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イタリアで震災が起きた際の対策は?地震大国イタリアでの準備と危機管理

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2016年4月14日に発生した熊本地震と17日に発生したエクアドル地震。これらについてはイタリアでも毎日被害状況が報じられ、ニュースサイトの検索キーワードではしばらくの間「Terremoto (地震)」がTOP10に入っている状況でした。そこで今回は、イタリア滞在時の地震への備えと構えについてお話したいと思います。

地震大国イタリアの現状

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イタリアはヨーロッパでも有数の地震大国です。というのも、ユーラシアプレートとアメリカプレートの境に位置しており、また火山も沢山あるからです。しかしながら日本のような地震対策は殆ど出来ていないのが現状です。参考までに私の住んでいる北イタリア中都市の状況は以下の通りです。

地震に対する準備について

2012年に北イタリアでM5.8の地震があった時は、国内での危機意識が一気に高まり地震への備えを始める人も一時的に増えたようですが、もうすっかり元の生活に戻ってしまっているように感じます。日本人学校では地震を想定した訓練を毎年行っていますが、それ以外では、一部の学校・会社で火災を想定した避難訓練をやっている程度です。

地震に対する構えについて

地震に対する備えは十分ではないもの、イタリア人の地震に対する危機意識は、他国に比べ高い印象を受けます。他国で地震があった際は頻繁に報道されますし、日本文化を紹介するフェアでは「日本は地震が多いので非常用リュックが家に置いてあります」と、地震に関する紹介を同時に行うこともあり、多くの人が足を止めて真剣に耳を傾けています。 ただ、イタリア人の友人曰く「心配はしているが、何百年前の建物を建て替えるわけにもいかないし、個人レベルではどうしていいかわからない」というのが本音のようです。

地震発生時の様子について

私は渡伊後、小さな地震を1度だけ経験しました。その時は寝ていたのですが「ドン!」と下から棒で突かれたような揺れを感じ、慌ててネットを見たのですが「異状なし」。その後、周囲がざわつく様子もなかったので寝てしまったのですが、翌朝再度ネットを見るとやはり地震でした。

イタリアにも地震速報サイト はあります。しかし、具体的な震源地や震度・マグニチュードなどの詳細な表示はなく、速報性も低いです。また、イタリア人は日本人ほど地震に慣れていないので、地震発生時も戸惑う人がほとんどです。しかも建物の耐震性が低いので、小さな揺れでも大混乱…。地震発生時、商業施設などにいると、しばらく経ってからサイレンと共に「外へ出てください」とアナウンスが入り、その後は「危ないから今日は店を閉めます」ということもあるそうです。

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イタリアでの地震への備え

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私は日本の「一人暮らし向け地震対策本」などを頼りに、まずは非常袋の準備や避難経路の確認など、個人で出来ることをしています。イタリアでは地震発生時の避難場所等も特に決まっているわけでないので、自分自身で「どうするべきか」決めておくと安心です。 また、隣近所の人には普段から積極的に挨拶をしておくと、いざという時に手を差し伸べてくれるはずです。

あとは学校で習った避難訓練の約束(「おかしはも」など)を守ることです。地震ではないのですが、私はつい先日イタリアのショッピングセンターにいた際、突然誤って火災報知器が鳴り、世間がテロの話題で持ち切りだったこともあって、よくわからないイタリア語のアナウンスや日本で聞いたことのサイレンの音に一気にパニックになってしまいました。異国の地で落ち着いて行動することは本当に難しいです。もし機会があれば他の方の体験談なども積極的に聞いておくと良いかもしれません。

最後に

私も地震に対する危機意識は渡伊後、だいぶ薄れてしまっていましたが、今回の熊本地震を機に改めて避難経路の確認をしなおしました。是非この記事をきっかけに、今一度非常時の備えをしていただけたら幸いです。

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