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カナダ・トロントで妊娠〜出産の流れ&良くある質問3選
2018年12月、筆者はカナダのトロントにて第一子を出産しました。いくらカナダに長く住んでいるからと言っても、やはり海外でのはじめての妊娠、出産は不安な事が多く、戸惑いました。今回は、カナダでの妊娠・出産までの基本的な流れと、良くある妊娠・出産に関する質問に、筆者の経験を含めてご紹介します。
カナダでの妊娠・出産の流れ
以下、実際に筆者が妊娠〜出産までに経験した流れを時系列でお伝えします。
妊娠初期
妊娠検査薬で陽性反応がでたら、すぐにかかりつけのファミリードクター、いなければ近くのウォークインクリニックに行きます。簡単な問診を受け、血液検査の紹介状をもらいます。
陽性反応が出た場合、再度ファミリードクターのところへ行きます。その際、産婦人科専門医を紹介してもらいます。ファミリードクターの方から病院に紹介状を送ってくれます。その後病院から連絡が来るので、初検診(妊娠10~11週目)の予約をします。
また、助産師希望の場合は、自分で助産師を探し初検診の予約をします。ちなみに、助産師は人気があり予約待ちになることがあるので、助産師希望の方は妊娠が発覚してすぐに助産師を探して連絡をとりましょう。
最初の検診
産婦人科専門医、または助産師による最初の検診では、体重、血圧測定の他に、最後に生理が始まった日、妊娠歴、病歴、今現在の健康状態、服用している薬、サプリメント、アレルギーなどの細かい問診を受けます。
また、家族の病歴も聞かれるので答えられるようにしておきましょう。ここで血液検査と第一回目の超音波検査の紹介状をもらいます。最初の超音波検査は、通常12週前後に予約しましょう。あまりに早く予約を取りすぎると、胎児の大きさが小さすぎて見えないことがあります。
11週から13週
血液検査と第一回目の超音波検査が行われます。初回の超音波検査で、まず子宮外妊娠ではないかどうか確認します。子宮外妊娠でない場合、胎児の大きさや心拍数を測り、出産予定日の確認をします。また、このとき胎児の首の後付近の厚さをみて、先天性異常があるかないか調べます。
16週前後
二度目の定期検診。検査結果の報告と、体重、血圧、尿検査、胎児の心音を確認します。定期検診は30週までは月に一回、その後36週までは月に二回、37週以降は週に一回の頻度行われます。
18週から20週
第二回目の超音波検査が行われます。胎児の位置、大きさ、心音を確認します。また希望があれば、性別を確認することができます。ただし、胎児の位置によっては性別が確認できないことも。また、このときダウン症の可能性を調べる「Triple Maker screen test」と呼ばれる血液検査も行われます。
24週から28週
「Glucose Test」と呼ばれる妊婦糖尿検査が行われます。検査用のオレンジ色の甘い飲み物を飲み、その一時間後に採血をし、血糖値を測り妊娠糖尿病の可能性があるかどうか調べるテストです。テスト前日に、甘いものを避ける必要はないが、いつも以上に甘いものを食べないようにしましょう。
32週から34週
「Biophysical Profile」と呼ばれる第三回目の超音波検査が行われます。胎児の位置、大きさを確認します。ただ、特に身体に問題がなければ、この超音波検査はやらないことが多いようです。
35週から37週
「Group B Streptococcus(GBS)」と呼ばれるB郡溶連菌の検査が行われます。GBS陽性の場合、陣痛が始まった時点、または破水した段階で、すぐにペニシリン系の抗生物質を投入しなければならないので、すぐに病院にいく必要があります。
40週前後
出産間近の定期検診では、バースプランを話し合い、病院に連絡するタイミングのおさらいをし、病院への持ち物の確認などがあります。また、内診も行われます。
出産
出産費用は「OHIP」と呼ばれる州の国民健康保険でカバーされるので無料です。ただ出産後の病室は、相部屋のみカバーされるので、Private、Semi-Private部屋を選択した場合、料金がかかります。病院によって料金が異なります。
筆者が利用した病院では、Private部屋は$285で、Semi-Private部屋は$245でした。また、入院期間は日本と比べると非常に短く、普通分娩(無痛・自然)の場合24時間、帝王切開の場合は三日間で退院させられます。
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妊娠・出産に関する良くある質問3選
続いて、よくある質問をご紹介します。
1.産婦人科専門医と助産師、どっちを選ぶべき?
この質問はよく受けます。まずは私が友達や同僚から聞いた情報を元に、違いを挙げていきます。
産婦人科専門医=ハイリスク患者を主に扱う
産婦人科専門医は、高齢出産、持病がある人、つまりハイリスク患者を主に取り扱います。ローリスク患者も受け入れてもらえますが、定期検診の時間がとても短く、その上対応が淡々としていて機械的です。
また、担当の産婦人科専門医が必ず出産に立ち会うとは限りません。それに加え、出産が終えたら、そこで産婦人科専門医の仕事は終了となり、産後のアフターケアはありません。
助産師=普通分娩・ローリスク患者を扱う
助産師は、普通分娩のローリスク患者のみ取り扱います。助産師は医師免許がないので、帝王切開などの処置はできません。定期検診の時間は一人30分くらいで、親身になって質問に答えてくれます。
また、産後のアフターケアもしっかりしていて、自宅に来て新生児の検診から、母乳の指導、栄養指導など、子育ての悩み相談にものってくれます。産後6週間まで面倒をみてくれるので、産後すぐ自分で小児科医を探して新生児検診に連れて行く必要はありません。
助産師→産婦人科医に途中で引継がれることも?
私自身もはじめはどっちを選ぶべきか迷いましたが、周りの友達から助産師を圧倒的に薦められたのと、助産師の方が利点が多いので、私は助産師にしました。そして助産師にして大正解だと思っています。
私は、病院で普通分娩を希望していましたが、陣痛が途中で弱くなり、胎児がなかなだ出てこれず、胎児の心拍が下がってしまい、最悪の場合には帝王切開になると言われ、助産師から産婦人科医に途中で引継がれ、産婦人科医の元、陣痛促進剤を打ち、吸引分娩という方法で出産しました。
私のように、胎児が危ない状態だと判断されると、すぐに産婦人科専門医に代わってもらいます。出産後はまた助産師のケアに戻されるので、安心です。
2.ホスピタルバッグ以外に、病院に必ず持っていく物はとは?
OHIPカードは必ず持っていきましょう。また退院時には、使用期限が充分あるカーシート(日本でいうところのチャイルドシート)が必要です。退院時に看護師が使用期限を確認します。使用期限が切れているカーシートでは退院できません。必ず、事前に買っておきましょう。
また、子供が日本国籍を取得する場合、領事館サイトより出生証明書をダウンロードして出産時に持参する必要があります。出産後、担当医または助産師のサインが必要になるので、必ず事前に用意しておきましょう。
3.風邪ひいても薬は飲めないの?
基本的に妊娠中に飲める市販の薬は「Tylenol」と呼ばれる痛み止めです。軽い微熱や頭痛があるときには、Tylenolであれば妊娠中に飲んでも安全です。
ただ、サプリメントやハーブティーなどは安全に思えても、妊娠中に飲んでいけないものもありますので、担当医に確認しましょう。もしくは「Motherisk」という妊婦に関するサイトのヘルプラインに連絡してみましょう。
MOTHERISK
まとめ
以上、カナダ・トロントでの出産経験を元に出産までの流れとよくある質問をご紹介しました。
日本とカナダでは、妊娠から出産までの流れも違います。筆者が一番驚いたのは、超音波検査の少なさです。なんとトータル2回~3回というのには、正直不安を感じましたね。
カナダで妊娠、出産を控えている方のお役に立てれば幸いです。
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