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素敵な歴史も悲しい歴史も。スズランにまつわるフランスの歴史
今年のフランスの5月1日のメーデーは、日曜日でお休みが重なってしまい、休みが少なかったので残念でした。フランスでは、日本よりあちこちにスズランが咲いています。スズランは、フランスでは特別な意味があります。フランスの5月1日のメーデーは、フランスでは「スズランの日」と言い、街でスズランを売っている人がたくさんいます。そんなフランスにおけるスズランにまつわるお話です。
5月1日の祝日とスズランの関係
フランスのスズランは、日本のスズランとは違って西洋スズランなので、花が日本より大きいのが特徴です。また、白ではないピンクなどのカラーがある花もあります。
フランス語でスズランは「Muget」と言います。スズランをもらう人は、幸せになれると言います。この習慣は、1561年の5月1日にフランス王シャルル9世(ヴァロワ朝12代王)が、国民の幸せを願って自分の身近な人に、スズランをプレゼントしたことがきっかけで始まりました。
また、5月1日はフランスでは長い間、スズランのパーティを貴族が行い、男性はスズランを胸につけたりボタンとして装飾したりして、スズランのおしゃれを楽しみ、女性は、真っ白い純白の素敵な衣装で男性と踊ったそうです。この日は、多くの恋や愛が芽生える日だったようです。次第に貴族の習慣が、民間人にも広がりスズランは気軽に親しい人や恋人などに贈る花になったようです。
1941年頃に5月1日が国民の休日になり、メーデーの活動家の象徴の花であった薔薇の花が、スズランに変わったそうです。その頃から、労働改善の活動家の人のボタンは、スズランが装飾されるようになったようです。現在もその伝統が残っているのです。
スズランの花を贈る習慣を作ったシャルル9世とは?
筆者が1994年にフランスの有名な映画「王妃マルゴ」の映画を見たときに全く意識してなかったのですが、最近フランスのテレビで「王妃マルゴ」が放映されて驚いたことがありました。
映画の中で、カトリーヌ・ド・メディシス(シャルル9世の母親)に毒殺されていたのが、シャルル9世だったのです!!スズランの日を前に、その驚愕の事実を知り、筆者は目が点になりました。
映画のシーンでは、シャルル9世の母親がマルゴの動物の狩りの本に毒を塗り、マルゴの夫のアンリ4世(次の王)を殺そうとしたのですが、シャルル9世が、それを知らずにマルゴの本を手に取ったために、その本の毒で、血だらけで亡くなりました。
歴史は映画と違って毒殺ではなく、1574年にアルコール中毒による病死でした。シャルル9世の歴史は、スズランのエピソードから想像できないような波乱な人生で、王位を巡る大量虐殺や裏切りの歴史でした。
シャルル9世は、本当は自分が幸せな人生ではなかったから、みんなを幸せにしたかったのかもしれません。
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スズランの花には税金をかけない?
5月1日のスズランの日は、スズランを売ったお金に税金をかけない日になっています。お店では、4月の終わりぐらいから、スズランが売っていまが、自分の庭でたくさんのスズランを育てて、この日に街で商売をする人がたくさんいるのはそのためです。政府も「スズランの花」に寛容なようです。
スズランの皮肉
スズランが、毒性のある有毒植物なのが驚きです。花嫁の花としてのスズランは、純白な美しさのために人気があるですが、きれいな花には刺がある薔薇と同じように、スズランには毒があるのはかなりの皮肉です。
スズランはあまり長持ちせず、一週間も持たないで花が終わってしまうのも「美しさは儚い」「愛は儚い」の象徴のようです。
まとめ
フランスにはさまざまな歴史がありますが、花一つでもたどっていけば、たくさんのヒストリーがあり、現在に至っています。素敵な歴史も悲しい歴史もあるスズランを、部屋に飾ってみてはいかがですか?
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