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ゴールデングローブ賞の女優賞を獲得したフランス人女優「イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)」とは?
2017年1月9日に行われたゴールデングローブ賞の授賞式の主演女優賞ドラマ部門にフランスの女優のイザベル・ユペールが選ばれました。イザベル・ユペールとは、どのような人物なのでしょうか?
イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)とは
イザベル・ユペール(Isabelle Huppert)は、フランス・パリ生まれの現在63歳のベテランの女優です。60歳を超えているようには見えないルックスですが、華やかな女優というより、地味目のシックな女優というのが彼女のフランスでのイメージです。
特に、静かで知的な女性を演じているあたりさわりのない演技かと思うと、演じている役が、突然変わった嗜好になるという激しく難しい演技を大胆に演じ切ってしまうという二面性を演じ切れる貴重な女優です。
さまざまな有名作品にも出演し、数々の世界的な賞を受賞もしています。
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イザベル・ユペール出演のおすすめ映画
ピアニスト(La pianiste)
カンヌ映画祭で賞をイザベルが数々の賞を受賞した作品です。ノーベル文学賞をもらったことがあるエルフリー・イェリネクの作品で、監督は世界的な映画監督のミヒャエル・ハイネケが担当しました。
イザベルが演じる、ピアノを音楽院で教えている教師エリカが、教え子の若い男性、ワルターを愛するようになります。エリカは子供の頃から毒親の母親に育てられたため、とても暗い性格で、洋服も地味、話せば冷たいという影のある女性でした。
ワルターはエリカに惹かれ、エリカの冷たい態度にも負けずにエリカに近づきます。ある日突然、お手洗で二人は情熱的なキスをして愛しあおうとしますが、エリカには変な性癖があり、ワルターは動揺、最後はひどい男性に変化していきます。
ワルターとの関係が終わったエリカが、バックの中のナイフで自分の胸を刺して、外に歩いていくシーンはかなり強烈です。
日本でこの作品が公開されたとき、主人公のエリカの仰天するような二面性と、最後の強烈な結末、ワルターを演じたブノワ・マジメルの若きピアニスト役の美しさが評判になり、話題になった作品でした。
とても難解な作品ですが、エリカの胸に突き刺したナイフからの流血は、愛に傷ついた女性または、毒親に傷つけられた心なのか、女性の心象が強烈なイメージで残る作品です。
肉体の学校(L'Ecole de la chair)
イザベルが、日本の三島由紀夫の作品を演じた映画です。特に賞は取っていないのですが、三島作品のフランス版の素敵さが引き立つ作品です。
イザベルは、日本のテレビ番組で以前、ルーヴル美術館の紹介番組にも出たことがあるのですが、この映画もそうですが、日本と接点がある女優でもあります。
三島の文学では、第二次世界隊戦後に華族だった女性が数々の恋愛をしながら、野性的な日本人の男性と熱烈な恋愛に落るという話ですが、フランス版では背景は現代であり、舞台はパリで、高級な洋服店の裕福な女性がボクサーの貧しい男性に恋に落ちますが、男性も日本人ではありません。
世界を魅了する三島文学もイザベルが演じると、フランスの文学作品のような味わい深い作品に変わります。男が恋愛の主導権を握ったり、女が奪い返したりの強烈な恋愛模様に圧倒されます。
ELLE
今回、ゴールデングローブ賞をイザベルが受賞した作品です。
イザベルは、ピアニストの映画でも、性的なダメージのある女性を演じましたが、ELLEでは、自分をレイプで傷つけた男を探して復讐するというものすごい強い女性を演じています。
「目には目を。歯には歯を。」的な内容の映画ですが、泣き寝入りは絶対にしないというメッセージが強い作品です。あまりにも激しい描写から批判もあった作品でしたが、イザベル自身が、女性の自由な行動、自由を選ぶという視点に共感し、この作品に出演したようです。
主人公は、警察にはレイプ被害を届けず、別れた夫や友人の前でもさらりとレイプされたことを話してしまうのも驚きますが、犯人を自分で探し始めるという行動にも驚きます。
フランスの普通のマダムの淡々とした生き方やファッションも日本人には興味深い物があると思いますが、普通に見えているマダムにも、仕事の内容が複雑だったり、家族の深刻な問題があったり、自らが不倫していたりして「隣の芝生は青い」という、ガラス越しから見るような冷めた家庭がそこにあります。
ELLEの主人公の役は、以前から性的な傷を持つ女優を演じてきた女優にしか演じきれない難しい役柄でした。この難役を演じる主人公探しが難航して、さまざまな有名な女優が断ったようです。イザベルが興味を持った数少ない女優だったそうですが、彼女のハマり役といっても過言ではありません。
まとめ
フランス映画やフランス人の俳優の出ている映画は、性的なことも哲学的だったり、心理的に真面目に捉える作品が多いので、映画が終わった後に考えなければ、作品の意味が分からないということが特徴のひとつであります。
フランスのテレビでも、作品は作品という芸術的な側面として捉えていることから、性的な描写のある映画も日常茶飯事的に流れています。
イザベルの主演の映画は、性が露骨な役が多いのですが、フランスの女性の内面の強さが強烈にの残像として残る作品が圧倒的に多いです。今年のアカデミー賞にもノミネートされているイザベルですが、今後も円熟した演技で、あっと驚く作品を作るかもしれませんね。
イザベルの演じる難解な映画でも、最初から毛嫌いをせず、とりあえず見ておくという癖がつくと、さまざまな観点から考察することができるようになると共に、フランス人の関わる映画がおもしろくなったり、年齢を重ねると作品の意味が分かることもあるので、ぜひ、有名な作品だけでも若いうちに見ておくことをおすすめします。
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