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フランス人が誰もが知っている詩人・小説家「ヴィクトル・ユーゴー」

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先日、筆者が街を散歩して本屋さんで本を見ていたときに、若い学生らしき女の子が店員に「マダム!レ・ミゼラブルの本はありますか?」というフランス語の会話が聞こえてきました。その後、洋服を見ているときに突然、後ろから大きな若い女性の声がしました。その女性はお店の物を盗んで警備員に捕まっていて、フランス語で大声で叫び、大暴れしていました。 さまざまな「レ・ミゼラブル」があるのだなぁと、考え深い一日を過ごしました。フランス人の誰もが知っているレ・ミゼラブルの原作者「ヴィクトル・ユーゴー」についてご紹介します。

フランス人の誰もが知っている「ヴィクトル・ユーゴー」とは?

1802年フランスのブザンソンでヴィクトル・ユーゴーは生まれました。父親が軍人の道を歩ませたかったのを振り切り、17歳あたりから詩のコンクールで賞を取るなど、文学の道を歩むようになり、若くして国王から年金をもらえるほど、文学界では名の知れた存在になりました。

20歳の頃、家族に反対されながらも幼馴染の女性、アデールと結婚しました。2人の子供の中には亡くなった子供もいましたが、子宝に恵まれ、多くの子供を育てました。夫婦はお互いに不倫があったり、家族が自殺したりなど、波瀾万丈な人生を歩みますが、ユーゴーは、そのような経験をすべて文学作品へと昇華させました。政治活動をしていた時期もあり、そのために亡命を余儀無くされたこともあります。83歳でパリで亡くなり、国葬され今もパンテオンに眠っています。

パリにあるヴィクトル・ユーゴーの家

ヴィクトル・ユーゴーは、さまざまな場所に家があったようですが、パリのマレ地区にあるアパートが有名で、1832年から1843年あたりにかけて生活していたようです。

そこは、ヴォージュ広場というパリで一番古いと言われる広場の片隅にあります。よく見ないと広場を一周してしまうほど、とても見つけにくい場所にあります。こんな端の方にアパートがあったのか!と筆者はかなり驚いてしまいました。

無料なのは嬉しいのですが、入り口や部屋のあちこちに警備員が厳重に見張っているという緊張感があります。そのため、お客さんは静かに見ているので、木の床を歩く足音がギシギシと鳴っている音だけが聞こえるという感じです。

内部は、6室ほどあります。ヴィクトル・ユーゴーの直筆や初版本、手紙などの遺品、彼が作った家具や、とても貴重で古いミュージカルなどのポスターがたくさんあります。内部を歩くと立派なお部屋があるのですが、その中でも、アジアに興味のあったヴィクトル・ユーゴーのアジア関連の美術品が見物です。ドラクロワの描いたユーゴーの絵画も立派です。

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有名な著作

ヴイクトル・ユーゴーの著作は膨大で、長編も多いことで有名です。一番有名なのは映画や舞台でお馴染みの「レ・ミゼラブル」ですが、「ノートラダム・ド・パリ」や「ある犯罪の物語」など、膨大な書籍を執筆しました。

レ・ミゼラブル

フランス革命の時代、主人公のジャン・バルジャンは貧しく、空腹の姉の子供たちのために一切れのパンを盗んだために、19年間牢屋に入ることになりました。その後出所したものの、バルジャンが教会で銀の燭台を盗もうとして教会の司教に見つかってしまいますが、司教は自分があげたものだと罪を責めずに、バルジャンを助けます。

その事件をきっかけに、バルジャンは更生し、名前をマドレーヌと名乗り、勤勉に働き、事業を成功させ、市長の仕事までするようになります。作業場で働いていたシングルマザーの不幸なフォンテーヌと出会いますが、フォンテーヌは事件に巻き込まれ、仕事を解雇され、娼婦になり病気で亡くなります。フォンテーヌの死後、幼い娘のコゼットを引き取り育てます。

コゼットが年頃になり、青年マリュウスと恋人同士になります。マリュウスは革命運動に参加するようになりました。戦争中、最初はコゼットを連れてイギリスに逃げようとバルジャンは考えましたが、コゼットのマリュウスに恋する気持ちに負けて、バルジャンは戦火のパリでマリュウスを探し、コゼットの手紙を渡そうとします。マリュウスは、王の軍隊の攻撃を受け、負傷した所をバルジャンに助けられます。

その後、マリュスとコゼットは結婚するものの、バルジャンは自分の罪深い過去をマリュウスに告白、迷惑をかけたくないためにコゼットに黙って修道院に入ります。その事実を知ったコゼットは、修道院に駆けつけますが、コゼットと別れた悲しみから生きる目的を失い、病に犯されていたバルジャンは、コゼットの側で亡くなります。

映画、ミュージカル、原作には、多少の違いがあるのですが、大事なポイントは、司教の許しとジャンバル・ジャンの更生と誠実な生き方、コゼットへの無償の愛は、どの作品にも描かれています。

レ・ミゼラブルの原作本

筆者は、子供の頃に本で「レ・ミゼラブル」を読みました。子供版は、とても短いのですが、原作本はものすごく長い本です。手軽な映画でも良いのですが、原作の方は映画にはない魅力があります。特に、フランス革命のあたりのパリの様子がリアルに描かれています。

描写が細かいので、目に浮かんでくるような文章ですが、読みきれない人は、簡易版をおすすめします。また、原作本のフランス語の分量が多いので、日本人にとって原作本は、かなりフランス語のレベルが上になってから挑戦しないと挫折するかもしれませんが、あまり難しいフランス語ではないので、トライしてみるのも良いかもしれません。

 
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レ・ミゼラブルの外国でのリメイクについてのフランス人の評価

多くのフランス人は、自国の作品のリメイクにとても手厳しいです。特に、アメリカ版のレ・ミゼラブルの映画に対する評価は、厳しいものがあります。アメリカの映画やミュージカル版は、シリアスな内容なのに「何でセリフを歌うのだ?」という根本から納得がいかないという意見もあります。

アメリカ版はアメリカ版、フランス版はフランス版と、原作との比較をすると、それぞれ個性があっておもしろいとも言えるでしよう。日本では、劇団四季のミュージカル「レ・ミゼラブル」が、アメリカのブロードウェイでロングランで演じられており、フランス人が大事にしている名作が世界を魅了していることがわかります。

 
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ヴィクトル・ユーゴーが残した名言

最後にヴィクトル・ユーゴーが残した名言をご紹介します。

  • 誰かを愛することは、神様の顔を見ることだ。
  • 人生における無上の幸福は、自分が愛されているという確信である。
  • どんなに暗い夜もいつか終わり、太陽が昇る。
  • 哲学は思考の顕微鏡である。
  • 女は弱し、されど母は強し。

まとめ

いかがでしたか?日本では、世界の名作の一つという感じがありますが、フランスに来ると、ヴィクトル・ユーゴーは本当にフランスで愛されている文豪なのだと驚きました。道の名前や駅の名前、学校など、あらゆる場所で、ヴィクトル・ユーゴーの名前がつけられていてます。

フランスでは、とても重要な人物なので、フランス留学を検討されている方は、是非一度ヴィクトル・ユーゴーの作品に触れてみてください。

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