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多民族国家における「○○人」という概念

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日本人は、よく国内で他国の人らしき方々を見つけると「あれ?アメリカ人?」という風にすぐ「○○人」と言いがちですね。でも、こんな言い方するのは日本人くらいなものかもしれません。確かに、日本国内に暮らす人たちの多くが先祖代々から続く「日本人」なことが多いですが、国外に出たらその概念はまったく存在しません。

「カナダ人」「アメリカ人」という概念とは?

Wikimedia Commons

アメリカ、カナダ、オーストラリアなど英語圏の代表として上がる国々は実は移民で成り立っています。アメリカで生まれてアメリカで育った人たちに聞いてみると、実はお母さんはアイルランド出身、お父さんはパキスタン出身などということはざらです。

なので、よく気をつけて聞いてみるとみんな「I'm American」とはあまり言わないはずです。その代わりに「I'm from the U.S., America〜」など「○○出身」といった言い方をしているはずです。「アメリカ人」や「カナダ人」という言い方は、パスポートの国籍区分だけであってそれ以外何でもないわけです。

同様に、例えばカナダに来た日本人の旅行者は、よく「カナダ料理ってどんな感じですか?」と聞いてきますが、実はこれも同じです。確かに、カナダで有名なものは「メープルシロップ」や「アイスワイン」などがありますが、カナダは日本と違い、いろんな国から来た人たちの文化が入り混じって成り立っているわけですから「カナダ料理」など存在しないわけです。

その代わり、ジャマイカ、スリランカ、エジプト、インド、日本、韓国、中国、イタリア、フランスなど、さまざまな国の本格料理が本場さながらの味として楽しめるわけです。

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日本の常識は世界の常識ではない

こうしたことは世界基準で見てみたら当たり前の基本中の基本的なことですが、日本で生まれ育ったものたちにとっては目からウロコなことではないでしょうか。日本は科学技術やさまざまな面で戦後目覚ましい発展を遂げた、いまや世界でもトップレベルの先進国です。

しかし、こういう側面から見た日本は世界のどこよりもまだまだ遅れをとっていると言わざるをえないでしょう。この側面においては、まだまだ鎖国状態と言っても決して過言ではないということです。これから海外に出て行きたい人たちにとってはぜひとも最低限、知っておいてほしい概念です。

また、何か驚いたことがあったとき「え?日本はこうだったのに!」という人も多いですし、私自身もそういうリアクションを最初の頃はしていた気がします。でも、正直、日本のほうが世界の中でも特殊な国だという認識を持つことは大事なことです。

驚いた際にも日本ではこうなのだけれど、もしかしたら日本が特殊なのであってこれが世界の中で広く知られている見解なのかもしれないなと受け入れる姿勢が必要です。

まとめ

海外に出ると日本と比較してあまりに違う、と驚くことが多くあると思いますが、むしろ日本が世界有数な特殊な国だという概念を持っておくことは大事かもしれません。

そして世界に広く目を向けたとき「○○人」という概念は存在せず、その代わりに、どこの出身かという概念が共通の概念だということを覚えておきたいですね。

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