自信が身につくので、何があっても大丈夫なんだろうなって思える人もいるんだろうなって思いますね。
日本人に生まれたという強みがあることに気づく
菅野:比較ができてないから楽観視できないってことですかね。
門野:私がインドに行って思ったのは、日本ってすごくいい国ってことなんですよね。生まれたことも幸せですし、技術力とかもすごいですし、それで日本人としての強味で海外で戦っていけるなっていう確信を持てましたね、あとは飛び込む勇気と発音の悪い英語を直せばなんか全然戦えるなっていうのを感じて、それに気づくことができたのはこの先役立つと思いました。
たぶんおなじものを売っていても中国産ってかいてあるよりも、日本産ってかいてあるだけで信頼度ってめちゃくちゃ高いんですよね。自分が飛び込むにしても中国の方よりもハードルは低いのかなと、好感度をもってもらえるっていうのは、めっちゃ仕事しやすいってことですね。すごくいいことだなと思ったのでこれを使わない手はないなと思いました。
大切なのはなんとかなるさって気持ち
菅野:佐々木さんは、どう思いますか
佐々木さん:日本って海外の悪いニュースが多いですよね。実際に行ってみたら全然危なく無いし。全く新しい環境で自分で選択肢を広げていくことで自信が積み重なっていくっていうのは大きいと思います。将来を考えたときに、海外へ行って選択肢が増える事で不安が少し薄れるかなと。就活が上手くいかなくてもインターンから入っていけばいいやとか、そんな感じでなんとかなるさって気持ちが大事だと思います。
菅野:留学にまずは行ってみる。まずは行動してみる。改めて前向きに行動することの大切を痛感しました。今日は貴重なお話をありがとうございました。
まとめ
今回は、様々なトピックに関して留学経験者からの視点での意見を聞く機会をいただきました。今回の記事を読んで、自分の可能性について考え、海外で勉強したいなと思った方がいれば幸いです。今回、座談会にご協力頂いた学生の皆さん、本当にありがとうございました。
佐々木 洋輔(ささき ようすけ)さん / 長崎大学4年生
半年間ロンドンの語学学校St.gileにて英語を勉強しながら、ミュージカルの演出家、ジャズシンガーから歌のレッスンを受ける。グアテマラ語学学校アタバルでのスペイン語学留学も経験。