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海外の理系大学院への進学を検討する際に知っておきたい奨学金制度
海外の大学院への進学を検討されている方は知っておきたい奨学金制度について、現在筆者が住むヨーロッパの例を挙げお伝えします。
海外の大学の学費は安い
ヨーロッパの大学は日本の大学と比べて学費は安い傾向にあります。筆者の住むスペインの国立大学の学費は学士の場合で年間1500ユーロ程です(2016年現在)。フランスの大学は基本的に学費が無料です。
しかし、学費以外の生活費が必要となってきます。筆者が現在住んでいるマドリッドは物価は比較的安いほうですが、それなりの住居となると値段も高めで探すのも大変です。
返済義務のない奨学金もある
そこで、少しでも費用の負担を抑えるために奨学金を使うことも選択肢として挙げられます。しかし、日本では奨学金というと返済型の奨学金が主流で、卒業後にその返済が始まる、といったものを想像するのではないでしょうか。
実は奨学金には給付型と呼ばれる返済する必要のない奨学金があり、日本でも幾つかの財団が実施しています。また、外国の大学でも給付型の奨学金制度を実施しているところが多いです。大学のウェブサイトを見て「Financial Aid」という項目を確認してみましょう。これらは給付型の奨学金です。スペインの大学にも「Becas(奨学金)」という項目で出ています。
給付型の奨学金が受けられるのは優秀な生徒に限られるのも事実ですが、どのようなものがあるか調べてみてはいかがでしょうか。
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ヨーロッパで有名な「マリー・キュリー財団」
また、ヨーロッパで有名な奨学金にマリー・キュリー財団(Marie Skłodowska-Curie actions)があります。マリー・キュリーとは、放射線の研究で有名なノーベル物理学・化学賞を受賞した女性科学者、キュリー夫人のことです。
マリー・キュリー財団では理系の分野に数多くの奨学金を出しており、筆者のパートナーは運良くこの奨学金を得られるプロジェクトに採用され、日本からスペインに来ました。
この奨学金は受けられる金額が多く、加えて「Mobility allowances」といった移動にかかる費用も考慮されます。
修士、博士課程、ポスドク(博士研究員:Postdoctoral Fellow)と研究を続けていく場合、過去に受けていた奨学金で次の奨学金が決まりやすくなったり、その後の経歴に箔がついたりします。
最後に
学士の4年間を日本でみっちりと勉強し、外国の奨学金を受けられるまでの英語力をつけるのも外国の大学へ進む手段だと思います。日本の大学院に行こうと思っている方、行きたい大学、学びたい分野などがはっきりしていれば外国の大学のウェブサイトの奨学金の項目を探してみてください。
英語のページをじっくり読み。面倒な書類を一つずつ正確に作成することも合否を分けるかと思います。
マリー・キュリー財団ウェブサイト にはポスドクの公募も出ています。狭き道ではありますが、挑戦してみるのも良いかもしれません。若い皆様に目標を持って学問に励んでいただきたいと思っています。