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美輪明宏さんから学ぶ!フランス文化5つの極意
美輪明宏さんは、日本を代表する文化人としてお馴染みですが、過去にフランス人の映画監督が美輪さんのドキュメンタリーを撮影したり、フランスでの舞台公演を行うなど、フランスに縁が深い人物であると言えます。そんな美輪さんの生き様についても、フランス文化の影響を垣間見ることができます。ここでは美輪明宏さんのお話から見えてくるフランス文化の極意についてご紹介します。
1.ないものや自分に合わない物は自分で作る精神
若い頃の美輪さんは、自分なりに工夫して家賃の安い小さな部屋を美しく飾っていたそうです。骨董屋さんで古いランプを買い、自分なりに布でアレンジしたり、家具に明るいカラーでペイントしたり、おしゃれな昔の俳優のブロマイドを飾ったり、素敵な音楽を部屋に流していたために、ボーイフレンドが帰りたがらない居心地の良いお部屋だったそうです。
今でも美輪さんのお部屋は、舞台で使ったセットをインテリアとして再利用するなどして、とても素敵な部屋に仕上げており、テレビで放映される度に、その美しさに驚きます。
フランスでは、自分でお気に入りのインテリアを作る人がたくさんいます。筆者の身近な人の中には、素人なのに、自分の家を自分で作ってしまった人もいます。古い家具を磨いて素敵にペイントをしたり「bricorage(DIY)」をすることで、居心地の良いお部屋を作るのがフランス流です。
2.おしゃれは自分なりのアレンジをする精神
若い頃の美輪さんは、衣装の歴史の研究やフランスの洗練されたファッションに目が向いていたこともあって、誰のマネもしていない全身が紫の衣装で銀座の街を歩いていたそうです。
フランスでは、自分なりの工夫のあるおしゃれが上手な人も多いです。ただし、あまりお金かけず、自分なりにアクセサリーを変化させたり、インテリアと同じで洋服もバランス良くコーデネイトをしている素敵な人がたくさんいます。
布のマルシェやクリエーションのイベントがあると、多くの人が集まり、布地やソーイング用品を大きなカートにたくさん詰め込んで購入していく人が多いことに驚きます。自分で作って大事に着こなすフランス人が大勢いるのです。
また、美輪さんは、歳を重ねるにつれて明るい色やゴージャスな雰囲気をおしゃれに取り入れてみることをおすすめしています。フランスで驚いたことは、美輪さんが言うように、とても明るい色や若い人が着るような洋服を着こなしている熟年のマダムが多いことです。年配になるとグレーや茶色などの、目立たない年相応のおしゃれをしないと恥ずかしいという一般的な日本人の概念とは真逆の発想です。
留学生の方は学問がメインですが、時には自分の将来のお手本としてフランスで人間ウォッチングしてみましょう。自分なりのおしゃれを美輪さんのように楽しめるようになるかもしれません。高い洋服でなくても、明るい色や自分なりの素敵なおしゃれをしていると心の有りようも変わってくるものです。
3.あらゆるチャンネルを楽しめるような文化的な知識を持つこと
美輪さんは「どんなチャンネルに変えても、楽しめる自分であることが大事だ。」とボーイフレンドに教わったそうです。
フランスで生活をしていると、若い人たちや年配の人たちが共通する話題が、あらゆる時代のフランスの文化です。フランスでは、あらゆる分野にアンテナを張っている人が多く、活字の本や雑誌を良く読み、さまざまな年代の映画を鑑賞し、時代に関係なく素敵な音楽をたくさん聴いており、アートから政治や経済まで、ものすごく知的でさまざまな内容の話をします(そのために話が長くなることも)。
音楽の例で言えば、フランス人の学生でも、ラップやロックなどの今時の音楽も好きですが、とても古い時代のフランスの音楽も良く知っている人が多いのです。時代に関係なく、素敵な文化は素敵だという受け止め方ができるのは、フランス人の特徴です。
フランスの男性は「話が上手」な人ほどモテモテなのですが、どんな美人でもお話がおもしろくないとモテず、チャーミングで美人ではないけれど、話上手で、素敵な男性がよってくる女性がいるというのは本当です。素敵な人に出会いたい場合は自分磨きが大切だということが分かります。
日本では、少し専門的な内容を含んだ話をすると、マニアックだとか空気が読めないとか、何かと妬みや悪口に繋がってしまう側面がありますが、フランスでは自分の持っている知識をフルに使って相手と楽しく話そうとする姿勢は、ある程度どのような話題であっても話が転がり、話に花が咲くことが多いです。
4.人の人生はさまざまであること
フランスは、昔からさまざまな人生の人たちを引き寄せる国で、お話をしてみると、本当にとても個性的な人生を歩んでいる人たちがたくさんいます。筆者が聞いたことのある美輪さんのお話にも、さまざまな人たちの出会いや人生のお話がたくさんありました。
フランス人の気難し男性が話をして来たときに、うまく会話に巻き込み、男性が美輪さんに恋してしまったというお話や、モンマルトルで貧しい絵描きのふりをしていたイタリアの貴族は、本当に自分を愛する人がほしかったけれど、出会った女性は、自分の後ろにあるお金を愛するようになってしまい、お金に人生を狂わされたお話など、さまざまな人生があることを教えてくれました。
最近、筆者はカンヌ映画祭にも出たこともあるのに、なぜかホームレスのような生活をしながらパリで絵描きを目指している熊本出身の70代の男性に出会いました。
人の人生はさまざまですが、時として人間は隣の芝生が青く見えるものです。しかし、みんな自分が人生の主人公で、自分の人生をどう生きて行くのかは自分次第なのだということが分かります。
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5.日本の文化の素晴らしさに目を向けること
これはフランス文化の極意というよりは、日本人がフランスで暮らしていく中で見えてくるものです。
フランスに来て、それまで当たり前だった日本の文化が驚くほど輝いて見えるようになりました。フランスでは、古くから日本の文化の多様性に感銘を受け、多くのフランス人が今でも憧れの国だということにも驚きました。
美輪さんは、日本の文化の素敵さもたくさんお話していますが、そのどれもが、フランスに来てからの精神の栄養や安らぎになっていたり、フランス人に話せば、フランス人が感動したり、聞きたがったりすることに驚かされます。
フランスに来る前には、美輪さんのように、ぜひ、自国の文化の素敵さを語れるようになる方が良いでしよう。
美輪明宏執筆のおすすめの本
美輪明宏のおしゃれ大図鑑
美輪さんは、さまざまな本を出版していますが、その中でも文化について、とてもまとまっている本です。とてもカラフルな本で、フランスはもちろん、日本や他外国の素敵な文化が凝縮されています。
フランスの古い文化などは、若い人たちには少しとっつき難いと思いますが、この本のフランスの文化の項目は、とてもシンプルに簡単に書かれているので、入門にはかなりおすすめです。
実際に、この本を読んで知識を得たあとにフランスの街を歩いていると、美輪さんの本で紹介されている音楽が流れていたり、銅像が立っていたりすることがあります。そのたびに「なるほど」と頷くこと間違いなしです。
美輪明宏のラジオ
薔薇色の日曜日
美輪さんは、薔薇色の日曜日というラジオ番組に出演しています。頻繁にフランス文化のことや、美輪さんのフランスでの経験を語られます。フランスはもちろん、日本、その他の外国の素敵な文化のお話がたくさんあります。フランスに留学する前に、少し聞いておくとためになります。
薔薇色の日曜日ウェブサイト
まとめ
筆者が子供の頃から美輪さんはすでに活躍していて、日本人ではないような彫りの深い妖艶な人は誰だろうと印象が強かったことを覚えています。大人になってから美輪さんの本を読んだり、ラジオやテレビから何げなく見聞きしていたものが、フランスで実際に生活するようになって、ものすごく役立っていることに深い感動を得ていることに有り難さを感じています。
人生は学びの連続です。さまざまなアンテナを持つことは急にできることではなく、留学中にもさまざまな文化に出会うと思いますが、その一つ一つを毛嫌いせずに吸収していくと、生き方も自然と変わってくるはずです。
留学前に、短時間でも美輪さんなどのフランスや外国の文化や日本の文化の素敵さを知っている人たちのお話を見聞きしておくと、どんなフランスの文化も他外国の文化でも、さらに楽しめるようになるでしょう。
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