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バンクーバーの公共交通機関の将来やいかに?住民投票の結果
2015年の年始めから7月頃まで、バンクーバーおよび近隣都市では、「Transit Plebiscite」(=公共交通機関についての住民投票)が話題になりました。ここでは、バンクーバーの公共交通機関の将来に関わる、この住民投票についてご紹介します。
バンクーバーの市内交通
カリフォルニアとデンマーク(いずれも車社会)に住んだことがある私としては、バンクーバーの市内交通は非常にレベルが高いと感じています。しかし、増え続ける人口を受けて、各市長はこのままでは「公共交通機関がパンクしてしまう」と判断。バンクーバー市内および近郊の公共交通機関のシステムを改善することに対する住民投票が行われました。
何のための「住民投票」だったの?
今回の住民投票の目的は、「既に12%である消費税を12.5%に引き上げ、そこから得られる合計750億円の収入によってバンクーバー市内外の交通システムを整備する」という提案に対する、住民の意見を聞くことでした。
具体的な内容には、メトロバンクーバー(バンクーバー市、バーナビー市、リッチモンド市などの、バンクーバーを中心とした行政区)のバスや電車などの交通機関に新しい車両を導入すること、バスなどの本数を増やすこと、既存する橋の修繕をすることなどがありました。
一番の目玉は、UBC(University of British Columbia)に向かうBroadwayのバス99番(ラッシュ時は満員で乗れないことも多々)の混雑解消のために、Broadwayに新しい地下鉄を建築することでした。
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気になる結果は…
バンクーバー情報サイトVANCITY BUZZによると、今回の住民投票では、61.68%の住民が「NO」に投票したとのこと。(出典: 62% vote NO in Metro Vancouver Transit Plebiscite )
公共交通機関の改善による市民への利益が最も大きいであろうバンクーバー市の「YES」への投票率は、50.81%でした。しかし、他の市町村と合わせると、結果は圧倒的「NO」に転じました。
税金にNOというよりは、TransLinkにNO
一部のニュースや新聞では、このように報道されました。
「今回の住民投票では、市民は税金アップにではなく、交通機関を運営するTransLink社にNOを叩きつけた。」
ちょうどこの投票が行われていた機関中にも、TransLinkが運営するSkyTrain(電車)が2回ほど運転停止。多くの乗客が足止めされ、チケットや定期券の一部を払い戻す騒ぎともなりました。また、TransLinkの上層部は給与が非常に高いことでもしばしばバッシングされています。
このような税金の使い道の不透明さが、今回の「NO」の結果につながったと考えることもできるでしょう。
まとめ
既に12%という高い消費税を払っているバンクーバーやその近隣の市民たち。公共交通機関の改善は必要だが、まずは運営会社であるTransLinkの見直しを!と考える人が多いようです。
公共交通機関の計画は縮小されるものの、サーレー市の鉄道、99番のバスの本数の増加など、現在の収入でできるところから、改革が進められることになりそうです。
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