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フランスだけじゃない!イタリアにある2つの「モン・サン・ミシェル」とは?

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皆さんは「モン・サン・ミシェル」と聞けば、恐らくフランス・ノルマンディー地方にある世界遺産をご想像されるでしょう。しかし、実はイタリアにも「モン・サン・ミシェル」がございます。ここではイタリアの「モン・サン・ミシェル」の場所や、その魅力についてご紹介します。

「モン・サン・ミシェル」とは?

フランスの世界遺産「モン・サン・ミシェル」は、日本語にすると「聖ミカエルの山」です。「聖ミカエル」とは、旧約聖書などに登場する重要な天使で「大天使」という階級の天使です。

「天使」は、カトリックなどでは「神の使い」とされておりますが、実は9つの階級に分かれております。その中で「聖ミカエル」は「大天使」という、神のお言葉を聞いて、それらを他の天使たちに告げて、実行するリーダー的存在とされています。

その「聖ミカエル」を祭った場所のひとつがフランスの「モン・サン・ミシェル」ですが、実は世界各地に同じ名前の「聖ミカエル信仰の地」があるのです。

イタリアには2つの「モン・サン・ミシェル」がある?

実はイタリアには2つの「モン・サン・ミシェル」がございますので、それぞれについてご紹介してまいります。

Sacra di San Michele(サクラ・ディ・サン・ミケーレ)

「Sacra di San Michele(サクラ・ディ・サン・ミケーレ)」は、ピエモンテ州にある「Pirchiriano(ピルキリアーノ)」という標高962mの断崖絶壁の山の上に建っている「修道院」で、遠くからでもその荘厳な佇まいを拝むことができます。

「修道院」とは「教会」とは違い、俗世から離れて修行に打ち込むための、道場のようなところ。「Sacra di San Michele」は「ベネディクト会」という団体のための修道院で、当時は100人以上の人が施設内で共同生活を送っていたそうです。

入口までは車であがることもできますが、穏やかな気候の春〜秋にかけては山登りを楽しむ方もたくさんいますので、体力のある方は徒歩で登るのも良いでしょう。

施設は10〜12世紀頃建てられた大変古いものですが、中に入ると、随所に当時の共同生活の面影を感じることができます。また、頂上まであがって外へ出ると、雄大なアルプスの山並みが眼前に広がり、上り坂、急な階段の連続でヘトヘトだった体も一気に回復するでしょう。

遠くから見てもフランスの「モン・サン・ミシェル」と同じか、それ以上に美しい佇まい。また、入口で入場料を払うと、日本語の案内パンフレットを貸してもらえますので、さらに理解も深まることでしょう。是非、足を運んでみてください。

Santuario di San michele Arcangelo(サントゥアリオ・ディ・サン・ミケーレ・アルカンジェロ)

「Santuario di San michele Arcangelo(サントゥアリオ・ディ・サン・ミケーレ・アルカンジェロ)」は、プーリア州の「Monte Sant'Angelo(モンテ・サン・タンジェロ)」という地区にある施設で、一帯が2011年に世界遺産になったこともあり、昨今ではカトリック信者以外の方にも広く知られるようになりました。

「Santuario di San michele Arcangelo」は「聖ミカエル」を最初に信仰しはじめた場所と言われており、「Sacra di San Michele」と比較すると何倍もの人で賑わっております。

6世紀頃建てられたといわれる教会には、無料で入ることができ、中は「洞窟教会」とでもいいましょうか。原始的な石の祭壇の向こうに「聖ミカエル」が祭られており、なんとも神秘的な光景が広がっております。

「モン・サン・ミシェル」ほどではないですが、こちらはだいぶ観光客向けに整備されている印象。ただ、それだけアクセスもしやすいと思います。イタリアの世界遺産の中でも比較的新しいものにあたるため、是非日本のガイドブックで取り上げられる前にチェックしてみてはいかがでしょうか?

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フランスの「モン・サン・ミシェル」との深い関係とは?

さて、これらのふたつの聖地ですが、実はフランスの「モン・サン・ミシェル」と大変深い関係で結ばれております。というのもこれら3つを線で結ぶとなんと綺麗な一直線になるのです。具体的にはこれら3つとさらに以下4つの聖ミカエルの信仰の場をまとめて「Linea sacra di San Michele」といい、全てが1つの線で結ばれております。

  • Skellig Michael(アイルランド)
  • St Michael's Mount(イギリス)
  • Monastero di Symi(ギリシャ)
  • Monastero di Stella Maris(イスラエル)

現代のような測量技術や情報伝達技術の無い時代に、このようなものができたのはまさに神秘そのもの。イタリアではこの線を「パワースポット」とする人も多く、例えばこの線の上に新しく施設や道路を作る際などはかなり慎重に議論をされます。

もちろん、聖地巡礼として7ヶ所全てを巡る敬虔なカトリック教徒もたくさんいらっしゃいます。

まとめ

いかがでしたか?今回ご紹介した以外にもイタリアにはたくさんのパワースポットがございます。いずれもなかなか日本では紹介されないのがもったいないくらい息を呑むような美しさを誇るものばかり。また訪問した際はレポートしてまいります!

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