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「アムール(愛)の国」フランスで気をつけるべき公共の場での振る舞い
フランスは「アムール(愛)の国」と呼ばれるように、カップルが街中でキスをしたり熱い抱擁をしている光景を目にすることがありますが、場所をわきまえないアムールについては、アムールに寛容なフランス人でも迷惑だと感じているようです。
フランス人とアムール
エッフェル塔を前に恋人たちがキスをしていたりするおしゃれな映像がよくフランスのイメージとして流れます。確かにフランスの日常では、人前も気にせず2人の世界に浸る人たちもたくさんいるので、社会的には愛の光景に寛容な国ではあります。
しかしながら、人がたくさんいるような公共の場所や人が密接するような乗り物などの場所などでは、人のことを考えずに官能的な抱擁をしている2人だけの世界に浸っているカップルがいると、さすがのフランス人でも嫌な顔をしたり、目のやり場に困ったり、怒り出す人も筆者は見たことがあります。
先日もいつものようにバスに乗ったのですが、バスがいつもより混んでおり、今までにないほどの息苦しさを感じました。いつも乗る大学の前のバス停で、ある若い大学生のカップルが電車に乗って来たのですが、しばらくすると人目もかまわず、熱い抱擁を始めました。
次第に男性が密室で彼女と2人きりでいるような状況かのように息を切らしながらエキサイトしていくので、目をそらして我慢していたのですが、最後は気持ちが悪くなり、カップルから離れた場所に逃げました。
公共の場でのカップルのアムールは普段は気にならない筆者ですが、さすがに不快感さえ感じる出来事でした。
フランスのイメージにかぶれたTPOを考えないアムールの危険性
フランス人の友人の話です。フランス人の大学の友達同士が、それぞれの彼女を連れて卒業後にみんなでひさしぶりに再会しました。
ところが、あるフランス人が連れて来た外国人の女性が、自分の恋人以外は無愛想で、とても失礼な態度を取るのに、人目も憚らず友達の前で何度もフランス人の恋人にエキサイトしながら熱い抱擁を数分ごとにしていました。
これにはさすがのフランス人もヨーロッパの他の国の女性たちもドン引き状態。せっかくの懐かしい出会いの嬉しさや卒業後のそれぞれの話もできないまま、TPOを知らない、変なカップルのために大切な時間が壊れました。
結局、空気の読めない外国人の彼女を連れて来たフランス人の友達は「あいつは非常識な恋人のせいで変わってしまった。フランス人でも人前であんなにアムールはしないよ。気持ち悪い。しかも、大事な友達同士の時間に。」とみんな離れて行きました。
フランスの頭の中のアムールのイメージにかぶれてしまい、人前で人目を気にせず恋人同士で抱擁をすることが素敵だと勘違いをするとかなり危険です。アムールに寛容のフランスの社会でも、TPOを考えない、空気が読めない、人目を憚らないアムールは、フランスでは常識がない軽い人と思われたり、大事な人間関係まで壊れてしまうことも実際にあるのです。
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他の外国人の視点
最近のニュースでは、フランスと歴史的に関係が深いモロッコで、同性愛の女性同士の抱擁が告発されました。国によっては、アムールも処罰される国もあります。
フランスではさまざまな国籍の人たちが共存している社会なので、フランスで寛容な公共の場でのアムールの行為も他の国の慣習によっては、フランスにいる外国人がどう捉えられているのかわからないということもあります。
まとめ
最近の大学生に公共の場などでの周りの人のことを考えない官能的な抱擁をするカップルについてどう思うか、ダイレクトに聞いてみたことがあるのですが、多くの学生は、普通は恥ずかしくてしないとか、それは変な人だとか、自分は嫌だという学生が多かったのに驚くと共にホッとしました。
カップルが仲良くしているのは素敵な光景ですが、やはり、素敵なカップルはTPOを考えた非常識にならない程度の愛情表現をしています。フランスに来て、本能剥き出し的な場を考えないアムールは、人間性を疑われたり、周囲の人が離れていくこともあるので、公共の場所では、愛の暴走は避けた方が良いでしょう。
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